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エンカレッジの子どもたち

こんにちは、エンカレッジ広報部です。 今回は、エンカレッジに通う子どもたちについての背景、そしてエンカレッジに通い始めたことで起こった変化を、近年の調査結果と共にまとめてみました。


高い母子世帯率

 ひとり親世帯率が全国一高い沖縄。先日の「沖縄を取り巻く貧困の現状」でも内閣府の調査結果を掲載しております。
 母子世帯出現率は4.88%(H30)、全国の2.47%(H28)と比べてほぼ2倍。 エンカレッジへ通う子どもたちも、ほとんどは両親揃っていません。

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 2019年に実施した、エンカレッジ教室実態調査では、両親と同居している子どもが24.5%、両親と同居していない子どもが75.5%でした。
中でも、母子世帯率は61.6%と高く、母子世帯のハンディがまだまだ大きいことが数字からわかります。
 家計を同一とする子どもの人数が3人以上となる世帯は36%。兄弟姉妹の人数が多いことで考えられる課題は、
 ・就学や進学の資金確保が難しい
 ・個々へ向き合う時間、経済的余裕がない
 ・家庭内で学習環境を構築できない 等があります。
 沖縄は全国一出生率が高く、少子化社会の中の希望、人財の宝庫と言っても過言ではないと思います。 経済的理由に左右されない、子どもの居場所や学びの環境が整えば、可能性はもっと広がり、より良い社会の礎となるはずです。


活動が高校進学率に影響

H22〜26の進学率比較

 エンカレッジが活動を始めた当初、平成22年の沖縄県内の生活保護世帯の高校進学率は74.4%。当時全国の高校進学率は98%、沖縄県は94.3%で、比べると20ポイント以上の差が出ていました。その4年後、87.4%へ上昇。各メディアでも、無料塾の効果について取り上げて頂いております。

未だ横並びではありませんが、学習環境があることの成果、そして必要性がはっきりわかる結果であると思います。 


 環境で変わる、伸びる子どもたち

 エンカレッジに来る子は経済的なハンディを抱えている。中にはそれが引き金となり、非行等学習以前の課題が多く、生活面やその他のサポートが必要な子もいます。
 まずは寄り添って、彼らと話をします。自分のこと、家族のこと、学校のこと、彼らが聞いて欲しい話をしてくれるようになるまで。 そこから私たちが伝えたいことを伝える、そう意識して子どもたちを迎えています。 

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  2019年度に実施した子どもたちへのアンケートで、自己肯定感の変化について調査しました。 通塾が長くなるにつれ、自分自身への満足度が高くなっています。教室で学習や様々な体験から成功体験を積むことで、自己肯定感がどんどん育まれていきます。

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ある年の、北谷教室に通っていた当時中学1年生の生徒のテスト比較結果です。 入塾時の点数と席次と比べると、その約半年後は2倍に上昇しています。 子どもたちの可能性は無限です。環境が整い、寄り添って見守る大人がいれば、自分自身をどんどん伸ばそうと挑戦を続けるようになります。


より多くの子どもたちを救うために

 エンカレッジに通う子どもは年におよそ900人。こう見ると、たくさんの子どもがエンカレッジにきているように感じます。

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 しかし、沖縄県内の要保護世帯、準要保護世帯の6〜18歳の子どもは約40,000人いると思われています。 支援はまだまだ足りてない、より多くの子がエンカレッジを利用できるよう、カバー率の向上が現在の課題の一つです。

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また、エンカレッジのほとんどの教室では、中学卒業と同時に支援も終了となります。 しかし、沖縄県の高校生の不登校率や中途退学率、卒業後の進路未決定率は全国と比べて高く、エンカレッジを卒業した子たちも、高校進学後に新たな問題に直面し、止むを得ず中途退学等を選ぶケースも少なくありません。
 高校受験までという一過性の支援ではなく、社会へ出るまでの継ぎ目のない支援の必要性を強く感じております。 


おわりに

 活動開始から13年、これまでおよそ4000人の子どもがエンカレッジで学んできました。
 現在は県内約40%の市町村で26拠点、共に活動するスタッフも140名を超え、貧困の連鎖の解消に向けて日々奮闘しております。

 しかし、まだまだ整えていかなければならない課題もたくさんある。一団体だけでは、手が届かないし時間がかかってしまいます。

 エンカレッジは、教育・福祉・社会全体で子どもたちを育んでいける社会を目指しております。 志を共に、一緒に作って頂ければ幸いです。




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