見出し画像

よく聞くコンサル用語集

「コンサル用語集」へようこそ。ビジネスの最前線で活躍するコンサルタントたちが日々用いる専門用語は、時に複雑で神秘的に感じられることも。しかし、これらの用語を理解し、使いこなせるようになることは、コンサルティング業界だけでなく、ビジネス全般においても通用する力を身につけることに繋がります。この用語集では、「MECE」から「アジェンダ」、「インビ」まで、業界で頻繁に使われる言葉をわかりやすく解説しています。あなたがこれからコンサルティング業界に足を踏み入れる新人であろうと、ビジネスの世界でさらに一歩進んだ理解を求める経験者であろうと、ここにはあなたの知識を深めるための鍵が揃っています。それでは、コンサルの世界を解き明かす旅に出発しましょう。


アベる

「アベる」は、「available」の略で、プロジェクトにアサインされていない、つまり仕事がない状態を指します。コンサルティング業界では、稼働率が重要なパフォーマンス指標(KPI)であり、長期にわたって「アベる」状態が続くと、期末の人事評価に悪影響を与え、キャリアにとって深刻な問題となる可能性があります。

KT (Knowledge Transfer)

「KT」とは「Knowledge Transfer」の略で、知識の移転や引き継ぎを意味します。ビジネスの現場では、プロジェクトや業務の効率的な進行を確保するために、チームメンバーや部門間での知識の共有と移転が不可欠です。KTは、経験やスキル、プロジェクトに関する重要な情報を、去る人から残る人へ、あるいはあるチームから別のチームへ効果的に伝達するプロセスを指します。

アウトプット

成果物や出力を指し、プロジェクトや業務の結果として生み出される具体的なものを意味します。

SV (Supervisor)

「SV」は「supervisor」の略で、英語で「監督・管理する者」を意味します。日本ではサービス業における統括責任者やエリアマネージャーの役割で使われることが多いですが、コンサルティング業界、特にアクセンチュアでは「上司」としての意味合いで使用されます。また、「PJ」は「プロジェクト」を指すことを示しています。

カットオーバー (C/O)

「カットオーバー(cut-over)」は、新しいシステムへの切り替えや利用開始を指すIT業界の用語です。このプロセスは、古いシステムから新しいシステムへの移行を含み、システムの稼働を開始する段階を意味します。英語では同様の状況を「go live」と表現し、新しいシステムが実際に運用開始される瞬間を指します。

シナジー

異なる要素が協力し合うことで、個々の要素の単純な合計以上の効果を生み出すこと。

コミットメント (コミット)

「コミットメントする」という表現は、コンサルティング業界で頻繁に用いられ、プロジェクトや仕事に対する責任を持ち、それを成功に導くという強い意志や決意を示す際に使われます。これは「約束する」という意味合いを超えて、目標達成に向けて自らを律し、全力を尽くすという姿勢を強調する言葉です。提案書などの公式な文書にもしばしば登場し、そのプロジェクトや提案に対するコンサルタントの熱意や自信を伝えるために利用されます。

コンサルプロジェクトの現場では、上司が部下のコミットメントの度合いを問うシーンがしばしばあります。部下が十分なコミットメントを示せていない場合、その点を指摘されることがあります。ただし、コミットメントの意味や重要性を理解していないと、このような指摘を受けても何をどう改善すればいいのかわからず、改善のための具体的な行動に移すことが難しくなります。その結果、改善が見られない「分からない者には何を言っても無駄」という状況になりがちです。このため、コミットメントを求められる立場の人は、それが何を意味するのかを深く理解し、それに応じて行動することが求められます。

Up or Out

「Up or Out」とは、特にコンサルティング業界で用いられる人事評価の原則で、「昇進するか、退職するか」という意味です。この原則は、従業員が定期的な評価を通じて一定レベルの成果を上げ続け、昇進していくことを求めます。昇進できない従業員は組織を去ることが期待されるため、競争が激しく、常に高いパフォーマンスを維持する必要があります。

他業界では、出世よりも長期にわたる安定した勤務が重視されることもありますが、コンサルティング業界では成果主義が強調される傾向にあります。日本の大手総合系ファームでは労働法の観点からこの「Up or Out」の文化が薄れつつあるものの、戦略コンサルティングファームや一部のベンチャー企業では依然としてこの考えが色濃く残っています。このように、成果を重視し競争を促進する文化はコンサルティング業界の特徴的な側面の一つであると言えます。

Mup

「Mup(エムアップ)」は、マネージャー以上のポジションを指す略語で、コンサルティング業界における転職市場や採用関連の文脈で頻繁に使用されます。コンサルタント間の日常会話の中でも自然に使われることがあり、業界内での役職やキャリアレベルに関する話題を理解する上で重要な用語の一つです。この用語を知っておくことで、コンサルティング業界の人事構造やキャリアパスに関する議論をより深く理解することができます。

N2H (nice to have)

「Nice to have(ナイス トゥ ハブ)」は、「なくても問題はないが、あるとより良い」という意味の表現で、特に人材要件を説明する際によく使われます。この用語は、特定のスキルや資質が職務遂行において必須ではないものの、持っているとプラスになる、という状況を指します。資料やメール、チャットでは「N2H」と略して表されることもあります。

対照的に、「Must to have」という表現は、職務を遂行する上で絶対に必要とされるスキルや資質を指します。これは、特定の職務やプロジェクトにおいて必須の要件を明示する際に使用されます。

インダストリーカット・ソリューションカット

大手総合系コンサルファームでは、「インダストリ(業界)」と「ソリューション(支援領域)」を軸にしたマトリクス型の組織編制を採用しています。このアプローチにより、コンサルタントは特定の業界(例: 製造、通信、医薬・医療、消費財など)と特定の支援領域(例: 会計、戦略、M&A、組織人事、サプライチェーンなど)に焦点を当て、その領域における専門性を深めることができます。コンサルタントはこれらのカテゴリーのいずれかに所属し、関連するプロジェクトに参画することで、自身のスキルと経験を積み上げていきます。

「インダストリ」と「ソリューション」の組み合わせによる組織編制は、クライアントに対してより専門化されたサービスを提供することを可能にし、コンサルタント個人のキャリア成長においても専門知識を磨く機会を提供します。

MECE (Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)

ロジカルシンキングはコンサルタントにとって最も重要なスキルの一つであり、その基盤をなすのが「MECE」(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)の原則です。MECEは「相互に排他的かつ全体として網羅的」であることを意味し、ある問題を構成する要素を重複なく、かつ漏れなく整理するための思考フレームワークです。

コンサルタントとしての研修では、MECEの考え方とともに、「So what(それが何を意味するのか)」や「Why so(なぜそうなのか)」といった論拠の組み立て方も重点的に教えられます。これらの原則は、複雑な問題を明確に理解し、効果的に解決策を導くためのロジカルシンキングを養うために不可欠です。

粒度

「粒度」はコンサルタントの業務において非常に重要な概念であり、情報や分析の詳細レベルを指します。業務を遂行する上で、どれだけ詳細に情報を集めるか、または分析するかが「粒度」として表され、これがプロジェクトの成果物の質や内容に大きく影響を及ぼします。

例えば、ある業界の概要を調査する場合、大まかなトレンドや市場の概観が求められることもあれば、特定の企業の詳細な財務情報や特定のニュースイベントの深い分析が必要とされることもあります。このように、求められる情報の粒度がプロジェクトごと、またはタスクごとに異なるため、上位者やクライアントの期待と自分の作業内容が一致しているかを常に確認する必要があります。

ジャストアイデア

コンサルティングの仕事は、論理的な思考を基盤とするものと一般に考えられていますが、実際には想像力を駆使し、創造的なアイデアを発想する機会も豊富にあります。特に新規事業開発や革新的なプロジェクトでは、従来の枠組みにとらわれず、新しい視点からのアプローチが求められます。

ブレインストーミングのセッションでは、すべてのアイデアが初期段階で完全にロジックに基づいている必要はありません。「ジャストアイデアですが…」というように、自らの思いつきを謙遜しつつも積極的に共有する姿勢が重要です。このアプローチにより、期待値を適切に設定しつつ、自由な発想を促すことができます。

アイデアを積極的に口に出すことで、新たな発見や解決策に繋がる可能性があります。他者との意見交換は、思考を刺激し、プロジェクト全体の方向性を見出す上で貴重な機会となり得ます。そのため、たとえ完璧ではないアイデアであっても、共有することによってプロジェクトへの貢献度が高まります。

ロジ

「ロジ」または「ロジ周り」は、「ロジスティックス」の略語で、プロジェクトの計画や実行において必要となる一連の調整や手配、準備などを指します。これには、会食の場所をリサーチし予約する、参加者への場所の連絡、必要な資料の準備、会場の設定など、プロジェクトやイベントをスムーズに進行させるために必要な裏方作業が含まれます。

特にコンサルティング業界やビジネスの現場では、若手社員がこのようなロジ周りのタスクを担当することが一般的です。これは、チーム運営の効率化とプロジェクトの成功を支える重要な役割を果たしています。

また、「ファシリ」という言葉もよく使われます。これは「ファシリテーション」の略で、会議やワークショップなどで円滑な議論が行われるように進行を助ける役割を指します。ファシリでは、参加者間のコミュニケーションを促進し、目標達成をサポートするための技術や手法が求められます。

インビ

「インビ」に関しては、その用途や文脈によって意味が異なりますが、一般的には「招待」や「会議招集」など、人をあるイベントや会議に呼びかける行為を指します。特にビジネスのコンテキストでは、インビの詳細に注意を払うことが重要です。

オンライン会議の場合、使用するツール(TeamsやZoomなど)が招待する相手にとって利用可能かどうか、前もって確認する必要があります。特に、異なる組織の人々が参加する会議では、全員がアクセスできるプラットフォームを選択することが重要です。また、外部の参加者が特定のツールを使えない場合は、代替の手段を検討する必要があります。

対面会議の場合は、会議室の予約状況を確認し、適切に予約することが必須です。さらに、インビメールを送る際には、会議室の場所や時間、参加が必要な人物など、必要な情報を明確に記載することが大切です。これにより、参加者がスムーズに会議に参加できるようになります。

これらのタスクは一見単純に見えますが、適切に管理されていないと、会議の進行に支障をきたす可能性があります。そのため、インビを送る際には、使用するツールの確認、会議室の予約状況、そして必要な情報がインビに含まれているかどうかを事前に確認することが、スムーズな会議運営のために不可欠です。

アジェンダ

コンサルティング業界では、どのような会議においてもアジェンダの明確化が重要視されます。アジェンダとは、会議の目的や話し合うべきトピック、そしてその会議で達成したいゴールを事前に定義したものです。会議には必ず目的があり、その目的を達成するためにどのような議題が必要で、どのような結論に到達すべきかをアジェンダが示しています。

会議のファシリテーションを効果的に行うためには、まずアジェンダを設定し、各アジェンダ項目で何を話し合い、どのような結論やアクションプランに導きたいのかを具体的に計画する必要があります。このアジェンダに基づいて会話を進めることで、会議は目的に沿った効率的なものになります。

また、アジェンダに沿った会話の流れをシミュレーションすることで、会議の進行がスムーズになり、参加者が議題に沿って意見を共有しやすくなります。このプロセスを通じて、会議のファシリテーターは参加者を適切に導き、会議を有意義なものにするスキルを身につけていくことができます。このように、アジェンダの設定は会議の成功に不可欠であり、目的達成に向けた重要なステップとなります。

モジュール

「モジュール」は元々、ハードウェアやソフトウェアの構成要素を指す言葉として一般的に用いられますが、コンサルティングの現場ではより広い意味で活用されることがあります。ここでの「モジュール」とは、特定のカテゴリや領域、すなわちプロジェクトや分析の中で特定の機能やテーマを担当するセクションを指す用語として使われます。

例えば、組織変革プロジェクトにおいて「モジュール」は、人事評価制度の改革、研修プログラムの開発、コミュニケーション戦略の策定など、プロジェクト内の特定の焦点領域を意味することがあります。それぞれの「モジュール」はプロジェクトの全体目標に寄与する独立したセクションとして機能します。

一方で、システム関連のプロジェクトでは「モジュール」がより技術的な意味合いで、「機能」や「機能群」を指す場合があります。例えば、財務管理システムの構築プロジェクトでは、予算計画、費用追跡、報告などの各機能が「モジュール」として識別されます。

アカウント

「アカウント」という言葉は、ビジネスの文脈では一般的にクライアントや顧客を指しますが、特に「重要アカウント」という表現が使われる場合、それは会社から特に重視されている、重要視されているクライアントのことを意味します。このようなクライアントは、会社の収益やブランドの地位に大きな影響を与える可能性があるため、その担当者や関連部署には高い期待が寄せられます。

部署や会社の全体会議では、これらの重要アカウントの獲得、維持、またはその関係の深化に関する戦略や成果が議論されることがあります。重要アカウントを担当することは、その担当者にとって大きなプレッシャーであると同時に、キャリアアップの機会ともなり得ます。成功した場合、担当者は組織内での評価を高めることができますが、逆に期待に応えられない場合は責任問題にもなりかねません。

このように、重要アカウントの管理は、会社全体の戦略に密接に関連しており、それを担当する者には高いレベルの責任が伴います。会社からのサポートやリソースが重要アカウントに集中することもあり、効果的な管理と成果の達成が求められます。

エンジニア採用のご相談はこちらから

エンジニア採用領域において、素晴らしい候補者様との出会いを創出します。

ダイレクトリクルーティングの戦略設計、スカウト代行を中心に、エンジニア採用のプロとして広範囲で高品質なコンサルティングサービスを提供いたします。

問い合わせフォーム(顧客事例)

エンジニア転職のご相談はこちらから


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?