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読書/日本の歴史をよみなおす - 原点回帰と中世日本の真実

網野善彦氏の著作『日本の歴史をよみなおす』が紹介されています。この本は、日本の中世に焦点を当て、これまでの日本史観に新たな光を当てるものです。この記事では、内容をもとに、日本史を再評価するための重要なポイントを紹介します。

1. 農業社会としての日本のイメージ

これまでの日本史において、日本は農業中心の社会であったというイメージが強調されてきました。しかし、網野氏はこのイメージに異議を唱え、商工業者や芸能民といった様々な階層が日本社会に大きな役割を果たしていたことを指摘しています。中世日本は単なる農村社会ではなく、貨幣経済や多様な民族が存在する複雑な社会であったことが強調されています。

2. 中世日本の多様性と文明史的転換

網野氏は、中世日本が文明史的に大きな転換期であったことを指摘しています。この時期には、階級や差別、権力構造、そして信仰が深く関わり、多様な社会が形成されていました。特に、女性の地位や文字資料のあり方に注目し、当時の人々の生活や信仰に新たな視点を提供しています。

3. 歴史の真実を探る

本書は、教科書の表面的な記述だけでは捉えきれない日本の歴史の真実を明らかにしようとしています。網野氏の洞察は、歴史の暗がりに光を当て、これまで見過ごされてきた日本社会の多様性や変遷を生き生きと描いています。また、歴史的な絵図が多く掲載されており、中世の人々の生活や社会構造をよりリアルに感じることができます。

まとめ

『日本の歴史をよみなおす』は、日本史を再評価するための重要な一冊です。農業社会としての一面的な日本像を覆し、中世日本の多様性と文明史的な転換を新たに捉え直す機会を提供しています。歴史に興味がある方は、この本を通じて、これまで知られていなかった日本の真実に触れることができるでしょう。

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