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マリラとお母さん

 図書館の児童書コーナーで見つけたフリガナ付きでひらがなが多い本は、漢字が苦手な私にとって大発見。そこで見つけた前田三恵子さん訳の赤毛のアンを読んで。

 アンを引き取ったマリラは、ものすごくアンを大切にしているのにいつも不愛想で愛情を表に出さないタイプの女性。アンがどんどん大きくなって家を出ることになっても、寂しさを我慢して悟られないようにするマリラの心情には涙が止まらない。

 アメリカ留学時、帰国を突然決めたことを思い出した。私は日本に帰りたくて帰りたくてお母さんに会いたくて毎晩泣きまくってたのだけど、ずっと我慢してて。あるとき電話で「お母さんは私に会いたくないの?」と聞いた。そのときのお母さんの答えは「わからない」だったんだけど、私は帰っておいでって言って欲しくて聞いたと思う。結局このすぐあとに帰国することになって、割とすぐ就職と一人暮らしを始めた。
 
 ある日突然お母さんが職場に現れて、急に会いたくなったっていうもんだから何があったのかと思ったら、さっきの話に戻る。どうやらお母さんも覚えてたみたいで、その日会ってた知り合いとこの話になったんだって。そしたらその時の寂しい気持ちが溢れてきて、会いに行ってきたら?って薦められて職場に来たらしい。そのときは会いたいって言ったらダメだと思ったらしい。本人がそのとき気づいてたかはちょっとわからないけど。
 
 就職してどれくらい経った頃か覚えてないけど、その日のことはしっかり記憶にある。上がりの時間だったし、着替えるの待ってもらって駅地下でピザを奢ってもらった。バレンタインも近かったからくまさん形のチョコレートをもらった。いちご味とミルクチョコレートが2個づつ入ってた。一つはお母さんの前で食べた。「かわいいって言いながら頭から食べるんだね」って言ってた。

 これを書いてるわたしは今、本を読んでるときよりも号泣。

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