見出し画像

余り物には何がある? 持続可能な余り物生活のススメ

はじめに

 小さいころから聞かされてきた、「余り物には福がある」または「残り物には福がある」ということわざには、「人が残したものや最後に残ったものには思いかけずいいものがある」という意味があります。しかしその裏には、「他人と争わず、譲る人には幸運がある」という意も含まれるので、待つことの美徳を説くためのことわざという印象を持つ人が多いと思います。
今回はそんな道徳的観点からではなく、余り物が持つ「持続可能性」について考えていきます。
 僕は学生ながら多趣味なので、お金を削るべく余り物を最大限活用して暮らしています。節約のためとはいえ、結果的に持続可能性のある暮らしになっているので、この記事では「余り物生活」の魅力について書いていこうと思います。また、僕は古物を扱うアルバイトを計7年やっているので、古物商的な観点からも考えていきます。

余り物って何を指す?

 人によって余り物の定義が変わってくると思いますが、この記事では余り物について以下の物を指すとします。

  • 見切り販売品(おつとめ品、クリアランスセール品)

  • B級品(傷アリの新品、返品等で新品ではなくなった物)

  • 中古品(お下がり含む)

これら3つの余り物についてそれぞれ、どんなメリット・注意点があるかを書いていこうと思います。

見切り販売品

 これは一番身近な余り物だと思います。スーパーに行くと値引きのシールが貼られている食品があると思います。また、季節物の服や靴なども季節の終わりごろになるとセールがやっていたり、そういったものを中心に取り扱っている「アウトレットモール」もあったりしますよね。
 食品に関しては、販売期限が近付いているものが大半なので、抵抗感がある人もいるかもしれません。ただ、すぐ食べる・すぐ使う物を買えば衛生上の問題は無いですし、その時ある食材から献立を考える楽しみもありますね。また、賞味期限や消費期限は目安の数字であり、適切な保存がされていればほんの少し過ぎたくらいでは健康上の問題が起きる訳ではないのです。もちろん、食べる前の最終的な判断は匂いなどから行ってくださいね。
 服や家電など、季節商品のクリアランスセールは個人的に一番お得だと思っています。同じ新品でありながら、半額程度まで値下げされてる事もあり、出費が大きい品目なら節約効果は絶大です。また、アパレル業界にはシーズンや流行りの過ぎたものが大量に廃棄されるという問題があるように、クリアランスセールで買うことで廃棄物の削減にも貢献することが出来ます。(流行りを自ら作って売れなかった物を廃棄する、供給側の問題ではありますが…)
「シーズン物をシーズン終わりに買ってどうするのか」という指摘も当然あると思いますが、それは至極簡単で、「翌シーズンに使う」だけなのです。季節家電やコートなど、何シーズンかに渡って使うものって多いですよね。そういったものをシーズン終わりに買えば、季節の変わり目が早まったときにもすぐに対応出来るというメリットもあります。
僕は季節物の大半をクリアランスセールで買っています。冬靴やスノーボード用品は結構高いので、春先のセールに毎年助けられています。

夏の終わりに買ったサーキュレーター

B級品

 B級品は同じ新品でありながら、傷や返品歴、長期在庫品など通常の品としては販売出来ず、値段を下げている商品です。これらの品は通常品と同じ品質を保っているため、中古品に抵抗感がある方にもおすすめです。また、通常品と在庫が別になっているため、新品が無くなってもB級品ならまだ有るということもありますね。しかし、長期在庫品を除くと、これらの物は新品とあまり値段が変わらないことも多いので、節約に大きく寄与しない事もある点に注意が必要です。

中古品(お下がりも含む)

中古品、それは僕の大好きな物です。それはさておき、中古品とは、一度誰かの手に渡ったものの、市場に再度出てきた物を指します。つまり、一度使われた物だけでなく、未開封品なども中古品に分類されます。今回は身近な人からのお下がりも含めて説明していきます。
 中古品の大きなメリットは「年代を超えた物を手に入れられる」というところにあると思います。新品在庫が無くなってしまった最近の物から、昔憧れたけど買えなかった物や、自分よりもずっと長生きしてる物まで、中古品なら手に入れられるのです。最近僕が買った中で一番古いのは1971年製のYAMAHAのアコギのFG-110ですね。それ以外にも、30,40年前の物をたくさん買ってます。

「赤ラベル」のヤマハFG-110


 また、持続可能性の観点から見ても中古品は大きなアドバンテージを持っています。中古品は次の消費者へのバトンパスができ、新しい物を買っても今までの物をそのまま廃棄する機会を減らせます。現代社会ではリサイクルが発達し、なんらかの形でその資源を再利用することは出来ますが、中古品のリユースはリサイクルよりも環境負荷を大きく低減することができます。余談にはなりますが、日本では再利用を意味するリユースと、再資源化を意味するリサイクルが混同されることが多々あります。そのため、中古品を販売するお店が「リサイクルショップ」と呼ばれることが多いですが、正しくは「リユースショップ」です。


僕の大好きなリユースショップ ハード○フ


 魅力いっぱいの中古品には注意しなければならない点もいっぱいあります。ここからは、気をつけるべき事について説明していきます。中古品において気を付けるポイントは主に4つです。

  • 状態は個体ごとに全く異なる

  • 安いとは限らない

  • 保証はほとんどない

  • 明日も有るとは限らない

 まず、個体ごとの状態の差についてです。中古品はそれぞれの個体で使用や保管の状況が全く異なるため、1点1点状態が異なります。そのため、買う前に状態を細かくチェックする必要があります。ネットショッピングや個人売買サービス(ヤフオク、メルカリなど)では写真をしっかりと確認し、状態を判断しましょう。写真や状態説明が少ない商品は、売り手の商品知識が少ないまたは、不具合に気付いていない、隠蔽しようとしてるケースがあるので、避けた方が賢明です。

 次に中古品の価格についてです。一般的には「中古品=安い」という認識がありますが、中古品の中には新品価格とほとんど変わらない物や、新品以上になっている物が多くあります。前者は、現行品の中古のためにあまり価格差がつかないケースです。後者は、価値が評価されて値段がどんどん上がるケースです。楽器や車によくある話ですね。
「安いと思って買ったら高かった」を防ぐためには、新品価格や中古相場を予め調べておくことが大切です。また、フリマサイトでは、相場額を大幅に超える出品も散見されます。相場を調べずに価格設定を行ったであろう一般の出品者はまだ良いのです。しかし、世の中には商品知識が薄い消費者を騙すかのように高い値を付ける出品者もいます。カメラやレコードプレイヤーなど、近年若者に人気のある趣味の品や、テレワークで需要が急増したパソコンなどで、性能や年代、希少性を考慮するともっと安いはずという商品が多く見られます。中古品を愛する僕には絶対に許せない相手ですが、余計な出費をしないためにも、下調べをしっかりしましょう。

価格高騰中の「ジャパンビンテージ」の代表例Tokai
(これは適切な価格で買いました)



 3つ目の保証についてです。中古品は売りに出されてるその瞬間の状態で値が付けられていて、それ以降の故障にはそもそも対処が難しいという性質を持っています。販売店の中には3ヶ月などの長期保証を行っているところもありますが、個人売買は基本的に保証はありません。商品の状態が説明と明らかに異なっていた場合を除いて、保証は期待できません。そういう故障が心配な方は中古品には手を出さないほうが良いと思います。
ちなみに、前述のB級品は中古市場で扱われることも多いです。この場合はメーカー保証期間がすでに開始されているものがほとんどで、保証はその残り期間となります。

 最後の在庫についてです。中古品は基本的にその個体の1点モノなので、同じ型番のものはあっても、コンディションは全て異なります。そして、流動性が高いので、今日在庫にあるからといって、明日有るとは限らない可能性があります。僕もアルバイトの中で、「明日買いに来る」と言っていたお客さんが、翌日来たにも関わらず、もう売れてたという状況を何度も見てきました。また、昔近所に住んでた人が中古車販売店で、他の人が商談していた車を現金即決で買ってきたと話していたのを覚えています。さすがに、後者のケースは防ぎようがないのですが、本当に欲しいと思ったら早めに買いましょう。商品の取り置きに関してはそれぞれのお店でシステムが異なるので、店員さんに確認してください。(僕のバイト先では次回来店予定が曖昧なケースは取り置きをお断りすることになってます。そういう人は大体買わないので…)

おわりに

 それぞれのとても長い記事になりましたが最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は3つの「余り物」について解説していきました。それぞれにメリットや注意点がありますが、その特性をよく理解して、良い買い物をしてくださいね。
ぜひお得で持続可能な「余り物」ライフを楽しんでください!

この記事を見て、面白いなと思ってくださった方はぜひ「いいね」と「フォロー」お願い致します!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?