②新開誠作品について〜儚さについて〜


当たり前のことですがこの世の全ての物事には始まりと終わりがあります。
始まったもの、生まれたものはいつか必ず
終わりや死を迎えます。


とてつもなく儚いものです。


誰もが知っていることかも知れません。
自分はこの儚さが好きです。
終わりがあるからこそ、そこから来る儚さが
あるからこそ物事はより魅力的に見えるの
ではないでしょうか。


咲いた花はいつか枯れますし
実った恋はいつか散ってしまいます。
人間も生まれたらいつか死んでしまいます。


こと新海誠作品に関してはさまざまな描写に
この儚さが散りばめられていると思います。
美しい自然描写、男女の恋、憧れや夢。
自然はいつか衰退して滅びます。
恋は実っても散ってしまう。
実ったとしてもその幸せは生きている
うちしか感じられません。
憧れや夢に関しては叶わないことの方が多い上に、これも死ぬまでの期限付きです。
終わることへの恐怖は途轍もなく大きく
これは誰にでも付き纏うものです。
でもだからこそ今、終わるまでの時間を
必死に、我武者羅に噛み締めることができる。
儚さ故の美しさやアツさは私たち人々の
心を深い位置から打ちます。
だからこそ新海誠作品は多くの人々の心を
掴んでいるのではないでしょうか。


私たち観客は登場人物たちの姿勢や
背景の描写からそんなことを無意識のうちに
感じとっていると思います。
そして自分に照らし合わせる。
最終的にこの儚さは私たちの人生に
当てはまるはずです。
登場人物たちの姿には感動した、
自分はどうなのだろう。
果たして、この終わりある儚い人生を
強く踏み締められているのだろうか。
儚さから来る美しさや切なさを体現できるような人生を歩みたいです。


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