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Spotlight on the Global Person #03 バズーカ岡田さん ~Part.1 イスラエル渡航編~

“グローバルで活躍する”という言葉の向こう側には、多彩な想いやストーリーが息づいています。夢を叶え、未来を引き寄せるカギは【グローバルスキル】です。英語は言うまでもなく、自分の価値を高めるさまざまなスキルを身につけ、活躍の扉をひらいたグローバルリーダーのリアルな声をご紹介します。

第3回は、“バズーカ岡田”こと日体大教授 岡田 隆さんをご紹介します。

Part.1 イスラエル渡航編

―—岡田さんは日本体育大学教授として研究・教育を行われるのと並行し、国内外のボディビル大会に出場されるなど、世界を活動のフィールドとして広く活躍なさっています。そもそも海外志向があったんでしょうか?

岡田
:さかのぼると、大学院生の頃に海外での研究生活に憧れがあったんです。純粋に「かっこいいな!」と感じていました。しかし仕事を始めると、日本でもそれはそれで充実してその事を忘れていました。そして実はコロナ禍のさなかに大病を患ってしまい、率直に言って死を意識したんですよね。それまでも人生楽しいと思ってはいたものの、ふと(そういえば、海外に行きたいっていう夢があった…)と、夢のやり残しを思い出したんです。
それで、大学の制度を利用し、2023年4月から1年間イスラエルに研究留学することにしたんです。

―—行動力がすごいですね!

岡田
:もちろんそれ以前から海外とのつながりはいろいろありまして、たとえば柔道全日本男子チームの体力強化部門長として、直近2大会のオリンピック(リオ、東京)に帯同したりしていました。国際大会で世界各地へ赴くたびに(世界は広くておもしろい)と折々で感じたんです。日本にいると日本を当たり前にして考えがちですが、実は全然そうじゃない。柔道だって日本発祥のスポーツだから日本が正解かと言えば全然そんなことはなく、各国の多様な価値観ややり方のどれも興味深く感じていました。

―—実際にイスラエルに行かれることになった経緯についても、ぜひお聞かせください。

岡田
:イスラエルを選んだ理由が2つあります。1つは、差別化、希少性です。私の研究分野において、多くの研究者がすでにアメリカやヨーロッパに渡り、その情報は出尽くした感があります。確かにメジャーで発展していますが、だからこそ行こうとは思わなかったんです。せっかく挑戦するなら新しい場所へ行きたい。誰も知らない事を知りたい。それを日本に持ち帰りたい、という想いがありました。もちろん、筋力測定の権威がイスラエルにいて、その先生とのつながりがあったから行けたのは言うまでもありません。


テルアビブ大学教授陣と(左)/受け入れ先研究室メンバーと(右)

もう1つの理由は、イスラエルという地域特性です。イスラエルの首都エルサレムは、ユダヤ教・キリスト教、イスラム教の聖地であり、地球上で最も聖なる場所です。キリスト教、イスラム教で世界人口の2/3を占めると言われていますから、エルサレムが世界に与える影響は尋常ではありません。一方、日本人は宗教観が強くない国民だと思いますが、それでも初詣や墓参りくらいは行くじゃないですか。強い信仰とは言えないですが、これは神道や仏教からの行動ですよね。これだけ多くの人が信じ、我々の行動に大きな影響を及ぼしている宗教の事を知らずして、ホモサピエンス(の筋肉)を理解するなどできないと思ったのです。

―—実際に赴かれてみて、いかがでしたか?

岡田
:驚いたことはたくさんありましたけど、逆に日本の良さを痛感しましたね…日本は清潔だし、何をするにもこまやかだな、と。もちろん全員とは言いませんが、たとえばインターネット環境を整えようにも、おおざっぱな業者がおおざっぱな工事をするものだから本当にキツかったです(笑)英語でキレる事を学びました(笑)大胆で失敗を恐れずチャレンジする姿勢があるとも言い換えられるんですけどね。

無事に不動産契約

とはいえ、最もインパクトが大きかったのは戦争の脅威です。イスラエルは、生活において常に戦争が身近にある国。徴兵制もあるし、戦火の恐怖が隣り合わせです。だからこそ、生きることに対する時間の使い方が日本とは全然ちがうと感じました。

結局、10月にパレスチナ・ガザ地区を実効支配するハマスによる攻撃から戦争が始まったので、急きょ帰国することになりました。

―—生き方の価値観が一変しそうなご経験ですね。

岡田
:まさしくです。平時がいきなり戦時となり、昨日まで世界選手権を目指し一緒にトレーニングをしていた友達が軍服を着ていくという世界ですから。日本ではなかなか想像できないですが、「自分も家族も、いつ死ぬかわからない」という危機感が現実にあるんだと痛感しました。

それだけに、2023年11月にアメリカで開催されたプロボディビル世界選手権で友人たちに再会できた時は、言いようもなく感慨深かったです。イスラエルチーム全員は大会に来れなかったですしね。彼らの分までまさしく死ぬ気で仕上げるしかないと思いましたよ。

こういった経験は、実際に海外に渡ったがゆえに得られたもの。何物にも代えがたい貴重な経験だったと思っています。

プロボディビル世界選手権(左)/ライバルたちと(右)

―—自ら海外に渡ったからこそ得られた経験とその重みが、言葉の端々から感じられるお話でした。岡田さん、ありがとうございました!
次回は「#02 英語学習Tips編」として、岡田さんの英語学習の工夫や今後の展望について伺っていきます。

新・バズーカ岡田チャンネル


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