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トイレットペーパーにもなったラファエロの天使【愛しのミュージアムグッズ】#5

お気に入りのミュージアムグッズ、5回目は、ドイツで買ったマルチクロスです。

◆ドイツが誇るラファエロの名画

前回に続き、またラファエロの登場です。

今回は、ドイツ・ドレスデンのアルテ・マイスター絵画館にあるラファエロの名画《システィーナの聖母》が主役です。

神々しい聖母子が描かれた色鮮やかな絵画で、とにかく聖母様がお美しい! ラファエロ作品のなかで、もっとも好きな絵です。

ラファエロ・サンティ《システィーナの聖母》1512-13 アルテ・マイスター絵画館蔵 2010年撮影

この絵は、1754年に、芸術を愛するザクセン選帝侯・アウグスト3世が購入。ヨーロッパにある美術品は、略奪されたものも多いですが、本作品はきちんと大金を払って買われたものです。

では、なぜアウグスト3世は、こんなすばらしい名画を手にすることができたのでしょう?

本作品、もともとは、イタリアの修道院にありました。

1512年、ピアツェンツアのサン・シスト修道院が、ラファエロに祭壇画を注文。1512~13年にかけて制作されたのが、《サン・シストの聖母》です。

この祭壇画は、ピアツェンツアにとって大切なものでしたが、18世紀に修道院修繕の資金が必要になったため、絵の売却を決意。

アウグスト3世がかなりの高額を払って手に入れ、以来《サン・シストの聖母》、つまり《システィーナの聖母》はドイツの至宝として大切にされてきました。

ドレスデンのツヴィンガー宮殿

でも、ドレスデンといえば、第二次世界大戦の大空襲を思い浮かべる人も多いと思います。街は、ほぼ壊滅状態になりました。

《システィーナの聖母》はどうなったのでしょう?

実は、秘密の場所に隠されていたので、無事でした。

ただ、その後、悲劇が襲います。

ソ連に略奪されたのです。

しかし幸運なことに、ソ連は1955年に作品を当時の東ドイツに返還。

略奪の際に絵画が損傷した、など、すったもんだはありましたが、現在、《システィーナの聖母》はドイツの宝として、ツヴィンガー宮殿内のアルテ・マイスター絵画館で大切に保管・展示されています。

◆トイレットペーパーにもなったラファエロの天使

《システィーナの聖母》で、真ん中に描かれている聖母様よりも有名かもしれないのが、下にいる天使たち。 子供らしい表情がかわいくて、たまりません!

《システィーナの聖母》部分

いろいろなグッズになっているので、どこが見たことがある人も多いと思います。

Berliner Zeitungなどの記事によると、天使たちは、すでに1890年にはアメリカで人気が出ていたようで、その後も続々とさまざまな商品に登場。靴下やクッション、傘、時計、ワインラベル、チョコレート、トイレットペーパーなど、さまざまな商品に天使たちがプリントされてるようです。

◆かわいすぎて使えない天使グッズ

さて、アルテ・マイスター絵画館のショップで購入したのが、天使がデザインされたマルチクロス。

それこそ、ショップには天使デザインのグッズは山ほどありましたが、結局お土産として持ち帰りがラクなものを選んでしまいました。

でも、かわいすぎて、使えないのです。

この天使たちの顔をぐちゃぐちゃにしてまで、自分のメガネを拭きたいと思えない。スマホやパソコン画面を拭いて、天使ちゃんの顔を汚したくない……。

結局、10年以上マルチクロスの役目を果たせないまま、引き出しのなかに眠っています。

かわいすぎるグッズは使えない、ということを学びました。

参考記事:Die Engel der Sixtina – Wikipedia

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