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コロナの時代のマラソン

2月の第1週に東京ベイ浦安シティマラソン(ハーフマラソン)に出て、2月はそれ以外は大会を入れず、3月1週の東京マラソンと2週の名古屋ウィメンズマラソンを走る予定だった。
2月の3週までは大会が開催されていたが(2020/2/9の愛媛マラソン、2020/2/16の京都マラソンなど)、2月17日に東京マラソンがエリートの部のみの開催を発表、2月20日にはな戸やウィメンズマラソンもエリートの部のみの開催を発表した。
わたしにとってのコロナの時代の到来は2月17日だった。
それ以前から仕事上でも中国からの来日の制限等、影響は出てきていたし、4月7日の緊急事態宣言発令による在宅勤務体制への移行は、生活習慣を一からひっくり返す大きな転換だったが、とにもかくにも2月17日。その時点では、シーズン中に走れるマラソンの大会を模索したり、シーズンオフ後の7月の函館マラソンのエントリーをしてみたりしていたが、メジャーなマラソンの大会は軒並み中止または無期延期となった。
東京マラソンは参加権の1年延長、それが2021年または2022年いずれかの大会への権利延長(選択制)となり、2021年大会はいつもの時期ではなく10月の開催に(それも勿論開催されるかは不透明)、名古屋ウィメンズマラソンはオンラインマラソンで完走賞を送付、という措置になった(翌年以降に参加権は移行しない)。
緊急事態宣言解除後は、小規模のウルトラマラソンや、河原などを使い交通規制などを伴わない小さなマラソン大会は細々と開催されるようになっていたが、そもそもがオフシーズンなので、必死で探してエントリーするまでの気合もなく、夏が過ぎ、秋が来た。
初夏ごろから、秋の大会は中止、延期またはオンライン開催が発表され始め、本日(2020/11/22)時点で実大会開催が公表されている大きな大会は湘南国際マラソン(フルマラソン開催で既にエントリーが終わっているが、その後25キロレースに縮小)、名古屋ウィメンズマラソン、長野マラソン、かすみがうらマラソン位だろうか。
RUNNETの大会一覧を見ても、オンラインマラソンばかりが並んでいる状況。

そんな中、RUNNETの運営会社であるアールビーズが秋口から開催を始めたのがトライアルマラソン、という大会である。
これは大きな公園の中の周回コースで、フルマラソンやハーフマラソンの大会を開催するもので、感染対策重視の大会運営で、なおかつ、今シーズンの全日本マラソンランキングに記録が残せる(何しろマラソンランキングを公表しているのがアールビーズなんだから)、というのが売りである(陸連公認ではない)。8月末に北海道で始まり、全国で開催予定。
関東地区で3回目の開催となる、「千葉・幕張 Trial Marathon」は、11月21日にフルマラソン、11月22日にハーフマラソンの大会を開催。幕張、と銘打っているが会場は稲毛海浜公園である。千葉市の東京湾沿いで工場地帯じゃない場所をラフに幕張、と呼んでいるのか(笑)。稲毛海浜公園は東京湾沿いに2キロ弱くらい横長に広がっている公園で、園内の道をぐるぐる回ると5キロ程度のコースはすぐにとることが出来、サンスポ千葉マリンマラソンのコースの一部にもなっているし、公園の中だけで走る、スイーツマラソンとかカラーミーラッドとか、各種リレーマラソン、駅伝の会場にもなっている。園内にプールもあるし、海岸にも出られるのでデュアスロン、トライアスロンの会場になることもある。
現在、公園中心部の海岸に、海に突き出すデッキを建設中で、工事車両が出入りできるように、大きな立ち入り禁止ゾーンが出来ていて、こんなに通りにくくなっている中、どうやってコース取りするんだろう、と思っていたら、工事地区より西側(検見川浜方面)だけで無理矢理コースを作り、足りない部分は検見川の浜方面のヨットハーバー沿いまで使って設定されている。くねくねの5キロコースを8周し、9周目を2.195㎞走ったところでゴール。360度の折り返し等、鋭角に曲がる道が結構多く、特に高速ランナーには走りにくそう。公園内には高低差は殆どないので、それは楽なのだが。全部舗装道だが、一部荒れていてでこぼこしているところとか、曲がり角で段差がある場所などもあるので、漫然と走ると危険。

という訳で参加した感想。
天気よし、前日の南風から、北風にかわり(ちょうど前線が通ったらしい)、気温は思ったより上がらず。海側を走るときは追い風、道路側の道を走るときは向かい風で、少しずつきつくなっていった印象。服装は半袖Tシャツに短パン、アームカバーつけていて、ちょっと暑いかと思ったが、コースの何割かは木のうっそうと茂った下を走り肌寒さもあったので、結局最後まではずさず。
スピード順に4つのグループに分けられていて、2分ずつのウェーブスタート。一列4人で整列(早くスタートゾーンに来た人から前に並んで、横入りは出来ない)、スタート過ぎるまではマスク装着必須。地面にロープ貼って、ずーっと長い列が出来ている。基本ネットタイム計測ということになっているので、スタート前に人を押しのけるような無理はしないように案内されている。スタートゾーンの近くに水のペットボトル、2キロ地点の先にポカリスエットのペットボトル。食べ物はなく、基本自給自足。受付で全員に配られたアミノバイタルのジェルの残りが、後半少しだけポカリスエットと同じテーブルに置かれていた程度。
公園内の道はあまり太くない場所もあり、大丈夫かな、と思っていたが、参加人数(募集人員1000名)だと、そんなに密集することはなく、スピードランナーが周回遅れのランナーを抜くときも混乱はなかった。一番速いランナーには2周目の途中で抜かれた。この人には4周目の途中でもう一度抜かれたが、3回目はなかった(その前にゴールしてしまった)。サブスリーの友人には1回だけ抜かれた。
1周したところで水のペットボトルを取り、走りながら飲む。ふだんのエイドでは立ち止まって紙コップから飲むが、走りながら、しかもペットボトルだと、一度に一口含むのがやっと。ペットボトルを持ったまま少しずつ飲んで進む。手に持って走るのはバランスが悪く、一口飲んで、あとは身体や頭にかけてすぐペットボトルを捨てている人が多かった。
1周半水を持って走り、3周目の途中でポカリスエットを取って、水のペットボトルはゴミ箱に捨てる(8割以上は飲んだ)。ポカリスエットは3周かけて少しずつ飲み、6周目でもう1本ポカリスエットを取り、これは飲み切らないままゴール。ペットボトル給水なのでと思って、ペットボトルを入れられるベルトポーチをしてきたが、出し入れが面倒で結局手に持って走ることに。
朝ご飯を6時過ぎに食べて、レース直前はバナナ1本しか食べなかったら、1周目からやや空腹感があり、ポケットにはパワージェル2つしか入れてこなかったので、ハンガーノックになるかと不安になりながら走る。3周したところで1つ目のパワージェルをとり、6周目で2つ目を摂取。これでかろうじてもつ。その後エイドにアミノバイタルが置いてあるのを見たが、これを取るには及ばず。
周回コースはどうしても飽きるが、自分との戦いが激しく、あと何周もしなくちゃいけないのか、という葛藤と共に走ることに。今回初めてナイキの厚底で走ったのだが、脚力が足りず、30キロ位からふくらはぎに痛み、更にふくらはぎ及び足裏足先に攣りの症状が出てきて、特にカーブを曲がるときに痛みが来るので、ゴールまでたどり着けるよう、必死の戦いとなった。厚底効果で前半は飛ばしたのだが、その貯金をもってしても、納得のいかないタイムでゴール。9ヶ月半ぶりのレースで、勘が鈍っていたのも感じるが、ステイホームになって、月間走行距離がかなり伸びていても、それが直接レースでの成績には結びつかない、ということを痛いほど感じた。
ゴール後、陣地に戻って靴を脱いだら、その後二度と靴が履けないくらい激しい攣りが来て、30分近く悶絶して過ごす。ヴェイパーは脚力のないランナーには怪我の元、と聞いていたが、故障までいかなくてもフルマラソン走り切る前に足が終わってしまうのではレースに使うのは怖い。
個人的に、色々課題の残るレースだった。

レースそのものは、密を感じることは殆どなく、更衣室の設定もなし(行きは走る格好で来て、帰りは走った格好のまま、上からジャージ着て帰った)。会場で検温あり。係員2名だがそんなに並ばず。検温時に体調チェックシート(連絡先記入)を提出。用意していくのを忘れたので、現地で用紙に記入して出す。青空放置だが一応荷物預けはあり。トイレは園内各地にあり、レース中にトイレを使っているランナーもいた。既存のトイレだけで運営できていた模様。公園の利用者が走路案内の係員に話しかけている光景を2ヶ所位で見かけた。ちょっと不満そうな顔をしていたので、マスクをしていないランナーの大量走行にクレームをつけていたのだろうか、と推察。ちなみに、公園内通路は占有ではないので、左側通行を遵守するように、掲示もされていたし、係員も声かけしていたけれど。今週は公園内で他に大規模イベントはなかったので、大きなトラブルはなかったようだが、先週の別団体の大会は、ヒーローショーみたいのとバッティングし、ショーの会場付近はまともに走れる状態ではなかったと聞いた。

大会に出てみて、たまに練習と一線を画したランの機会を持たないと緊張感が持てないかも、と実感(単なる自分の弱さかもしれないが)。
しかしこのトライアルマラソン、参加料1万円(ハーフは7500円)で、最低限のエイド、参加賞のTシャツ(ハーフはタオルらしい)、完走メダル(メダルいらんけど...)。全日本マラソンランキングにこだわらないなら、トライアルマラソン以外の大会を探した方がいいかな。
春先に東京マラソンと名古屋ウィメンズがエリート大会になり、ばたばたと2月3月の大会が中止になった時は、半年くらいでけりがつく、と希望的観測を持っていたが、このニューノーマル(嫌な言葉だなぁ)が下手すると数年続くかもしれないのか。この時代のマラソン大会と、折り合い付けて走って行くしかなさそうなのが切なくもあり、悔しくもあり、一方、何のために走るのか、という根源的な問いも胸にきざす、2020年の晩秋である。

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