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平安寿子の小説幾つか(毎日読書メモ(393))

こまめに読書記録をつけていた10~15年位前、平安寿子の小説が好きで結構読んでいたな、と思い出したので、ぱっと出てきた感想を何冊か紹介したい。でも夢中で読んだのはもう少し前だったようで、一番面白いと思った『素晴らしい一日』(文藝春秋)、『グッドラックららばい』(講談社)、『なんにもうまくいかないわ』(徳間書店)あたりの感想が残っていない。残念。
2016年位から新作が出ていない模様だが最近はどうされているのだろう。
作風が類似しているとまでは言えないが、垣谷美雨が路線的に平安寿子に似ているかなーと思ったりしている。
ヤな人、悪い人を描かせれば天下一品。はーっと思って読んだ日々が懐かしい。

『あなたがパラダイス』(朝日新聞出版、のち朝日文庫):珍しく「付き合いたくないやな人小説」じゃなかった。更年期小説でジュリー小説。ジュリーloveって感じは、若い人には理解してもらいにくいか? わたし世代には爽快な1冊でした。(2007年4月の読書メモ)

『風に顔をあげて』(角川書店):やな奴描かせれば超一流、の平安寿子だが、この本はあんまりやな人度は高くなくて、すべての登場人物がやるせない現実の前で、理想を追えずに苦しんでいる感じ。もう一踏ん張りしようよ、と、読んでいて、どのキャラにも声かけたくなる感じ。でも自分自身はどうなのさ、と自問すると黙ってしまう...。最後はややなりゆきっぽすぎるけれど、でも終わりが明るいのはいいよね。(2009年4月の読書メモ)

『恋愛嫌い』(集英社、のち集英社文庫):平安寿子らしい、別に誰もが恋愛をしたいと思って生きてる訳じゃないんだよ、という部分をクローズアップして、それでたくましく生きていける女性達の物語。読んでいて、ちょっとほろ苦く、ちょっと元気になれる。自己を強く持てることに憧れる。(2011年3月の読書メモ)

『あなたにもできる悪いこと』(講談社、のち講談社文庫):ノワールもの...とも言えないくらいだけど、ちょっとやな人小説。(2008年5月の読書メモ)

『セ・シ・ボン』(筑摩書房、のちちくま文庫):作者のフランス語学留学の思い出話。予想外に暗い情念が印象的。外国礼賛になってないところが、妙にしっかりした印象。(2008年10月の読書メモ)


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