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連載6・知ってた?トランプとタロットは同時発展した

イタリアはかなり長い間、
地方の豪族の支配が強い
都市国家の集まりで、
日本で言えば戦国時代のような
小さな「国」の集まりでした。

同時に
外国からの侵略や干渉も受けていたので

イタリアの国の成り立ちの歴史はかなり複雑で
一言で説明できるものではありません。

だから、当時の歴史を見ると
輸入という概念もないままに、
イタリアに他国の文化が入ってきたことも
イタリアの文化が他国へ渡ったことも
自然な流れだったようです。

マムルークカードがトルコからもたらされた
13世紀のあたりでは
アラブ/イスラム圏との交流がありました。
(どれほど友好的だったのかは別の話として。。。)

このマムルークカードは
タロットだけではなくて
トランプ"Playing Cards"のもとでもあります。

タロットとトランプって、
カードの構成がとてもよく似ていると思ったことありませんか?

それは
トランプがタロットから作られた訳でも
タロットからトランプが作られた訳でもなく、

両方とも、イタリアで同時期に発展したものだったからだそうです。

つまり、マムルークカードが
イタリアで描き直されるようになった200年の間、

一方では
全部で52枚のゲームになって「トランプ」の原型になって

もう一方で22枚の切り札カードが付け加えられた
全部で78枚ある「タロット」の原型となりました。

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(イタリア人のロドさんと対談:タロットともっと仲良くなる話(2)
講師でも知らなかったタロットの歴史)

[https://www.youtube.com/watch?v=TxRVHWXbguc] 3:29

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そんなタロットの原型ができあがった
15世紀頃、
イタリアはフランスの影響下にありました。

豪族しか手にすることのできなかった
カードが
北イタリアのミラノと同じぐらいの緯度にある
南フランスのマルセイユに渡って

イタリア語のタロッチTarocchiから
フランス語のタロゥTarotと
呼び名も変わりました。

(英語でもTarotはフランス風に
最後のtを発音せずに
「タロゥ」と言われます。
「タロット」と最後のtまでいうのは日本だけなんですよ)

そこで、印刷業が発展した17世紀以降のフランスでは
大量生産が可能になったので
一般民衆にも広まり

マルセイユタロット、として有名になりました。

今では占いツールと思われている
マルセイユタロットですが
実はゲームとして使われていた記録の方が
ずっと長いんですね。


ちなみに
現代のイタリア人ですら
タロットカードの原型はタロッチと呼ばれる
イタリア製のアートだったことを知っている人が
少ないらしいし、

占う、となったら
数百年前のイタリア作品を使う人は
あまりいなくて
一般に普及しているタロットを使うそうですよ。

なんだか勿体無いような、
理解できるような。。。複雑な気持ちがします〜

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タロットを本質から知る連載、続きます😃♪

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