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野球に学ぶデータを活用した育成術

みなさんSalesforceを使ってますか?使えてますか?
何のためにSalesforce使っているのかわからなくなってませんか?

SalesforceのようなSFAを導入する目的は
①自社の成功の方式を仕組み化することでの全体の底上げを図ること
②個の特性を理解し育成すること

の2つと考えています。
仕組み化と個の育成の両方が強い営業組織作りに必要なわけです。

今日は2つ目の個の育成にデータ活用が有効だよ、って話を書いていこうと思います。

野球におけるデータ活用例

野球に限らずプロスポーツの世界はデータ活用のオンパレードです。
例えばスイング率を各ゾーンごとにヒートマップした図を見てみましょう。

2015年シーズンのセリーグ最多安打の川端選手のスイング傾向のヒートマップです。
色はスイング率が高いほど赤く、低いほど青くなっています。
これを見ると高めの球は多少のボール球でも振って行く打者と言うことがわかります。

次に同じく2015年シーズンのパ・リーグ最多安打に輝いた秋山選手ですが、ボールゾーンのスイング率は川端選手と比べて高くなく、選球眼が高くストライクゾーンをまんべんなく狙っていく選手と言えます。

同シーズンの森選手のスイング率ですが、今まで見た2選手と比べるとかなり特徴的です。
うち寄りのゾーンを好んで打っていますが、低めのボール球にもかなり手を出しています。

基本的に低めのボール球に手を出すことは良くないと言われていますが、超打率を見ると低めのボール球が実はホットスポットという特徴もあります。

3選手のスイング率から何が言えるのか

ここまではスイング率という一つのデータを例にとってみましたが、何が言えるでしょうか。

・人によって傾向が全然違うこと
・1つの指標だけ見てると誤った判断をしかねないこと

例)森選手は低めのボールゾーンに手を出している!辞めさせないと!!

とりあえずバット振っとけ!で終わるのは小学生・中学生のアマ時代の話。
プロでは結果が求められるので、効果的な練習をする必要があります。
そのため、感情が入り込む余地のない事実としての数字が大事になり、数字がわかるからこそ個別化した適切な指導ができるようになります。

相手チームのピッチャーやキャッチャーからしても、バッターの傾向がわかれば対策立てやすいですよね。
逆に知らないと「どう配球するんですか?適当ですか?だからお前は打たれるんだよ!」という話になります。

AさんとBさんはどっちがスキル高い?

それでは営業でどうデータ活用が育成に活かせるんでしょう?
いくつか代表的な指標を見ましょう。

チーム平均成約率は18%、平均商談単価は19k、平均商談日数は36日です
新規と既存の売上バランスは6 : 4が適切としてました

これは実際に私がセミナーをやるときによく使ってた個人ごとのダッシュボードの抜粋です。
AさんとBさんの売上の差はほとんどありませんが、各指標の差はかなりあります。
さて、AさんとBさんはどっちがスキル高いでしょうか?その理由はなんでしょうか?

事実1:AさんのほうがBさんよりも成約率が10%高い(両者ともに平均値より上)
事実2:Aさんは平均受注単価が低く、商談日数が短い( Bさんは平均値)
事実3:Bさんは新規偏重型、Aさんは新規と既存のバランスが理想的

ここまでは数字からわかる事実です。
では事実から見える傾向はなんでしょうか。

これはマネージャーの予測です。
ここまでくるとAさんとBさんの強さと弱さがなんとなくわかるので、育成方針が立てられます。

AさんBさんの傾向を踏まえた育成のポイント

すべて数字という事実から予測した個々の特徴分析と育成方針の立案の流れです。
適当にe-learningを受けるよりも効果出そうな気がしません?

日常業務と育成の両立 ~オンラインとオフラインの融合~

ここまで書いてきたことって私がSalesforce在籍してたときなのでもう4年ぐらい前の話だけど、今も変わらず思っていることだし、在宅勤務率が比べものにならないほど増えたのでよりオンラインとオフラインの融合し、日常業務と育成の両立の重要度が高まりました。

当然ですが、データ分析だけで完結はしません。
あくまで事実から予測される傾向なのです。
同行や1on1が大事なことは当然です。
私はこんな感じに考えています。

指導方法とSalesforceの位置づけ

同行は営業の言葉遣いや立ち振る舞いもわかるので、一番深い指導ができますが、全営業の全訪問に同行はできません。
1on1は同行ほどの深さはありませんが、カバーできる範囲が広がります。
Salesforceは対象が全商談でデータから事実→傾向が判断できます。

手法によってできることが違うので使い分けが大事です。
Salesforceで全体を見渡しながら傾向を掴んでおく。
そのうえで同行や1on1をして実態を把握する。
どっちか1つじゃなくて合わせ技なんです。

必要な入力項目は3つ+1つだけ!

データ活用による人材育成の有効性を理解してもらえましたでしょうか?
「データさえあれば意味あることぐらいわかるわい!」
「データ入力が大変なんでしょう?」
という声が聞こえてきそうですね。

私が例に出した成約率や商談平均単価、期間などは3つの項目+1つの入力で終わります。

フェーズ
案件金額
完了予定日

の3つがあれば最低限の営業分析ができます!
実際にはこの3つに加えて

次のステップ

の4項目が入力されれば営業マネジメントできます。
これなら楽勝ですよね?
これでできないなら、できないではなくやらない、ですよね。

7・2・1の法則ってのがあります。
人が成長するには70%が自己経験、20%が人からの助言、10%がトレーニング、というもの。
仕事からの成長が圧倒的です。

ときどきするトレーニングよりも、毎日Salesforceを使い、適切な指導を行うことがメンバーの成長には一番の近道だと思います。

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