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『世界の美しいボタン』(毎日読書メモ(372))

図書館に本を借りに行ったら、カウンター脇の特集棚のところに『世界の美しいボタン』(エリック・エベール著、パイ・インターナショナル刊)という本が平置きされていたのに心惹かれ、この本も一緒に借りてきた。表紙に紹介されているボタンだけでもすごく素敵だが、当然、本の中にはこれでもかこれでもか、と、18~20世紀のアンティーク・ヴィンテージのボタン(主にヨーロッパの物、一部日本の物も)が美しいカラー写真で紹介されている。

最初の章は素材別に紹介されている。七宝、メタル、貝、木、ガラス、磁器、コロゾ(ヤシの実)、骨、セルロイド、アミノレジン、ベークライト、ポリエステルなどなど。それぞれの特質を活かした美しいボタンたち。

次の章はボタンのデザイナー別に作品紹介。ボタンのデザイナーと言うとぱっと思いついたのは陶芸家のルーシー・リーで、本文の中に言及はあったが、版権の関係かルーシー・リーのボタンはこの本には出ていない。ボタンに作者名が書かれているケースは少ないので、様々な美しいボタンが無名のデザイナーによって作られてきた、ということを思いつつ、何人かのデザイナーの作品を興味深く眺める。

そして、ボタンのモチーフの中に現われる時代性のようなものの紹介。ジャポニズム、パトリオティズム(愛国心)、その他遊び心を喚起するモチーフなど。

そして、大阪にある「ボタンの博物館」が紹介されているが、今ネットで調べたら、東京に移転しているようだ。

このボタンの博物館の収蔵品も幾つか紹介されている。興味深い。

そして巻末に、フランスと日本のアンティークボタンを展示している場所、売っている場所などが紹介されているが、2015年の本なので、情報はちょっと古いかも(何しろボタンの博物館も移転しているし)。

コレクションの楽しみを色々伝えてくれる本。沼への入り口か...。

ちなみに、図書館でこの本を平置きしてあったのは、夏休みの自由研究のヒント、みたいなコーナーだった。自由研究もしないのに、棚から取ってしまってすみません。
研究したらすごく深そう。
被服史とかと絡めると本当に本当に深そう。
ただ手に取ってぱらぱらとページをめくるだけでもすごく楽しい本だった。
ボタンだけ見ていて、これどんな服に縫い付けられていたのかな、と想像するのも愉しい。

追記:ルーシー・リーのボタンの写真が出てきたので載せておく。
展覧会でこのボタンを見た後は、フレンチ・クルーラーが食べたくなってミスドに行ったよ...。


#読書 #読書感想文 #ボタン #世界の美しいボタン #ボタンの博物館 #メルスリー #エリック・エベール #パイ・インターナショナル #ルーシー・リー

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