2023年10月に観た映画の感想
あらすじ程度のネタバレがあります。特にオススメの映画にはタイトルのうしろに🌟つけてます。みた順で書いています。
以下のマガジンに他の月のぶんもあります。
マシュー・ロペス『赤と白とロイヤルブルー』
アマプラで字幕版をみました。同名のBL小説を原作としたロマコメで、アマゾンオリジナル作品です。
イギリスの王子・ヘンリー(画像左)とアメリカ大統領の息子・アレックス(画像右)の恋愛模様を描く作品なのですが、なんのかんの困難はありつつもハイパーハッピーエンドなお話でした。超超超少女マンガだった。
超久しぶりに純度100%のロマコメをみたからかもしれないですが、もうこれみたら当分恋愛要素のある映像作品はいいやってくらいお腹いっぱいになります。お国柄についてかなりステレオタイプな描写はありましたが、大概の登場人物が人格者なのでストレスなく観られる作品です。自分に負荷をかけることで達成感を得ているタイプの人間なのでその辺は物足りませんでしたが、そういうのが嫌なときにみるにはぴったりなんじゃないでしょうか。
恋愛モノなので仕方ないのですがやはり濡れ場というかイチャイチャ多かったですねー。特段過激ではなかったと思いますが、個人的にそういう関係を匂わせるにしても朝チュン程度で十分でしょと思っているので若干胃もたれしました。
アレックス役の俳優さんがあまりにも絵画すぎてすごかったです。ルラボのサンタル33欲しくなりました。私もNY人間になる!
ピエール・ペリフィル『バッドガイズ』
アマプラで吹き替え版を観ました。
007やM:I、ジブリ映画などいろんな映画のオマージュシーンをまじえつつ、「オオカミ」や「キツネ」という悪役イメージのついた動物たちを主軸に、「本当の悪党は誰か?」を問うファミリー向けアニメ映画です。
画像中央にいる蛇の声優がTEAM NACSの安田顕さんなのですが、もうめちゃくちゃよかったです。激渋であまりにもかっこよかった。声優うますぎ。あとクモ役のファーストサマー・ウイカさんも素敵でした。キャラクターデザインやアニメーションの感じもなにかとフェチズムを感じさせる仕様になっていて大変よかったです。すごく仕草の描写が細かかった。最高。
作中きっての悪党集団バッドガイズ(画像のみんな)はいわゆる強盗団なので、オーシャンズとか好きなひとは好きなんじゃないでしょうか。スパイ道具あるある描写などもあり、そのへんの映画が好きな人は一度みてみて損はないと思います。劇中明らかに『千と千尋の神隠し』っぽいシーンがあり、お気に入りのシーンのひとつです。
設定的に少しディズニーの『ズートピア』と被っていますが、こちらの作品に関してはどの動物が言語を話して人間と意思疎通ができてどの動物ができないか、という線引きが曖昧だったところが気になりました。クモがハッキングできてネコチャンが愛玩動物でしかないの、よくわからない。
ウィリアム・ブレント・ベル『エスター:ファースト・キル』🌟
アマプラで字幕版をみました。ジャンルはたぶんサイコホラー。
『エスター』の続編かつ前日譚になります。時系列的にはこっちのほうが先なのですが、こっちからみると無印の重要なネタバレをはじめから食らっている状態になってしまうので、なんだかんだ公開順にみることをオススメします。
前作ではエスターの潜入先の家族のお母さんをめっちゃ応援しながら観ていたのですが、今作は潜入先の家族も(のほうが)やばすぎてスポーツ観戦をしている気分になりました。クレイジー・バトル最高!
なんかサブタイトルで「ファースト・キル」とかのたまっていますが、明らかに初めてではない慣れた手つきで全然めっちゃ人殺します。初速がすごかった。俺たちのエスターが帰ってきた!!
今作は結構ファンサービスという感じだったので初めてエスターを観る人には無難に無印をオススメしておきますが、今作からみてもとくに問題はないです!超面白いのでぜひ一度はお試しください。血は出ますがそこまでグロくはないです。
デイミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』🌟
劇場で字幕版を観ました。2回目です。
一度観ているということもあり、オープニングの時点でミアとセブの未来がフラッシュバックして泣きそうでした。
前回観たときはライアン・ゴズリングのあまりのイケメンさに目がくらんで気がつかなかったのですが、セブって結構ずっと「変だけど良いやつ」だったんですね。最初にミアから獲得してた「キモ男」という称号も可哀想ではありますがなんか納得しました。また、天文台のデートのシーンはいまだに胃もたれするなあって感じでしたが、そのくどいロマンチックさもセブいなあと思って切なくなりました。
このカップル、相手に対して示していた進むべき道がことごとく正しかったのがあまりにも愛おしくて素晴らしいです。切ない。
いまさらみて感激しているのも私くらいなものとは思いますが、もしまだ観ていない人がいたら一度観てみてください。
宮崎駿『君たちはどう生きるか』
劇場でみました。
もちろん前情報は全く入れない状態で観にいきましたが、あまりにもジブリで笑ってしまいました。またキモさと映像美がない交ぜになっている感じに面食らいましたが、思い返せばジブリ映画って少なからずそういう傾向を持っていたんだなと思わされました。たぶん最近になるにつれてキモさが増えているんだと思いますが。
画的なキモさも人間的なキモさもありましたが、一方で主人公眞人さんの子どもながらにずっと腹に一物ある感じが素敵でした。
「理解して欲しい」という思いに諦めがついてしまったら人間生活送れなくなるのでは?と思ったりもしましたが、同時にマクロなレベルでみればもはや誰かが理解してもらえないということ自体が希望でありうる境地があるんだなという学びがありました。老害って「こう」なのかもしれないすね。
ウェス・アンダーソン『グランド・ブダペスト・ホテル』🌟
アマプラで字幕版をみました。
これで既視聴のウェス・アンダーソン作品は3つになりました。
なんか公式のあらすじ紹介のテンションやけに高いですね。
『フレンチ・ディスパッチ』や『アステロイド・シティ』と比較すると、映画としてもコメディとしても軽めにみられると思いました。ウェス・アンダーソン初めて観るときにもよさそうです。
とにかくウィレム・デフォーが怖くて怖くて面白かったのと、途中までグスタブ氏がレイフ・ファインズだと気づかずびっくりしました。あとジュード・ロウ、顔がかっこよすぎる。
師弟関係のような友情のようなビジネスパートナーのような、その境界線にある曖昧な信頼関係が素敵でした。おすすめです。
マシュー・ウォーカス『マチルダ・ザ・ミュージカル』🌟
Netflixで字幕版をみました。ネトフリオリジナル作品です。
ロアルド・ダール原作の作品はマジで『チャーリーとチョコレート工場』くらいしか触れたことがなかったのですが、児童向けの物語を作ることの難しさやすごさを改めて思い知らされました。めっちゃよかった。この映画は舞台版の『マチルダ(ミュージカル)』を映画化したものになります。いちおう原作小説の映画化として、すでに1996年に一度映画化されています(そちらは観ていないです)。
両親から全く愛を受けずに育った天才少女・マチルダが、監獄みたいな小学校に通い、まわりを巻き込みながら理不尽に抵抗していくというお話です。
マチルダはその小学校のボス(全ての元凶)である校長に抵抗するのですが、この校長を演じているエマ・トンプソンがマジで怖い。怖すぎて途中から悪役としてちゃんとかっこよかったです。
映画を観る前からいくつかのミュージカルナンバーを知っていたのですが、振り付けなども広いセットで映えるような形でアレンジされていてとても素敵な映画化でした!とくに画像を引用した『Revolting Children』はとくにめっちゃくちゃかっこよかった…!赤ベレー帽の女の子をはじめ、子ども達がダンスうますぎました。全員ずっと売れてくれ。話も音楽もすでにお墨付きなので、安心してみられます。ネトフリ入っている人は是非みてみてください。
ティム・ヒル『スポンジ・ボブ:スポンジ・オン・ザ・ラン』
アマプラで吹き替え版をみました。
スポンジボブの親友であるカタツムリのゲイリーが誘拐されたため、それを助けにラスベガスを彷彿とさせる王国へと乗り込んでいくというお話です。
3DCGのアニメーションパートと実写パートがあるのですが、アニメーションの完成度の高さに比べた実写のチープさがスポンジボブっぽくてよかったです。引用した画像の通りキアヌ・リーブスが転がり草の中からずっと語りかけてくるのですが、「負けてたまるか…!」という気持ちで観ていました。
これまであまり深掘りされてこなかった印象のあるみんなの過去編が登場したのはよかったのですが、明らかに同世代じゃなさそうなイカルドまで同世代っぽい感じに過去改編されていて混乱しました。全員めっちゃかわいかったので許してしまいましたが…。とくに幼少期のスポンジボブの声優さんが舌っ足らずであまりにもかわいかったです。全体的にやりすぎだろ、と思いましたが、そのかわいさで許してしまいました。
基本的には友情に焦点があたったストーリーでしたが、最終的にルッキズムからの脱出まで達成していたのが欲張りさんで面白かったです。
アニメ🌟
この月は映画のほかにも『サイバーパンク エッジランナーズ』と『陰謀論のオシゴト』という最高アニメたちもみました。両方とも日本語版です。
以下に感想記事を貼っておきます。
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