小学校体育の基礎知識
これまで対談記事やコラムにて、様々な体育の課題に触れてきましたが、
そもそも小学校の体育は「何を」「どれくらい学び」「どんな目標で」行われているのか。今回はそんな基本的な情報をお伝えしたいと思います。
■授業時数
上記は学年別の授業時数です。1~4年生は週3時間、5・6年生は週2.6時間体育の授業を行います。
少子化や社会の変化で、運動をする仲間・空間・時間が減少している中で、体育の授業でどれだけ「運動を好きになれるか」「多様な動きを経験できるか」が、子どもたちの生涯にわたるスポーツへの関わり方に影響を与えるといっても過言ではありません。
■教科の内容
陸上、水泳、球技、器械運動まで、多種多様な種目を経験できることが日本の体育の特徴です。
しかし、これらを「みんなで同じ事を、同じペースで一緒にやる(or やらざるをえない環境)」という点では課題があります。
■教科の目標
体育や保健の見方・考え方を働かせ,課題を見付け,その解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) その特性に応じた各種の運動の行い方及び身近な生活における健康・安全について理解するとともに,基本的な動きや技能を身に付けるようにする。
(2) 運動や健康についての自己の課題を見付け,その解決に向けて思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 運動に親しむとともに健康の保持増進と体力の向上を目指し,楽しく明るい生活を営む態度を養う。
この目標は,(1)~(3) の目標が相互に密接な関連をもちつつ,体育科の究極的な目標である,生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育成することを目指すことを示している。
※【体育編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説より
単に「運動の楽しむ」「体力向上」だけではなく、思考力や表現力等、様々な目標があること分かります。
体育という言葉だけを聞くと、「体を育てる」というイメージが強くなりますが、「知育」「徳育」「体育」の3つがバランスよく行わないと成り立たない科目なのです。
■新学習指導要領のポイント
運動をする子・しない子の二極化や子どもの体力低下を背景に、新学習指導要領では新たに「運動の苦手な児童」「運動に意欲的でない児童」に配慮する内容が示されました。
<改善の具体的事項>
全ての児童が,楽しく,安心して運動に取り組むことができるようにし,その結果として体力の向上につながる指導等の在り方について改善を図る。その際,特に,運動が苦手な児童や運動に意欲的でない児童への指導等の在り方について配慮する。
※【体育編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説より
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以上、学校にとっては当たり前の情報ではありますが、改めて整理すると体育の重要性が分かると思います。
ENGINEはこの体育という教科のポテンシャルを最大化するサービスの開発を目指しています。今後の動向にご期待ください。
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