見出し画像

老子 (岩波文庫)

老荘思想に興味を持って、Amazonでポチってみたものの、意訳されすぎているか、解説の範囲が広すぎるなと思ってどれもしっくり来ず。
大型の書店に行って、それっぽいの片っ端から読み比べて選んだうちの1冊。

道徳経の全81章について、訳文、訓読文、原文、解説、がほどよいバランスで書かれていて、老子が書いたことそのものを知るのにちょうどよかった。

老子の思想で一貫している「道」とは、あらゆる物事の道理の根底であり、顕在化して認識しやすいわけではなく、しかし「道」に従っていることが天下を治めるにも、また個人の生き方としても通じている。
河合隼雄が「自然(じねん)モデル」で言っていた雨降らし男も、まさにこの「道」のことに通じる。

まだまだ自分の理解が及んでいないことを棚に上げて、実感したことを語るなれば、そこに「人が理解できる」「説明できる」ことを超えた道理が存在することへの、ある種の「手放す」ないしは「諦める」という方向性(これは、当時の趨勢だった儒教に対する強烈なアンチテーゼでもあった)。

#老子 #西洋と東洋 #老荘思想

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?