システムベンダーの考えることがユーザー企業にとって参考になるか?

30年近くコンタクトセンター関連のシステムを提案する立場にいて、日本のみならず海外の事例を探り参考にしながら、コンタクトセンターのあるべき論を考え唱え、ユーザー企業に提案してきた。

システム群の高度な機能(参照:■コンタクトセンターを構成するシステム群)の多くは、ユーザー企業の要望を反映したものだ。
これらシステムの機能と利用価値を理解(誤解)してもらい、使ってもらう(売る)ために、
  ・お客様の満足度が上がります
  ・お客様とのリレーションが強く継続できます
  ・コストが削減できます
  ・満足度の向上と生産性の向上という相反することが実現できます
などなど訴えながら、さらにはCXだのDXだのCloudだのエフォートレスだの横文字を羅列しながら営業してきた。
特に米国ユーザー企業の実例を良しとして、日本のユーザー企業に情報提供していた。

ところが先日、家電品を中心に通販を行うユーザー企業の基調講演で今まで聞いたことも考えたこともなかった実例に衝撃を受けた。
社長がオペレーター時代に、ふと、家電製品の修理をしたところ直すことが出来たそうで、だったら自社で修理してみようとなったそうだ。
これによって、コンタクトセンターが抱える多くの課題(参照:■コンタクトセンターの課題、命題)の改善が進んだそうだ。

ベンダーの立場で考え唱えてきたことがユーザー企業にとって参考になるものなんだろうかと非常に考えさせられた。
なんちゃってコンサル風営業は封印すると決めた。


■販売している製品の修理を行うことで改善されたこと

・コールの閑散時間に家電修理を行いオペレーターの生産性が向上
・修理作業が製品知識向上のトレーニングとなった
・製品を修理することでオペレーターの製品知識が向上
・修理作業でコールを受けるだけのストレス解消
・ストレス解消でオペレーターの離職率軽減
・口頭説明が難しそうな説明の動画作成
・お客様の声(意見)の反映→メーカーに改造依頼

さらに、本来メーカーが対応すべきことまで改善された
・修理期間の短縮化(メーカー対応期間の数分の一程度に短縮)
・修理期間短縮化による顧客満足度向上
・修理期間短縮により、代替製品貸し出しコストとリスク(返却されない)削減

■コンタクトセンターの課題、命題

・生産性向上
・顧客満足度向上
・オペレーターに関すること
   課題認識スキル向上
   顧客(言葉、気持ち)の理解力向上
   説明スキル向上
   知識(製品やサービスに関する)向上
   モチベーション向上
   離職率低減
   トレーニングの工夫
・エスカレーション軽減(OneStop対応)
・顧客からの呼量削減
・顧客の自己解決率向上
・ナレッジに関すること
  正確性
  検索しやすさ
  操作性
  網羅性
  見やすさ
  オペレーターの理解しやすさ
  オペレーターから顧客への説明のしやすさ

■コンタクトセンターを構成するシステム群

・コールを制御(PBX、IVR、CTIなど)
・会話を録音(通話録音)
・録音ファイルをテキスト化(音声認識)
・顧客情報と応対履歴を管理(CRMなど)
・オペレーターの回答を支援するナレッジマネジメント(FAQなど)
・お客様との非音声コミュニケーションツール(チャット)
・オペレーターのスケジュール管理(WFMなど)


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