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【エニアグラム】タイプ5『研究する人』とは?

エニアグラム・ファシリテーターの高橋あけみ(@akemi_ennea)です。

今日はタイプ5『研究する人』について見ていきたいと思います。


タイプ5は、理性的で洞察力のあるタイプです。冷静で注意深く、集中してものごとに取り組みます。論理的に考え、未来を見通します。


タイプ5のおもな特徴

タイプ5は、興味をもった分野の知識やスキルをとことん究めます。既存の枠組みにとらわれずにものを考え、革新性なものを生み出そうとします。

典型的な思考タイプですが、必ずしも学問に精通するとは限りません。彼らの「専門分野」は、ものづくり、楽器の演奏、ゲーム、絵を描くこと、お笑い、スポーツ(水泳やマラソンなどの個人競技を好む傾向にあるようです)などさまざまです。

往々にして、他のタイプより冷静であり、一歩引いたところからものごとを眺めます。注意深く、観察力があり、誰も気づかないような細かいことに気づくことがあります。また、常識とされていることを疑い、他の人とは異なる視点からものごとを見ることができます。

とても集中力がありますが、ひとたび入り込むと時間の感覚を失い、周りが見えなくなるほど没頭することがあります。食事や睡眠、あるいは他者とのコミュニケーションの必要性を無視しがちになります。頭(思考)が活性化しやすく、夜眠れなくなることもしばしばあります。

タイプ5の深層心理

タイプ5の根底にあるのは、「物事の仕組みを知り、本質を明らかにしたい」という思い(根元的欲求)です。その背景には、「自分は無力で、世界に圧倒されるのではないか」という恐れがあります。

そのため、自信をもてるような「専門分野」をもち、その領域に関しては安心感や有能感をもっていられると感じます。

タイプ5は何かの「専門家」になることで自信を得ようとしますが、一方で、それ以外のことに取り組むことを億劫に感じる傾向があります。特に、身体を動かすことや他人とのコミュニケーション、容姿に気を遣うことなどを後回しにしがちです。

タイプ5の人間関係

人間関係においては、タイプ5は独立していて、自己完結的です。他人に助けを求めることはめったになく、自分ひとりで解決しようとします。何かを判断する際には、多くの情報(データ)を集めますが、最終的には自分の頭で出した結論を信頼します。

他人から(物理的・精神的に)干渉されていると感じやすく、十分な「ひとりの時間と空間」を必要とします。家族と一緒に暮らしていても、自分だけの部屋や空間を欲したり、家族が寝静まったあとに一人で作業をすることを好んだりします。

グループの中では、特定の専門的役割を通して関わる傾向があります。たとえば、ミーティングで書記やタイムキーパーの役割を担ったり、イベントで撮影や音響の係を担当したりするなどです。自分の能力が生かされ、立ち位置が確保されていることで、安心して(自信をもって)人に関わることができると感じます。

社交的な会話や、感情をくみとるようなやり取りが苦手な傾向にあります。タイプ5にとってコミュニケーションとは、有益な(または興味深い)情報を交換する手段だと考えがちです。天気の話などの雑談を「無駄な話」と感じたり、他の人の気持ちに共感を示すことができなかったりします。

タイプ5にとっての成長

タイプ5は、物事に没頭する中で、理解を深め、新しいやり方を試し、ときに独創的な発明をします。身の回りの様々な事象の面白さや不思議さを発見します。

タイプ5は、「自分の外」に心を開いていくことで成長します。たとえば何かに深く悩んでいるとき、一人だけで解決しようとするのではなく、信頼できる人に打ち明けてみることで、新たな視点を得ることができたり、周りから支えられて生きていることを感じられます。あるいは、何かプロジェクトを始めるとき、長い間ひとりで準備して実行に移すのが遅れるより、未完成でも他の人に見せて反応をもらうことで、より洗練されていきます。

健全な状態になるにつれ、タイプ5は、思考が明晰になり、ひらめきに恵まれます。同時に、身体の内側から湧いてくる活力と自信があります。他人と過度に距離を置く必要はなくなり、自然に打ち解け、愛情と思いやりをもって関わります。身につけてきた知識や技術、そして知性の力を、人々のために役立てることができます。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

▼他のタイプについては、こちらのマガジンにまとめています。

▼今回の記事を書くにあたり、下記の書籍を参考にしました。

(ともにドン・リチャード・リソ&ラス・ハドソン著、高岡よし子&ティム・マクリーン訳、角川書店)

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