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僕もそろそろ

どうもよなかくんです。ラボのデスクに積まれた山山山。24歳にもなって夏休み前日の小学生みたいなことをしています。いい加減にして欲しい。

さてさてよなかくんと月曜の理屈
第百回は「僕もそろそろ」

第百回 僕もそろそろ

大学院を卒業した。学部四年修士二年の計六年間、高等教育の場で伸び伸びと学問した。すごく楽しかった。

就活で一番聞かれた質問は多分
「理系なのにどうして文系就職?」
「院まで行ったのに勿体ないね?」
で、その度に僕は、六年間好きな事を勉強して好きな研究をして十分楽しませてもらったのにどうしてそんなことを言うのかと不思議な気持ちになっていた。

だけども、こんな感じの世界になってみてようやく彼らが言いたかったことが少し分かった気がする。たぶん彼らが言いたかったのはつまり、
「恵まれた環境で培った知識とそれを運用する能力を、ちゃんと人のために使いなさい」ってことだったんだな。

コロナ情勢の中で感染症研究センターで必死に頑張っている研究員がいて、「いつも通り」を守るために戦っている人がいる。

理系としてもっと人様の役に立てる道を選べたかもしれない。そう思わずにはいられないけれど、それでも自分が大切にしたいものがあって、望んで、幸運にもその場所を与えてもらったわけだから。頑張りたいね。


昨晩、自宅で父が倒れた。119をすると当たり前のようにすぐに救急車が来て「もう大丈夫」と器用に二階から父を運び出してくれた。父が倒れてしまったことが怖かったからじゃなくて、こんな状況の世界でも誰かの命を運ぶ人がいることになんだか泣きたくなった。

僕もそろそろ誰かのために働きたい。何が出来るかな。分からないけど。これから行く場所で、出来ることを一から探して。守るべき人を守れるように。
救急車のサイレンが遠ざかっていくのを聞きながらそんなことを思った。


明後日から僕は社会人になる。