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報告 2つのホール演奏

音心は先日、愛知県の2箇所でホール演奏をさせていただきました。それぞれやりがいを感じる機会になったので、ここでまとめさせていただこうと思います。

西尾に向けて出発

この日は生憎の雨模様。晴れユニット音心ですが、秋の空はそれ以上に気まぐれなのでしょうか?今回は2件の演奏が同じ日に被ってしまったのですが、それぞれ意味を感じるものだったため、緊張感とワクワクしながら準備を進めてきました。この日は生憎の雨模様。晴れユニット音心ですが、秋の空はそれ以上に気まぐれなのでしょうか?今回は2件の演奏が同じ日に被ってしまったのですが、それぞれ意味を感じるものだったため、緊張感とワクワクしながら準備を進めてきました。

雨の浜名湖を横目にした写真

雨の浜名湖は水面と空の境が判らん。そんなことを思いつつ、最初の演奏場所である一色カーネーションホールに向かいます。

ホール雰囲気

建物外観写真

公民館に備え付けのホールのようですが、建物も含めてかなり立派で驚きました。なんだか公民館のイメージが変わってしまいますね。

正面入口の写真

ここで開かれる「市民音楽祭」に出演された「なみの音」という団体のゲストとして演奏させていただきました。子育てに関する支援を中心に色々な活動をされているようですが、この日はなみの音さんが主催した回に参加された親子の方々もご一緒ということで、和やかな雰囲気になりました。

子供は可能性の塊

参加される子供さんはまだ幼く、舞台を自由に動き回ることになっているので、オカリナの安全は確保していただいた上で望みました。

様々な団体が発表を続けていく中、控室にて待機中の我々。参加されていたお子さんは僕よりも人見知りがなく、元気に初めての場所の把握に努めているご様子。途中からはスライド扉の楽しみを知って、開け締めを楽しんでいたりしました。
なんにでも夢中になれるこの時期は、全てにおいて可能性の扉が開けている時期だと感じます。まだ「あれダメこれダメ」の概念すらない時期。この時期は本当に、生まれてきて間もなくで何もかも新鮮で楽しくて眩しい。そんな時期なんだと思います。

お子さんはリハーサルにも参加して、誰もいない客席も含め空間を思い切り動き回って把握しているようでした。思わず後ろをついて行きたくなりますね。心配でではなく、自分も一緒に空間把握に参加したい気持ちになるわけです(笑)

ステージから見た客席の写真

本番前のひととき

お昼も済むと後は本番を待つばかり。お子さんは流石に眠気がやってきたようで、思い切り泣いていました。しばらくするとそのまま眠ってしまい、その様子を聞いていた僕もつられて仮眠(おいっ)

本番前に仮眠を取るなんて、なんだか大物ですね。その時、心に言葉が浮かびました。それは「子供は誰しも皆大物。大人になるに従って小物になってゆく」と言うんです。
うーん確かにって思っちゃいました。えんじろうはオカリナという夢中にさせてもらえるものがあるおかげで、小物になりきらずに済んでいるような。

流れに逆らう魚のイラスト

それはまるで、川の流れに逆らう魚たちのよう。僕も可能性を捨ててしまわないよう、その流れに逆らい続けていないといけないかなとか思ったり。
そんな事を考えているうちに寝ていた。というよりも、その子の寝息を聴いていたら引き込まれていただけな気もします。

元気な本番

そんなこんなで本番の時間。演奏はたった2曲なのですが、久々のホールのステージでの演奏です。なんだかとっても幸せでした。最近ホール演奏全然できていなかったので、開場の響き、そして音響の方が紡ぎ出してくださる思いと響き。どちらもとても心地よく感謝の気持になりました。

演奏も喋りも、なんだかとても良い感じにできたと思えたのは、直前のお昼寝の効果かもしれません。あの子のリズムに合わせてみて正解だった。歌にもある「童神わらびがみ」という考え方のように、まだ神様に近い存在の子供の行動は、生き物の根本的な願いに近いものなのかも知れません。その要求に従うことは、体にとって最善の行動なのではないでしょうか?

ところで肝心なその子は、本番は客席の視線やご両親や周りの人の行動を見たのでしょう。妙に落ち着いていて、拍手の場面では舞台上から拍手をしたりなど、まるで予めそういう予定だったかのように暖かなムードを振りまいていたのでした。
やっぱり子供は大物です。

ロビーの壁の写真

演奏終了後は、次の会場に向けて移動が待っています。皆さんと余韻を楽しむ間もあまりなく、そそくさと現場を後にしました。
しかし初めてお邪魔した「一色カーネーションホール」、良い響きとそれを活かす音響の方に支えられ、気持ち良い演奏をさせていただけたことに感謝でした。

豊田でのひととき

そこから車で移動すること約1時間。今度は豊田です。

小ホールの表示写真

雨の中到着した豊田産業文化センターの小ホールは、既にたくさんのお客様とスタッフの方々で活気に満ちていました。
音心もご挨拶を済ませ、物販の準備などさせていただきました。

物販ブースの写真

この場所の写真はこれだけで申し訳ありません。
この後は出番までずっと控室(というか舞台袖)にて待機していました。

何もかも初対面だから

たくさんの出演者さんがおられる中、音心は後ろから2つ目。そして当時「かずこさん」の元にいたピアノが、今回の主人公となる被爆ピアノでした。りょうこさんはこの日初対面でそのまま演奏というなかなかハードな流れでした。

実はえんじろうも、事前に打ち合わせはしていたものの、実際の音合せはしていないので音響などはその場で組み上がってゆく感じ。
最初はMC向けなセッティングで、オカリナが大きすぎると感じたので思い切りマイクから離れました。そこから徐々に音響が調整完了してゆき、それを感じ取りつつマイクに接近という感じで、とてもリアルタイムでした。
もちろんそれは演奏中の話なので、お客様の耳に届いた音がどんなだったのかが少し心配でした。

ただ3曲目辺りからは音響も整い、僕もマイクとの向き合い方を固定できたのでただ演奏だけに集中できました。
そこからはピアノの音色とも意識を合わせられるようになってきて、思い切り演奏に集中できました。特に「カッチーニのAve Maria」では、お客様に届いているという確信めいた感覚も感じられました。時々こういうことってあります。

センシティブ

コンサートは全てが演者次第というわけでもないというのを、最近よく感じます。お客様がどんな気持ちでどんな心構えで会場に来られているのかによっても、伝わるものが通る回線の太さが大きく変化すると感じます。
この日は「平和を願う」方々が大半で、被爆ピアノの声を聞いてみたいという、純粋に音を聴こうとされている方々ばかりだったと思うんです。舞台から聴こえてくる音をしっかりキャッチしようと耳と心を大きく広げられているお客間が多かったのではないでしょうか?
おかげでオカリナの音色にも深く耳を傾けていただけたと感じました。

普段無意識にやってしまう感度調節。この日は意識的なものもプラスされてより思いが届きやすい雰囲気だったのだと思います。
貴重な機会に混ぜていただけて、本当にありがとうございます。

ピアノの音色

さて、今回の主役である「かずこさんのピアノ」の音は、細身ですが芯があり、割りとクリアな音色だったと感じました。そして小さい音もちゃんと表現してくれる繊細なピアノでもありました。
戦争の被害で体中にガラス片を浴びせられて、その跡がたくさん刻まれているということでしたが、今でもめげることなく当時の繊細で優雅な音色で、平和への想いを奏でているのだなと感じました。

被爆ピアノの移動・調律と共に、それを後世に残してゆく活動をされている調律師の矢川氏の思いも、大切なことだなあと感じました。


感謝の日

雰囲気の異なる2つの舞台に参加させていただき、改めて音楽っていいなあと感じました。そしてホールってやっぱり音楽のためには本当にありがたい空間なんだなあと感じた日でした。
ホールで演奏できて本当にありがたかったという話をしながら、ご褒美のラーメンを食べに行った帰り道。

伝丸の写真

この日のご褒美は味噌ラーメン!ちょっと冷え込んでくると特に嬉しいのはやっぱり味噌なんですよね。

大盛り味噌ラーメンの写真

本当に美味しくて幸せでした。
素敵な空間で素敵な方々と演奏でき、様々な刺激を得られて自分の音楽も届けられる。CDなどの売上金があるおかげで食料も確保できて、それでまた生きられて活動が続けられる。本当の良循環だと感じます。

平らげ写真

と言っているうちに食べきってしまいました。あっという間でしたが、とっても美味しかった。このお店では、すっかり店員さんに顔を覚えられてしまっています。お互いに「またあえてお元気そうで良かった」などと言うのがうれしいです。

衣装と楽器立ち

ただいまの楽器写真

今回は衣装の上にオカリナたちを並べてみました。
これらの楽器がこの日のえんじろうを支えてくれました。皿に下の衣装が彩ってくれました。北海道で一目惚れしたこの衣装、本当に大好きです。

平和とは?

オカリナという楽器があって、えんじろうがアーティストで居続けさせてもらえる。これと同様に目の前の優しさや感謝をしっかり認識することで、遠目に見ると平和が実現し続けられている。そんな感じではないかと思うんです。
優しさや感謝を「当たり前」にして、自覚しなくなってしまうと、やがて平和が崩れてしまう。だから今あるありがたみをちゃんと認識し続けようとすること。それが一番身近にできる平和への活動のように感じてます。

未来のことは判らないし、何が正しい答えなのかも判らないまま、我々って色んなことを決め続けないといけないんですよね。
せめて自分の身の回りの平和を自覚し続けたいものですね。

2つの会場での演奏、聴いてくださった方、後で声をかけてくださったお客様、CDを手に入れてくださった方にも感謝でいっぱいでございます。ありがとうございます。



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