【エニアグラム】社会的スタイルの三分類(主張/規範/遊離)

エニアグラム・ファシリテーターの高橋あけみ(@akemi_ennea)です。

今日は「社会的スタイルの三分類」についてお話ししたいと思います。

社会的スタイルの三分類とは

エニアグラムでは、「社会的スタイルの3分類」と呼ばれるものがあります。「主張型」「規範型」「遊離型」の3種類です。

これは、私たちが物事に取り組んだり、他者(または社会)と関わったりするときの「スタイル」を表したものです。

どの人も3つすべてを持ち合わせており、状況に応じて使い分けています。しかし性格タイプによって、中心的に使っているスタイルが異なります。

この枠組みを知ることで、各タイプの行動パターンの違いがより理解しやすくなります。

また、自分のスタイルの特性を知れば、その長所を活かしていくことができますし、他のスタイルの良いところを学んでいくこともできます。

ちなみに、これはもともとカレン・ホーナイという精神科医の発見した分類を発展させて、エニアグラム理論に組み込んだものです。そのため「ホーナイの分類」と呼ばれることもあります。

ではさっそく見ていきたいと思います。

主張型(タイプ3,7,8)

「主張型」のタイプ3,7,8は、自己主張が強く、欲しいものを直接的に手に入れようとするタイプです。我慢したり、諦めたりするよりも、なんとかして手に入れる方法を考えます。行動力のある生産的なタイプです。

このタイプは「自分がこのプロジェクトに関わるからには、何らかの成果を生み出したい」と無意識のうちに感じます。その姿勢は、仕事の売り上げを伸ばすことから、ちょっとした雑談を面白い時間にすることまで、さまざまな場面で顔を見せます。

また独立独歩で、自分の人生は自分の力で切り開いていくものだと信じています。通常、人に頼ったり、守ってもらうという発想をしません。しかしそれは裏を返せば、周りの人になかなか頼れないということでもあり、そのために親密な関係を築きにくいかもしれません。

主張型のタイプは活動的ですが、一方で、自分の気持ちを置き去りにしてしまう傾向があります。プロジェクトを成功させることに夢中になり、自分がこころの奥で感じていることに目を向けないまま、突き進んでしまうことがあります。

主張型にとっては、活動のペースをゆるめて静かな時間をもつことや、周りの人と気持ちを分かちあうことが、より人生を充実させることにつながります。

規範型(タイプ1,2,6)

「規範型」のタイプ1,2,6は、他者の役に立とうとするタイプです。周りの人をサポートしたり、社会に貢献したりすることに、人生の意味を感じます。協力的で勤勉なタイプです。

規範型のタイプは行動を起こす際、自分自身の「超自我」(※)と相談する傾向があります。「何をするのが正しいのか」「どうしたら責任を果たせるのか」といったことを基準に行動を決めます。

※「超自我」というのは心理学用語で、私たちの心の中で「~すべき」「~すべきでない」と命令をしている部分のことです。もともとは子ども時代に親などから教えられた道徳や規範(ルール)を内面化したものです。

このタイプは献身的で、他者のために進んで時間や労力を提供します。自分のしたいこともありますが、やるべきことをやってからでないと取りかかれないと感じます。周りの人の人生に関心をもち、アドバイスをしたり、互いに悩みを相談し合ったりすることもあります。

規範型は責任感がありますが、「~すべき」「~すべきでない」という意識にとらわれ、自分や他者をジャッジする傾向があります。個人的な欲求を優先させたり、要求を主張したりすることは「自己中心的でわがまま」なことのように感じます。

規範型にとっては、「何をすべきか」ではなく「何をしたいか」を自分に問いかけ、「したいこと」を大切にすることが、より人生を充実させることにつながります。

遊離型(タイプ4,5,9)

「遊離型」のタイプ4,5,9は、自分の内面に広がる世界を大切にするタイプです。自分ひとりで過ごす方法をよく知っており、思索や空想をすることを楽しみます。落ち着いていて、マイペースなタイプです。

このタイプは思考や想像の世界に入りこむ傾向があり、それは外の現実世界で起きることよりも豊かで面白いと感じます。興味のある事柄を探究することを好んだり、一風変わったユーモアやセンスを発揮したりします。

多くの場合は控えめですが、中にはおしゃべりが好きだったり、社会で多くの仕事をこなしている人もいます。一歩引いたところから周りの人をよく観察しており、さまざまな立場を理解することができます。

彼らはマイペースですが、他者から気持ちが離れたり、社会への関心が薄れることがあります。「自分とは関係ない」ことのように感じ、人生で起きることに深く関わっていくよりも、安全で快適な「自分の世界」に退避してしまいがちです。

遊離型にとっては、自分を成長させるための具体的な行動を起こすことや、周りの人たちとの気持ちのつながりを維持することが、より人生を充実させることにつながります。

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最後までお読みいただきありがとうございます。

▼タイプごとの具体的な特徴については、こちらのマガジンにまとめています。ぜひ読んでみてください。

▼今回の記事を書くにあたり、下記の書籍を参考にしました。

『新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ』
(ドン・リチャード・リソ&ラス・ハドソン著、高岡よし子&ティム・マクリーン訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4041073170/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_skbHFbMDSVRG5

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