よなかくん

日記。本を作っています。物理的に。

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    毎週月曜更新エッセイ…日記? カツセさんの連載「カツセマサヒコと月曜の退屈」を(勝手に)引き継いで始まった連載です。

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    「よなかくんと月曜の理屈」ピックアップ記事。

最近の記事

13歳

 13歳が死んだ。従兄妹たちの中で一番最後に生まれてきたその子は、みんなからお姫様のように大切に大切に扱われ、おそらく自分をお姫様だと思っていたと思う。僕のことが好きで、祖母の家に親族が集まった帰りは二人でかけっこをしたがるので緩やかな坂道を何度も革靴でかけのぼった。  アニメが好きだけど恥ずかしがり屋で、もじもじしながら「なかくんは…なんのアニメ見てるの…?」と聞いてくるのがかわいかった。僕はメイドインアビスとか、吸血鬼すぐ死ぬとか答えて、間に入っていた伯父さんの事前チェ

    • 計画通り

       鬱の波は突然やってくる。今回の場合、正しくは突然やってきたのではなく朝からそわそわと感じていたその波を無理やりねじ伏せていたのが、夜になって噴出したのだ。僕は、理性が少々強いから。  それは、急にあたたかくなったせいかもしれないし、体重が増えていたせいかもしれないし、薬が切れたせいかもしれない。九割方、おそらくきっと薬のせい。

      • 願いましては、

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        • リーズナブルじゃない

           実家の小さな車一つ分の荷物だけを持って静岡に来た。増えた物はほとんどない。ハンモックと、折り畳み机と、耳に開いたピアス穴くらい(正月の親族の集まりで年下のいとこたちは羨ましそうに僕の耳をじっくり観察した。親族の中にそういう人、つまり、定職に就かず、フラフラしていて耳に穴が開いている、実に典型的な人間というのは僕しかいない)。だから帰る時も同じように帰るのだと思っていた。  夏休み、連休、年末年始は仕事が終わったその日に実家に帰った。実家が好きだし、アパートに一人でいると落ち

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