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第6回日本最北端わっかない平和マラソン2023(2023年9月3日)

半月以上たってしまったが、2023年9月3日(日)、北海道稚内市で開催された第6回日本最北端わっかない平和マラソンを走ってきた。
平和、という名前がついているのは、1983年9月1日、サハリン南東部の海上で大韓航空機がソビエト軍の戦闘機に撃墜され、乗客240名乗員29名全員が死亡した、大韓航空機事件を忘れないように、平和の尊さを考えようという趣旨らしい。

9月第1週開催、これは札幌で開催される北海道マラソンの翌週である。
昨年は北海道マラソンを走ったのだが(記録ここ)、今年は8月27日は自宅近辺での用事を優先して、北海道は行かない、と早目に決めていたのだが、北海道マラソンのエントリーのちょっと後位に、RUNNETからわっかない平和マラソンの案内メールが来て、あー稚内、行ったことないなー、行ってみようかなー、という気持ちになってふらふらとエントリー。慌てて飛行機予約したりホテルとったり。1000人規模の大会なので、意外と問題なく予約。小規模の大会なのに、10歳刻みの年代別になっていて(29歳以下、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60歳以上)え、入賞とか出来ちゃったりして♪、なんて思ったりしたのだが、50代女子エントリー数50名で、事前に送られてきたプログラムで名前検索したら、別大に出たりしているめっちゃ速い人とか、北海道マラソンで3時間30分台で走っている人とか猛者揃いで、稚内まで来る人の気合(気迫)が身に迫り、順位のことはあんまり考えないで走った方がいいなー、という結論が、稚内に行く前に出てしまった。

今年の北海道マラソンは例年にも増した猛暑好天から、後半はありえない位の豪雨で、大変苛烈だったという話を聞き、もう1週間遅いし、緯度も高いし、そんなひどい目にはあうまい、と勝手に思い込んで稚内へ。コースがずっと海沿いで、風が強いと辛いらしい、という話は聞いていたが、そうなったらそうなったさ、位に考えていた。舐めてました、すみません。

前日に稚内に来て、レンタカーで宗谷岬まで行ってみる。風車が林立していて驚く。稚内は北海道内の他の地域と較べ物にならない位風の強い地域で、風力発電だけで稚内市民の電力すべてをまかなって余る位だと、先週末の「ブラタモリ」で紹介していた。

フルマラソンは、宗谷岬をスタートし、ほぼずっと海岸沿いを走り、稚内の市街地に入り、一旦ノシャップ岬方面に走って折り返し、北防波堤ドームでゴール、となっている。

わっかない平和マラソン公式サイトより

これってつまり、スタート直後からゴール地点が見えている状態でまだ着かない、まだ着かないと思って走るんだなー、と、イメージすると結構げんなり。

稚内駅付近のホテルに宿泊。朝7時に北防波堤ドーム前からバスに乗って宗谷岬へ。前日に宗谷岬観光はしたので、最北端の碑での記念写真の列にはつかず、出来るだけ日陰で過ごし(既にじりじりと暑い)テントで配っている水やスポドリを飲む。
スタートブロックはA、陸連登録していると自動的にAなのだ。Aブロック、全部で5メートル分くらいしかいなくて、その中に招待選手の川内優輝選手とかも入ってのスタートである。
稚内のゆるキャラ、出汁之介(昆布を食べ過ぎて下半身が昆布になってしまったゴマフアザラシ、という斬新な設定)とりんぞうくん(間宮林蔵)がお見送りしてくれた。出汁之介の機敏さ(付き添いの人もなしに自由に歩き回り、ジャンプまでしていた!)に驚く。

9時スタート。めっちゃ好天、そして、向かい風…ずっと同じ方向に走るので、レースの間ずっと向かい風ってことかー。キャップかぶって走っていたのだが、1キロも行かないうちにすぐ脱げて飛ぶ。近くを走っていた方が拾って渡してくださって感謝。もうかぶらないで手で持って走ることに。そして、日焼け防止と万一寒かったらということでつけてきたアームカバーはすぐ外してポケットに入れ、二度と使わず。
スタートロスは4秒。そして1キロ地点でのタイムは5分35秒位。まったく渋滞とかなく、最初からきちんと走れていて5分30秒超えってありえん…。今日はよくてサブフォーってところか。

最初は稚内市街地は見えない。岬のてっぺんみたいな場所を走り、ずっと強風。間宮林蔵上陸の碑などを横目に見つつ走る。キロ表示は1キロごと。海岸の道路を走っていて、周囲には影を作ってくれるような建物もなく、街路樹もない。ずっと太陽に照らされ続け、これが30キロくらい続くのかと思うだけで泣ける。日焼け止めはかなり丹念に塗ってきたつもりだが、絶対最後までもたない。スタート時でもう気温は26度くらい。あっという間に30度近くなった感じ。

岬のてっぺん部からやや左に曲がり、向きが変わったせいか、少し風が弱まり、再度キャップをかぶってみる。5キロ地点位で早くも4時間のペーサーに抜かれるが、ペーサーについていく集団にまぎれるとちょっと風よけになる。少しずつ集団の中で後退していくが、何キロかはサブフォーペースで走る。稚内市街は異常に遠く見えるが、あまりに先過ぎるので、意外と近づいてこない焦燥感はない。

給水ポイントではスポドリを飲み、真水は頭にかける。
14.9㎞地点の給水ポイントではエナジーゼリーを貰って、少しずつ飲みながら走る。15キロで一旦内陸に左折し、2キロ半くらい折り返しコースがある。その辺で少し上空に雲が出てきた。小さなちぎれ雲で、風が強いのでどんどん流れていく。たまに、マラソンコースの上に影が落ち、直射日光が当たらないと涼しい、と実感。でもすぐ流れて行ってまた太陽が出てきてしまう。ずっと先の道路に影が落ちないか落ちないかとガン見しながら走る。
20キロで折り返しが終了してまた海岸沿いを走る。風が強くなってきてまたキャップをはずす。

タイム計測は10キロごとと、ハーフ地点。ハーフ地点で2時間5分を超えていて、わたしは大体後半がくっと遅くなるので、4時間どころか4時間20分超えちゃうかも、と情けなくなる。昨年の函館マラソンの4時間24分台が自己ワースト、その次に走った昨年の北海道マラソンがセカンドワーストで4時間19分台。どちらも途中で盛大に歩いてしまったので、今日は歩かない、と決意して、必死に進んできたが、ハーフ時点のタイムとしては函館より北海道より悪い。不安を抱きつつ進む。23キロの給水ではバナナを食べる。
25キロ近くなって稚内空港の脇を過ぎる。26キロのエイドでは梅干しを口に含む。道端の黄色い花がきれいだ。30キロ近くなって、ようやく沿道に応援の人がちらほら見えてきた。今回のマラソンには家人も一緒に来てくれたのだが、駅で電動自転車を借りて、28キロ地点位まで来てくれて、写真を撮ってくれた。その後自転車で歩道を走りながら間歇的に応援してくれた。そして、南稚内駅の手前で、大きなT字路を右折する辺りで、風向きが追い風に変わる、と励ましてくれる。それを楽しみによろよろ進む。

ずっと幹線道路を走ってきたのが、32キロ過ぎで海側に右折。この辺からようやく建物の間を走るようになり、時々日陰が道路に落ちている場所ができてきて、出来るだけ日陰を走る。
稚内はセイコーマート(コンビニ)が結構多く、マラソンコース途中のセイコマではエイドを出してくれていた。10キロのセイコマで乳酸菌飲料を飲み、31キロのセイコマでは大福を貰った(結局ポケットに入れてゴールまで行って、更に自宅に持ち帰って家族が食べた…)。34キロのセイコマでは棒アイスを配っていてすごく魅力的だったのだが、貰っちゃうとその先しばらく歩きながらでないと食べられないと判断し、泣く泣く通過。36キロ手前にうろこ市という生鮮食品を扱って言う会社がエイドを出していて、カットメロンとカットスイカを出していて、ここではメロン食べた(ちゃんとウェットティッシュまでくれたよ!)。そのちょっと先のセイコマでは水を飲む。こうしたエイドが再開されたことでマラソンの日常感が戻ってきたな、としみじみ。

食べ物の話ばかり書いたが、ランはどんどんダメダメになっていく。昨年の函館や北海道みたいに長距離を歩いてはいないが、少し進んでは歩き少し走っては歩き、の繰り返しになってくる。ペースはキロ6分半を過ぎている。一応追い風にはなったが、暑さがきつい。37キロで北防波堤ドームの入り口。ドーム側を進むとゴールなのだが、一旦更に進んで折り返してこなくてはいけない。折り返しに入ったところで、4時間半のペーサーに抜かれる。え、わたし、ワースト記録ですか??? その辺を走っている人はみんなそれぞれによれよれで、ペーサーに誰一人付いて行ってる人がいないところが笑えた。建物はずっとあるけれど、応援の人も少なく、なんとなく寂しい道を2キロ半進み、折り返して40キロ通過が4時間11分台。あれっ? ペーサーにかなり前に置いて行かれたけれど、これからの2キロ、キロ7分でも4時間半になんてならないじゃん? あのペーサー飛ばし過ぎだったのでは?、と思いつつ、これ以上は歩かないぞと決意して進む。戻って北防波堤ドームが見えてくる。ドームは全長500メートル位あるのだが、ゴール地点はどこだろう。道を左折して、ドームの脇に来たところが42キロ地点。あと200mダッシュだ! 流石参加者の少ないマラソンだ、一人ひとりゴールテープを切らせてくれているのが見える。前にゴールした人と少し間をあけるようにして、ゴールテープが用意できたところでゴール。あー長かった! 4時間30分にはならなかったが、結局、函館より2分遅く、ワースト記録を更新してしまった。ワーストスリーが全部北海道の大会だ…北海道とは言え、夏は暑い! 稚内舐めんなよ、というのが今回の教訓か。

ゴールでメダルいただき、アクエリいただき、もうスポドリは飲みたくないので紙コップで水を飲み、コースの脇を引き返して参加賞配布所に行く。参加賞はTシャツだったが、一緒に日本本土最北端到達証明書をくれた。宗谷岬スタートだたから確かに最北端到達だわね。

プログラムに出ているフルマラソンの参加人数は男性578名、女性149名だったが、RUNNETに出ている順位の母数は男性457名、女性121名だった。DNSとDNFが結構いたのね…。暑いとはいえ、途中で救急車の音などは聞いた記憶がないが、走って体調崩した人とかいないといいけれど。
50代女子は、15キロの折り返しで見ていて、3時間半のペーサーより前を走っている方が一人いたのだが、その後ペーサーに抜かれたようで、1位の方が3時間39分台。あの暑さと向かい風の中で、その記録を出せるのはやはりすごいことだなー。
総合優勝は川内優輝選手。第1回からずっとゲストで来ていて、優勝は第2回大会以来2回目。ちなみに今回は第6回目だが、第3回が市民の短距離だけの大会、第4回が中止で、フルマラソンは4回目ということになる。フルマラソン以外に2キロ、5キロ、8キロの大会があり、それらを全部足すと参加者が1210名だったようだ。
コンパクトな分、目がよく行き届いて、トイレの行列などもなく、心地よい運営だったが、この強風と強い日差し...。今年の記録だと、このまま60代になっても入賞(3位以内)は難しいかー、と思いつつ、機会があればまた来てみたくもある大会だった。
知り合いは一人もいなかったが、知り合いの知り合いと言う方がお一人声をかけてくだって、スタート前に少し話した。札幌から車を5時間運転してきたということで、実は東京から来る方が近い稚内、という話をしていた(稚内空港には一応、道内だと千歳と丘珠から便があるけれどね。函館の知り合いは飛行機がないのでわっかない平和マラソンには行けない、と言っていた)。

こんな半月以上たって、誰も読まないかもしれないけれど、備考として。

メダル裏面
メダル表面
参加賞Tシャツ
出汁之介後姿。ウニとタコとホタテが付いている!
しゃがむ出汁之介。おの体制からぴょんとジャンプしたので驚いた。
るんるん
スタートゲート

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