#76 アメリカ司法報道界のレジェンド、ニーナ・トーテンバーグ (Part 1)
2021年になりました！世の中も再始動ですね。
今年もよろしくお願い致します！
ゲストから深い回答を引き出すことに定評のあるTerry Gross。
1月2日には、昨年の放送の中から2つのインタビューを再構成した週末版が放送されました。
番組の前半は、RBGとも親交が深かったNPRの司法担当記者のニーナ・トーテンバーグ氏。後半は映画『ウォッチメン』の脚本家のコード・ジェファーソン氏。
今日は前半のニーナ・トーテンバーグ記者に焦点を当てたいと思います。
トーテンバーグ記者は、ロックダウンの最中も毎週土曜日は自宅でのディナーにRBGを招き、一緒の時間を過ごしていたそうです。
また、病院のベッドにいたRBGと、電話越しに最後のお別れもしたそうです。
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そんなRBGとの親交についてよく知られるトーテンバーグ記者ですが、司法報道における大御所としても知られています。
1991年に、最高裁判事に指名されたクラレンス・トーマス判事のセクハラ疑惑を探り当て、訴えた元部下、アニタ・ヒル氏に独占インタビューを行い報道したのが、トーテンバーグ記者なのです。
トーマス判事を最高裁判事として承認するための上院司法委員会の公聴会にもヒル氏は呼ばれ、証言を求められました。
ヒル氏の名前は#MeTooムーブメント、そして2018年にカバノー判事が最高裁判事に承認される過程で聞かれた方もいらっしゃるかもしれません。
黒人女性であるヒル氏が、最高裁判事候補で黒人のトーマス判事に対して証言する。そして、裁判所の役割を果たす上院司法委員会の委員14名は、全員男性。そのような事からも、非常に注目された公聴会だったそうです。
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当時、インタビューを申し込んだトーテンバーグ記者を、ヒル氏は拒んだそうです。そして”どうしてもと言うなら”と、実現不可能と思われた、ある条件を出したそうです。11分8秒から。
And I said I was trying to get her to do an interview with me, and she said that if I could get the affidavit that she would agree to an interview.
（彼女にインタビューを申し込んだところ、宣誓供述書を入手できたらインタビューを受けましょう、と言われました。）
And I think having read Jane Mayer and Jill Abramson's book, and also from my own sort of gut is that she didn't really think I could get the affidavit, and that therefore she would not have to come forward.
（ジェーン・メイヤー氏とジル・エイブラムソン氏の本にも書かれていますし、私自身も直観的に感じたことですが、私が宣誓供述書を手に入れることができるとが出来るとは、ヒル氏は全く考えていなかったようです。だから、公の場に引きずり出されることはない、と思っていたようです。）
But I did get the affidavit, and she lived up to what she said. She did do an interview with me, and there's almost everything that she said in the hearing she said in that interview.
（でも、私は宣誓供述書を手に入れ、彼女は約束を果たしてくれました。私とのインタビューでは、公聴会での証言内容とほぼ同じ内容を語ってくれました。）
件の宣誓供述書について、テリー・グロスが12分24秒から質問します。
Can you tell us anything about how you got the affidavit?
（どのようにして宣誓供述書を手に入れたか、どんなことでもいいので教えてもらえませんか？）
それに対する答えは・・・
No. Even my husband doesn't know.
（ダメよ。だって、私の夫でさえも知らないんですもの（笑））
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上院公聴会でのヒル証言の後、トーテンバーグ記者はセクハラ疑惑を”暴露”したことについて、あらゆる方面から非難を浴びます。命の危険を感じることもあったそうです。
そのエピソードは、次回書きたいと思います。
いがらしじゅんこ：会議通訳者
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