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「知識は主観的な解釈として顔の見える関係を通じて流通する」という仮説を実証するための個人的な実験です。詳細はこちらの記事を御覧ください→ https://note.com/enf… もっと読む
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2020年7月の記事一覧

老子 (岩波文庫)

老荘思想に興味を持って、Amazonでポチってみたものの、意訳されすぎているか、解説の範囲が広すぎるなと思ってどれもしっくり来ず。 大型の書店に行って、それっぽいの片っ端から読み比べて選んだうちの1冊。 道徳経の全81章について、訳文、訓読文、原文、解説、がほどよいバランスで書かれていて、老子が書いたことそのものを知るのにちょうどよかった。 老子の思想で一貫している「道」とは、あらゆる物事の道理の根底であり、顕在化して認識しやすいわけではなく、しかし「道」に従っていること

経営戦略原論(東洋経済新報社)

どんな分野でも、今に至る流れを知ることは、理解を深める助けになる。 「なぜ、今のような主流があるのか?」 「どのような前提条件の変化がそれをもたらしたのか?」 「いま"当たり前"だと思っていることで、遠からず覆りそうなことは?」 こういう「そもそも」を考えられるようになると、自分の仮説の精度が高まり、仮説の強度が強くなる。 もちろん仮説なのだから間違っている可能性は大いにある。それでも、精度と強度が高いことで、自信を持って進められる「推進力」が高まるし、軌道修正するときの

哲学と宗教全史(ダイヤモンド社)

サクサク読めて楽しい。けどとても物足りない。 というのがこの一冊の読後感だった。 「哲学」とはなにか? 「宗教」とはなにか? どちらも概念としての輪郭を明確に定義しようとすると非常に難しい。少なくとも自分では説明はできない。(「"哲学的"とはなにか?」というのは、この前に読んだ ニューQ でも扱われていた。言葉にすると難しいんだけど、共有している感覚はものすごくあるんだよな…) 人類の歴史と並走しながら哲学と宗教を概観していくと、どちらもが時代背景からは逃れられないもの