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シンプルなカタチとイタリアンレザー

今回、キーホルダーの製作風景であるが、キーホルダーに付ける鍵の話を少し。

昨今の新しいタイプの鍵といえば、カードキー、スマホアプリで開閉できる電気錠、車やバイクなどにも使われているスマートキーは電池錠か?
テクノロジー系ならハンズフリーの生体認証キー、顔認証や音声認証、指紋認証。
キーレスやん… キーレスだけど、ヒトが鍵? 鍵はヒト? 鍵というモノの形はどうなって行くのか? 全然… 知らんけど。

こりゃ、キーホルダーいらんな… 話にならんな…

過去、違う国、スペインで暮らしていた頃、住んでいたPiso(アパート)の鍵は、
エントランスのオートロックの鍵、玄関の鍵、自分の部屋の鍵、デスクの引き出しの鍵。4つも鍵…多いわっ!! だった。シェアハウスあるある。
シェアアパートだったので、誰が誰を連れてくるかなんてわからん状態の暮らしでもあり、キーホルダーにジャラジャラと付けて持っていた。三回目の引っ越しで、信頼する人と2人で暮らしたので、二つに減ったけど。

日本へ帰国後、革でのモノ作りをほぼ独学で始め2年ほど経った後、デザイン含め製作した革小物などを贈り物として持ち、ひと月ほどスペインに行った。
友人のアパートに居候していた時のスペインの鍵たち
真ん中、部屋のクローゼットの鍵の古さは…笑える。右はエントランスの鍵、左はアパート玄関の鍵。スペインの玄関の木製のデカい扉… なんであんな重いのかね。古い建物が多いだけか。

どんどん話がズレていくのでスクロールして下さい。↓

こんな写真ですみません。。。よく食べたチョリソとケソ(チーズ)。
違うキーホルダーに付けた時。今度はビール…サン ミゲル(笑) ビールが安く飲める国、サイコー!!


手裁ち、手仕事。

一般的なキーホルダーは、革の使用面積を少なくしたり、縫製しやすいカタチにして抜き型を使い量産、お求めやすいお値段で販売しているモノも多くある。
わたしの場合はキーホルダーも手裁ちで製作している。総手縫いで製作、手間と時間がかかることも多く、量産するわけでもなく。抜き型で作ってもあまりコストダウンには…

インスピレーションのカンパーナ -campana-

デザインは"カンパーナ"(スペイン語で鐘)のカタチと言いたいところだが…
西洋式の鐘は両端が外に反ったタイプ。大聖堂や教会などにある鐘、スペイン国内やヨーロッパ旅行の街で音を聞いた鐘がインスピレーションだったが、反った鋭角な角は変形しやすく、よろしく無い… 嗚呼、わいのインスピレーション…
釣り鐘型に変更、アクセントと補強の意味で両サイドを糸で巻き留めることに。
なんか、まとまったんちゃう???  その後、バランスは気に入っている…

座右の銘: "すべてはバランス"

余談ではあるが、バレンシアのカステリョンにあるヘリカ(Jérica)の街の鐘楼で、手で鐘を縦回転させて鳴らす伝統的な方法を目の前で見させてもらった事がある。
決められた人しか出来ないと言っていた。当たったら吹っ飛ぶヤツだった…

ヘリカの鐘楼"Torre Mudéjar de la Alcudia"
ぐるん、ぐるん、そら当たったら吹っ飛ぶ…飛ぶぞっ。 この両脇で小さいモノも回していた。

余談でした…

キーホルダーの"製作風景"

今回、使用している革は、淡い色が特徴のイタリアンレザー。色はサクラ、スカイブルー、オレンジ、金具の根革はグレーで統一。
他の革でも作りはするが、デザインやシンプルな作りは変わらない。

最初のパーツカットに使うもの。通常、芯材に使うものを型紙代わりに。
荒裁ちして、真鍮製のロゴで刻印。
ウラの革を貼り合わせ、最終の本裁ち。梨地仕上げの革用の斜め包丁。
糸を巻き留める穴を開け、サイドに化粧ラインの捻入れ。裁断した革の端はエッジペイント仕上げ。 
"手縫い用ワックスリネン糸"、色はパールグレー。
美しい形状でしっかりとしたフジタカ鋲でカシメ。
全て丁寧に、手仕事で作っています。

糸は麻糸にワックスをコーティングしている細めの"手縫い用ワックスリネン糸"。
コバ面(革を裁断した端)は、キレイに磨いてエッジペイントを塗り重ねて丁寧に仕上げています。
小さなものほど粗が目立ちやすく、左右対称、上下対称、正確に繊細に作る技術や仕立てを大切にしています。

おまけのサクラ

以前撮影したもの。今年は満開になったら、写真を撮りに行こうか… 


ちょっとした小さな贈り物、プレゼント、鞄の中にあっても小さな目印の役割も果たしてくれるアイテム。この革は使用して行くと、色が濃くなり経年変化する革でもあり、それを好まない人もいる。ほぼ経年変化しない"ヴォー エプソン"という名称で知られるフランスの革への移行も考えている。

小さなアイテム、エンフォケの"小さなキーホルダー"のお話でした。

ではまた、¡Hasta luego!


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