見出し画像

ムンク展

東京都美術館へムンク展を見に行ってきた。
ムンク展は大昔に出光美術館で見た記憶がある(当時の美術展の情報は個人ブログとかにちょっと出ている程度でググっても詳しい情報が出てこないが、1993年の秋だったようだ)(ほかでも何回かムンク展は開催されているが、わたしはこの1回しか行っていない)。あと、出張でフランクフルトに行ったときに空き時間で美術館に行ったらムンク展をやっていたこともあった。それも同じ時期だったような気がする。ムンクは画風も独自だし、あまり名画展とかのコレクションの中に入っていないので、いろんな美術館に行っても意外と見ない(皆無ではないけど)。なので、これだけまとめたムンクの作品を見られるのは幸せな体験であった。
で、ムンクという画家は、気に入ったモチーフを何回も類似の構成で描き続ける人だ、という印象があった。今回来ている「叫び」は1枚だけだが、1890年代に何枚も描いた後、間をあけて、1910年に油彩とテンペラ混合で描いたバージョン。生涯独身だったムンクは、自分の作品を自分の子供たち、と呼んで、広い自宅に散りばめて置いていたらしい。そのためにも人手に渡った作品の類似品(複製とは違うんだが)を何枚も何枚も描いたようだ。今回の展覧会では「マドンナ」や「吸血鬼」は色んなバージョンのものが展示されていた。
しかし何故か「思春期」が1枚も来ていなかった...残念。
今回印象的だったのは「生命のダンス」とか「マラーの死」とか、1907年の緑の部屋シリーズとかかな。「叫び」(世界で一番有名な絵画?)も改めてみると、サーモンレッドの空がえも言えず印象的。海辺の絵が多く、そこに小文字のiみたいな月光がさしているモチーフが繰り返し出てくるのとか、ドレスの女性の性質が、ドレスの色で象徴されていたりとか、妙に塗りつぶされた眼とか、色々な意味で独自性が高いことに改めて感じ入った。裸の人物の肉体を見ると、筋肉とかがくっきり描かれている絵が結構あるのも、「叫び」だけがムンク、と思っていると全然違って面白い。自画像を沢山描いていて、若い時、壮年の時、老境に入った後で結構違う。
開館のちょっと後で行ったら入場にちょっと時間がかかり(遠足だか修学旅行だかの子どもが多かった)、最初はかなり混んでいたが、フロア上がって行ったらさほどの混雑でもなくなり、「叫び」も結構じっくり眺めることが出来、そこそこ快適な環境だった。
かなり遊んでいるミュージアムグッズ(オスロ市立ムンク美術館のグッズもあり、どうやら人は世界的に「叫び」で遊ばないではいられないらしい)がいっぱいあったが、うーん、買うものはなかったなー。

#ムンク #エドヴァルドムンク #東京都美術館 #美術展 #叫び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?