毎日読書メモ(213)『ご近所美術館』(森福都)
昔の読書メモより、森福都『ご近所美術館』(東京創元社・創元クライム・クラブ、のち創元推理文庫)の感想。
本屋の店頭でタイトル見て惹かれた本。この作者初読み。高輪のオフィス街の中のペンシルビルの2階の、故人である女流漫画家の業績を記念する個人美術館をめぐるミステリ。ちょっとステレオタイプなサラリーマンの語り手と、美術館の姉妹(美人とオタク)、そして、恋のライバル。日常の謎かと思ったら、扱われる犯罪は意外とヘビーだぞ。謎ときは謎ときでそれなりに真剣で、でも読ませどころはこの4人、そして周囲の常連さんたちの人間模様。もっと続編書けるかな。(2012年2月)
残念ながら、続編は出ていない模様。というか、そもそも、『ご近所美術館』以降、新しい小説が発表されていない模様。元々は中国を舞台にしたミステリを何冊も書いていたようで、日本を舞台にした作品自体が新機軸だったようなのだが、今はどうされているのだろう? Wikipediaからリンク貼ってあった作者のウェブサイトもリンク切れになっていた。Twitterで検索しても、有意な情報は出てこない。なんだか寂しく、悲しい。
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