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ウルトラマラソン完走記:サロマ湖ウルトラマラソン(2017年6月)(1)

サロマ湖100㎞ウルトラマラソン完走記(1)スタート前まで

(2)がハーフ地点まで、(3)がゴールまでの3本立てです。


伝統のウルトラマラソン、サロマ湖100㎞ウルトラマラソンを走ってきました。11時間24分05秒。ウルトラマラソン始めて3年、自己最高記録となりました。
サロマ湖100kmウルトラマラソン。この大会について初めて知ったのは、村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』を読んだときである。
何しろ、この本を読了した日(2007年10月17日)にゴム底靴で試しに走ってみて、次の日にランニングシューズとウェアを買ってきたのがわたしのラン人生の始まりである。100キロ走ると言えばサロマ湖だろ! 村上春樹は1996年のサロマ湖を走っており、その記録がこの本の「もう誰もテーブルを叩かず、誰もコップを投げなかった」という章に書かれている。21年前! わたしは村上春樹と16歳違いなので、村上春樹の方が5歳若くサロマ湖を走っているのね。
サロマ湖は日本で三番目の大きさの湖で、かつては淡水湖だったそうだが、人工的に、オホーツク海とつなげられ、汽水湖になった。そして、ホタテ等の養殖が盛んである。ホタテ養殖をやっている家はすごく羽振りがいいという話である(余談)。
あまりに遠いので、参加することはあまり現実的に考えられず、2014年からウルトラマラソンを始めたけれど、なかなかサロマ湖まで行く踏ん切りはつかなかった。エントリー合戦も激しく、並行して、飛行機(本数少ないし)も宿(少ないし)も移動手段(勿論鉄道なんてない)も考えなくてはならない。基本、自分一人で直感で大会決めてエントリーしている一匹狼のわたしだが、サロマ湖はそれは無理。どこかに混ぜていただかなくては、と漠然と思いつつ(何しろいつかは村上春樹の背中を追わなくてはいけない)、いたずらに時が過ぎたが、昨年のサロマ湖にいらしていたウルトラ友Yuさんの日記のコメント欄をきっかけに、frunを中心とするグループが、毎年サロマに行ってて、宿も「来年もよろしく」で確保出来ていると聞き、ここに図々しく潜り込ませていただく。
1月25日20時エントリー。残業にかかると時間ちょうどにRUNNETにつなげないかも、と思って休暇まで取ってクリック合戦。一緒に行くことになっていた人たちみな無事エントリー出来て、次は飛行機。これもクリック合戦に近いものがあったが(そしてわたしはお任せで何もしてない...)AIR DOの格安プランが往復とも確保出来(ここで運を使ってしまったのか)、レンタカーも確保。あとは故障せずにその日を待てばいいのね。1ヶ月前の野辺山ウルトラマラソンがロング走練習がわり(練習にしてはあまりに過酷だったが)。GWの多摩川50km走と野辺山100km以外は、ろくに走らず(残りは月間100~150km程度)淡々と渡航の日を待つ。いや、不安要因もあって野辺山かサロマ湖どちらか行けない可能性も高かったのだが、結局両方参加出来た。色々なことに感謝。
野辺山をふがいなくほぼ14時間かけて走ったわたし、サロマ湖の対策ブログを参照し、100kmに高低差を加味した距離係数を計算し(野辺山が120、サロマ湖が102)、その比率でタイムを割って計算すると、わたしのサロマ湖目標タイムは12時間程度(制限時間は13時間)と出た。これまでのわたしのウルトラの最高記録が2014年のえちご・くびき野の12:02:20。えちご・くびき野よりはアップダウン少ないし、12時間は絶対切らねばなるまい。
6月21日(水)に野辺山の打ち上げがあり(普段はウルトラ前は月曜くらいから禁酒するのだが、今回は水曜まで飲んでいた)野辺山で手に手を取って(比喩です)ゴールまで一緒にたどり着いたたか@かえるさんに、僕はサロマ湖は10時間50分台後半でゴール出来たのでNEOさんも11時間切れます、と、説得力のある励ましを受けたので、目標タイムをなんとなく上方修正。サロマ湖ウルトラの公式サイト内にペース表があり、キロ6分40秒平均で11時間06分、キロ7分平均で11時間40分、キロ7分20秒平均で12時間13分、と出ていたので、キロ6分半あたりで入って、後半自然に落ちていく感じかね、とイメージ。
一緒に行く人たちはサロマンブルー(10回完走)の人やリーチの人がたくさんいて、なんでも聞いてしまう。エイドの食べ物はしょぼいので、自分である程度補給を考えなくてはならない。でも、リュックは不要(これまでのウルトラはずっとリュックをしょっていて、殆ど中身は使わず走り終えていた。Yuさんにはリュックしょわなければ30分は速くなる、と言われていた)。幸い陸連登録なので、スペシャルドリンク置き場(30km、63.5km、80km)に何か置くことも出来るので、すべて持って歩く必要はない。
トレイル用のランニングベストを買い、これの前ポケットに補給物とか入れればいいかな、と思ったら、なんと、家に置き忘れてきた(高かったのに...でもサロマに慣れてる人にはベストも不要、と一刀両断されていた)。詳細は後述。
木曜金曜で荷造り。2週間くらい前にはいい天気になる、という予報だったのが、どんどん下方修正。雨なんですか??? 雨なんですか??? 寒いってことですか??? 基本は半袖ジップアップシャツにアームカバー、脚はタイツ(野辺山とかわらん)で、スタート時(5時)は寒ければウィンブレ(走り出して不要になれば応援のバニーさんに託すことが可能)、と思っていたのだが、雨だとどうすればいいの? 100円ショップのレインコート、頭と腕の部分に穴をあけたポリ袋、あとはどうすればいいの? 54kmのドロップバッグにも予備の靴と靴下と下着からウェア一式? 必要かもしれないものをどんどんキャリーバッグの中に放り込んで行ったら、もう、ケースの蓋がしまらないかと思う位の大荷物である。ずしっと重い。どうするんだ(結果的にマラソン~アフターの旅行で持って行ったものは殆ど全部使いました)。
6月24日(土)は4:30起床、割としっかり朝ごはん食べて(羽田で時間なかったので食べておいて正解だった)、5:30頃のバスで羽田へ。バニーさんがちょっと遅れて、しかも自転車のチェックインに手間取り、最後は小走りでバスターミナルへ。7時の女満別行きAIR DO。勿論満席。
レンタカー2台、プレマシーレベルとFitレベルでオーダー出してあったのが、ステップワゴンとX-Trailだったので、機動性が高く、行程が楽になった(マラソン当日ステップワゴン1台で移動出来て、次の日に湧別に2台目を回収に行かなくて済んだ)。しかし、女満別着陸したらもう雨ですよ。明日の方がもっとひどくなるって予報ですよ。ランニングシューズは荷物に2足入れてあり、土曜日はサンダルで行動したが、結構雨ひどくて足が結構濡れた。
最初はゴール地点の北見市常呂町スポーツセンターへ。カーリングホール(常呂はカーリングの町なのだった)の駐車場に車停めて、ゴール地点を眺め、サロマンブルーメンバーの足型を見る。Oさんは一昨年サロマンブルーになり、昨年の大会で足型をとり、今回初お目見え。サロマンブルーはその後も息の長いことである。同行のBさんの足型も見る。その後、AIR DOの機内誌に取り上げられていた流氷窯のショップ(すぐそば)に行き、みんなビール用カップなど買っていた。サロマンブルーの足型もここの窯で焼いているそうだ。それから、松寿司に移動して、特大のちらしずしを食べる。美味しい。しかし寿司屋といえば緑茶。昨日の午後からコーヒー断ちしているが、ここでお茶をがぶ飲みしては意味なし。
マラソン74キロ地点あたりの青少年の家ネイパル北見にチェックイン。二段ベッドに自分でシーツを敷いて、荷物もすべて自己管理。
スタート地点の湧別総合体育館へ。マラソンのコースの逆走、経験豊かな皆さんに、コースの解説をしていただく。サロマ湖は本当に海のように大きく、この沿岸を明日自分の脚で全部走るという実感がしてこない。月見浜の42.195kmポイントには湖の形の中に42.195と数字のくりぬかれたプレートが立っており、人々がどんどんやってきて記念写真を撮っている。お互いに写真を撮りあう。
湧別総合体育館でゼッケンやドロップバッグ、スペシャルドリンク用のシールなど受け取る。少しだけ出店もあるが、別に買うものもなく、ゴールで読み上げてもらえるメッセージを書くコーナーがあったので、ゼッケン番号を書いて提出(ゴールの500m位前にICチップのリーダーがあり、ここで、ゴールに近づいた人のナンバーを読み取って、メッセージの読み上げの準備をする模様)。Mちんと遭遇して、一緒に写真を撮る。Yしーも来るかと思ったが、ちょっと到着が遅れ、体育館では会えず。16時から湧別町文化センター「さざ波」で前夜祭。ビールは翌日の打ち上げで飲むために少しいただく。前夜祭では飲まないよ。グランブルー(完走20回)とサロマンブルー(10回完走)の人々が壇上に上がって紹介される。グランブルーになった元アートスポーツの兄ちゃん(42歳で、しかも完走できなかった年とかもあってのグランブルー。18歳からサロマ湖出ているらしい)は大人気でみんなと記念写真撮っていた。サロマンブルーの中には忍者ブラマーさんがいた。食べ物潤沢でお腹いっぱい。いももちをいっぱい食べた。かに汁も飲んだよ。帰ろうと会場を出たら、Yしーが待っていてくれた。明日の健闘をお互いに祈りあう。
宿に戻って、明日の準備。先述のようにランニングベストを忘れてきてしまい、ウェストポーチはスマホ1台入れたらそれでおしまいの小型のものしか持って来てなかったので、短パンでなく、野辺山の時と同じ、モンベルの山用ランスカを履くことに。ポケットに塩熱サプリ、手袋、パワージェル3個入れ、スマホはウェストポーチに。54キロのドロップバッグにシャツ、短パン、タイツ、靴、靴下、下着一式、アームカバー。おやつ少々。小さくたためるウィンブレ。マラソン時には必ずポケットの小銭入れに健康保険証と運転免許証も入れ、それ以外に持ってきたお札を全部詰める。お札なんてバニーさんに預ければいいんじゃん、と気づいたのはスタート地点に着いてからで、その時点では預ける用の財布もなく、結局小銭入れをポケットに入れてずっと走ったのだが、すべてのお札がぐしょぐしょに濡れていたよ。

写真は42.195㎞地点

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