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「初心忘るべからず」の3つの意味とは?世阿弥が伝える " 学習する組織 " の真髄

こんにちは!Engagement Run!Academy講師兼コミュニティマネージャーの三浦です!


初心忘るべからずの由来

間も無く4月を迎え、心機一転!心新たに仕事に取り組もうという気持ちの方も多いと思いますが、そんな時に「初心忘るべからず」という言葉を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この言葉は、能楽の大成者として知られる世阿弥が残した『風姿花伝』という「伝書」に記されています。能楽の演技論、芸術論を子孫に残すために書かれた本ですが、その内容は示唆に富み、汎用性が高く、人生論として読むことが出来るため、広く知れ渡っています。

現代では、「初心忘るべからず」は、「物事を始めた時の新鮮な気持ちを忘れない」という意味合いで使われることが多いですが、実は、風姿花伝は、世阿弥が最初に記した伝書であり、晩年に記した『花鏡』で、その意味を広げて用いています。

今日は、花鏡で新たに述べられている「是非の初心忘るべからず」「時々の初心忘るべからず」「老後の初心忘るべからず」という三つの教訓を、現代の仕事に置き換えて、みていきたいと思います。

是非の初心忘るべからず

この教訓は、「善いことも悪いことも、志し始めた当初の心を忘れてはいけない」という従来の「初心忘るべからず」の考え方の強調です。

仕事においては、成功も失敗も経験しますが、どんな結果であれ、自分が最初に持った情熱や念い(おもい)を忘れずにいることが大切です。初めに抱いた純粋な動機や、正しいと信じる道を歩むことの重要性を示しています。

時々の初心忘るべからず

「各年代で学んできたことを、その年代限りで忘れるのではなく、積み重ねていくことが大切」というこの教訓は、キャリアを通じての学びの重要性を強調しています。

若手の頃に学んだことだけでなく、中堅、管理職と立場が変わるごとに新たに得た知見や経験を大切にし、それらを定期的に振り返ることで、生涯にわたって積み重ね、成長の糧としていくべきだと説いています。

老後の初心忘るべからず

ここでの「老後」とは、文字通りの老年期だけでなく、キャリアの晩年を指します。

「老いるのを待つのではなく、老後にこそ目指すべきものがある」というこの教訓は、仕事においても、経験を活かしたリーダーシップの役割を果たすようになったり、メンターとして後進を育てるなど、キャリアの晩年だからこそ可能になる目標や役割があること、同時に、キャリアの晩年であっても、常に新たな気持ちで取り組むことの大切さを教えています。

終わりに

最後に、世阿弥の「初心」を深く理解するための手助けになる文章を引用させて頂きます。歳を重ねることに希望と誇りを持つことのできる文章だと思います。

一本の木にたとえるならば、初心は芽吹きではなく、その木が成長するに従って刻んできた年輪だといえるでしょう。

日本人のこころの言葉 世阿弥 | 西野春雄 / 伊海孝充 

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ご自身の "初心" を振り返りたい方、エンゲージメント活動の "はじめの小さな一歩" について分かち合いたい方のご参加をお待ちしています!

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