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エンカレッジの教室〜先生たちの座談会〜後編

こんにちは、エンカレッジ広報担当のシロです。
前回に引き続き、4月28日にLIVE配信を行った、エンカレッジの職員の座談会の様子の後編をお届けします。
視聴者の皆様からの質問に、エンカレッジスタッフの阿嘉先生と花城先生が赤裸々に答えています。
是非前編と併せてご覧ください。


エンカレッジスタッフの役割とは?

宮城:質問が来ているので、是非お伺いしたいと思います。
(質問を見て)あー、なるほど、そうですね。お二人にちょっと是非、先生の役割という意味での質問が来ていて。
「エンカレッジの先生は子どもたちにとって家族であり、友達であり、先生なんだなと聞いてて思いましたが、お二人はどんな役割だと思っていますか?」
という質問が来ています。どちらからでも・・。


阿嘉:そうですね(笑)。まあでも意識していることは、寄り添いと自立、ていうのと、子どもたちが幸せになるようにと、そういうことは意識して子どもたちと接しています。


宮城:寄り添いと自立・・それって例えば、どういう言動に表れるんですか?


阿嘉:やっぱり話を聞いてあげるとかなんですけど、子どもたちの中には学力が低い子もいるし、生活面とかそういったものもなかなかできてない子がいて、そういう子たちに対してもしっかりこう寄り添っていくということですね。
後、将来的に子どもたちが自立して、しっかりとした大人になって社会に参加してほしいと思っているので、例えば自分でできることは自分でやってもらったりとかですね。その学年に応じた自立みたいなものもあるのかなと思うので、自分でできることはしっかりと自分でやってもらったりとか、できることにあまり手を出さないようにするだとか、そういったことを意識してやっていますね。


宮城:なるほど、なんかすごい愛と力の両方を感じる役割だなと思って。聞くとかってどっちかっていうとこう、愛だと思うんですけど、でもできることは自分でやろうねっていう背中を押す力もすごくある関わりをされているんだなと感じます。ありがとうございます。
花城先生いかがですか?役割。


花城:役割(笑)。・・・そうですね、なんかまあ家族でもないし友達でもないし、学校の先生でも先輩でもない、不思議な関係だなあとは思うんですけど、斜めの関係を意識しているっていうのは先輩スタッフからも結構ずっと言われていたので、そういうちょっと先生と親戚と兄弟とまあ友達の中間みたいな視点で接してるっていうのは意識ははしてました。
なのですみません、役割がこう、っていうのはまだ言えないんですけど、でもそこで寄り添ってまず背中を押してあげるっていうことなのかなとは思うんですけど。


宮城:なるほどなるほど、なんか絶妙な距離感ですよね、関係性と距離感。



「救える」とは? 沖縄の貧困率が変わらない理由は?

宮城:阿嘉先生に質問ということで、お二人とも使われてたと思うんですけど、救える子たちとか救えたみたいなことが表現として私も気になったというか、印象に残ってるんですけど。
「それって何から救える、救えた、みたいな意味合いなのか?」っていう質問が来てるんですけど。お願いします。


阿嘉:やっぱりちょっと経済的な理由で来てる子たちですので、他の塾を選べないっていうところがあって。ここに通ってくる子どもたちはここでなんとかしてあげたいっていう気持ちがあるんですけども。
なかなかやっぱり、例えば勉強でもそうなんですけども、もっと本当はサポートしたかったんだけども、だんだん来なくなってしまって支援ができなかったとかですね。そういう時はやっぱりちょっと苦しいかなと思いますね。


宮城:てことは彼らが成長できる機会から、遠ざかることが、なんかこう恐れているということなんですかね?離れてしまうことから救いたいみたいなことなんですかね。


阿嘉:そうですね、こちらにしっかりと通ってくれたらですね、この支援の中でいろんなことに気づかせてあげたりとか、学ばせてあげたりして成長できるのかなと思うんですけども。
そもそもここに来なくなってしまうと、そこからちょっと手を出せなくなるというか、もう少し本当はやってあげたかったけどなあということで、こちら側の力不足もあるんですけども、そういう意味で、本当はもう少し出来たはずだけど来なくなってしまったりとか。そういうのもありますね。


宮城:なるほどありがとうございます。

ちょっと今のポイントと重なるんですけども、この10年間で子どもたち、大きく変わったことっていうのはないよ、っていう風に仰ってたんですけども。
質問は超ダイレクトで、「なぜ沖縄の貧困率は変わらないと思いますか」と、思いますかというか「変わらないんでしょうか」という質問で、あの、これは非常に難しい質問だなと思いますし、もちろん皆さんの観点からっていう見立てで構わないと思うんですけど。
いろんなご家庭であったりとか、お話しする機会とかあると思うので、なんか皆さんの個人的な観点でこんなことを感じますってことを聞けると嬉しいかなと思います。(なぜ沖縄の貧困率が変わらないのか)理由が一つだとも思いませんし。


阿嘉:なんででしょうね、・・・・それがわかるといいんですけどね(笑)。


宮城:この活動、エンカレッジの活動を続けていれば、貧困率というか貧困というのはどんどん解消されていくようなイメージ、感覚かもしれないんですけど。


阿嘉:まあでも、子どもたち、5年後とか10年後みんな社会に出ていくので、私たちがこの活動をしているっていうのは、沖縄の未来とかですね、豊かにするんだろうなあということを一応信じてはいて。
子どもたちも努力できる子たちとか、可能性がある子たちいっぱいいますので。そういった子たちがこちらで学んで、毎年巣立って行きますので、10年後とかこの子たちが社会に出たときに、しっかりと自立していけばですね、豊かな沖縄になってくれるのかなというのを信じて活動してるというところはあるんですけど。


宮城:なるほどなるほど、難しいですよね。花城先生どう思います?


花城:本当にその学びの機会をすごい整えて、小中高生世代、一番可能性を広げることができると思ってるので、教育の機会均等を整備することで、貧困率を下げるきっかけにはなるんだろうと信じている感じですね。
数値で言うとまだその、活動始めて12、3年ってところで、その最初に阿嘉先生たちが関わってきた子たちが、今大体やっと20代前半とかになってくると思うので、その、なんかまだこう目に見える形の数値で「下がりました」って言うことはできないと思うんですけど。


宮城:まだまだ実感を持つっていうところには、やっぱり時間がもう少しかかるんじゃないかっていう感じなんですかね?


花城:そうですね、エンカレッジの活動自体ここ数年で急速に広がったっていうのもあるので。それまでのカバー率そのものはとっても低かったと思うので、今広がって、全県とか日本全体で、貧困問題に当たっていて。そこからじゃあちょっと追いかけてどうなったかっていうときにきっと成果が出ると。


宮城:本当に先生たちの、信じてるという、そこから生まれるモチベーションというか、情熱というものを今すごく聞いてて感じて、本当すごいなと感じました。



生徒と話す中で印象に残ったこと

宮城:「生徒とどれくらい話をしますか?その中で生徒から寄せられた言葉だったりエピソードだったりで印象に残っていること、言葉はありますか?」という質問が来ています。


阿嘉:どれくらいっていうのは・・でもあの、まあ何時間でもっていう感じですかね、必要があれば。
実際に毎日来て、話を3時間聞いてっていうのを日々やっていたこともありますので、必要があれば何時間でも聞きたいなっていうか、そういうことですかね。


宮城:話を聞こうって思うときの、その必要性感じる時って、どういう話題だったりするんですか。


阿嘉:うーん。でもやっぱりあの、本人の困っていることだったりとか、学校のことだったりとか家庭のことだったりとか、そういうことが多いかなと思いますね。


宮城:そこからじゃあ何か具体的な、「じゃあこれやってみるか」みたいなアクションに繋がったりすることも時にはあるっていう感じなんですか?


阿嘉:そうですね、話の中でそういうことがあれば、一緒にまた取り組んだりとか。そういう感じですね。


宮城:なるほどなるほど。花城先生いかがですか、印象に残っている言葉とか。


花城:印象に残っている言葉、そうですね。生徒とどれくらい話をしたかっていうのとは少しもしかしたらずれるかもしれないんですけど。
すごい印象に残っているのは、1年目の時に、受験を前にして、中学3年生の子たちが教室でも友達ができて、エンカレッジにも慣れてきてってなった時に、何気なくみんなで話をしていて、「学校の友達にはなんかエンカレッジに通ってるって言ってない、塾に行ってるって言ってない」っていう話をしたことがあって。
ほとんどの教室でもプライバシーを守るために、その場所を公開してなかったりってあったんですけど。なんかその時にハッていうか。これ忘れたらダメだなーっていうのをすごい思ったので。


宮城:なんか生徒たちのすごいこう、なんていうんですか、繊細な心の中での葛藤だったりとかっていうところが垣間見えますね。


花城:だからなんとか、そう感じる子がいなくなるようにというか。
それはそのエンカレッジを整備するっていうことももちろんそうだと思うんですけど、そもそもその引目になる貧困の原因とか無くしていかないとっていうのはすごい思ったことでした。



いろんな子が一緒に過ごすことの影響とは?

宮城:他にも結構子供達の状況を聞くような質問もあるんですが、どうしようかな。「課題を抱える子どもたちが一緒に過ごすことで、良い影響とか悪い影響とかってあるんですか?」っていう質問が来ていますがいかがでしょう。これはエンカレッジに限らず、学校とかでもこういうこと見えるのかなあと思いますけど。エンカレッジの中ではいかがでしょうか。


阿嘉:そうですね、最初はいろいろできなかった子もここに通うことで、接し方とかが改善していくと。そうした時にまた新しく入ってきた子がですね、その環境に、こうまあ良い意味で染まっていくというか。
で、自分もできなかったことだったりするけど、周りを見てみれは、あの子はちゃんとやってるんだなあと、そういうことを気づいて、自分を正していくとかですね、そういったこともあるのかなと。


宮城:こう、なんかお互いに刺激を与え合う。ありがとうございます。
悪い影響ってあるんですか?なんかその多分、課題って言った時に、もちろん家庭的な課題もあれば、本人が持ってる発達的な課題とか、いろいろだと思うんですけど。


阿嘉:今のところそういうことは思いつかないですね、うん。


宮城:「子どもたちは自分の状況、つまり経済的困窮家庭であるということに、いつの段階から気づいているのか、どのようにそれを捉えているのか。」

お二人から見てどんな見立てがありますか。


阿嘉:そうですね・・ここに通ってる子どもたちは同じ境遇だったりするので、結構子どもたちはあの、まあ気づいているというか。自分もお母さんしかいないとかですね。
そういったことは子どもたちも理解しているんですね。で、同じ境遇なので、この中で卑屈になるようなことはないかなと。


宮城:なるほど、ある種その共感を持って、関係性があると。それって子どもたちはその、つまり自分の状況のこと、なんかポジティブにもネガティブにも捉えてない子もいれば、すごい隠したいというか、自分はそうじゃないところにやっぱり憧れるとか。どんなふうに捉えているのかなってのは気になるんですけど。


阿嘉:こう欲しいものがなかなか、揃えられないとかですね、本当は例えば塾に行きたいということですね、少し経済的なハンデがある分ですね、ちょっと我慢してる部分っていうのは、ある子もいるなあという感じはしますね。


宮城:なるほど、ありがとうございます。



保護者に向けてのアプローチとは?

宮城:あとはそうですね、これ私も気になってるんですけど、子どもたちにとって親の影響って大きいと思うんですけど。「エンカレッジでは親御さんに向けてのアプローチは何かしていますか?」っていう質問来てます。


阿嘉:そうですね、日々の子供達の成長とかっていうのは、お母さんたちにも頻繁に報告するようにしていて。
そうするとお母さんたちもですね、塾ではそういう風に頑張ってるんだねとか、子どもの頑張ってる姿を見てまた自信がついたりとか、子どもたちにまた、期待を持てるようになったりとかですね。
そういうふうにお母さんたちに、子どもの成長を日々伝えたりとかはしています。


宮城:なるほど。その中で、紛糾することとかってあるんですか、親御さんとのコミュニケーションの中で。
以前、エンカレッジの別の先生と話してる時に、エンカレッジに通わせる意味を見出せないしとかっていう親御さんもいて、こんな高校に行きたいと言ってるんですけど、みたいな感じで言ったら、高校なんて行って何の意味があるの、みたいな話をされて紛糾したんです、みたいな話を以前聞いたことがあったので、なんかこう、苦労されることも多いんじゃないかなと思うんですけど。


阿嘉:私はそういうのあんまり・・今までなかったんですけど。


花城:地域にもよるかなと思うんですけど。
一応その基本的にエンカレッジに繋がってくるってことは、何かしらその、生徒本人なり保護者なり、関わる支援員の方々が、必要と感じて繋がってくるんで、基本的にその、高校進学に向けて頑張るところだよっていうのは伝わっている、のかな。
ただ、なんていうんだろう、その高校に行く意味を見出せないっていうか、保護者が想像できない、お母さんとかが進学先とか将来をちょっと限定した感じのイメージを持ってるっていうのは、私も先輩から聞いたりとか、実際接する方でいらっしゃったりっていうのもあったので。


宮城:なるほど、イメージできないってなった時に、どんな風にアプローチしたりするんですか?


花城:なんていうんでしょう、私の時は、イメージができないから私もわからないんですよね、だから教えてくださいっていう保護者さんもいたなあと。


宮城:なるほどじゃあ結構素直に聞いてくれたんですね。


花城:ただまあその、それぞれやっぱり子どももそうだし、保護者の皆さんももちろん千差万別なので。うーん、紛糾された方(先生)もいらっしゃるのかな、と思います。


宮城:結構親御さんとはコミュニケーションをとりながら、ある種その、わからないんで教えてくださいっていうような、言ってもらえる関係性を作っていくみたいなアプローチなんですかね。なるほどありがとうございます。



子どもたちからのレスキューサイン、学校との連携は?

宮城:生徒さんたちが、何かこう助けてほしいなあとかどうにかしたいなあっていう場面あると思うんですけど。
そういう「レスキューサインってどんなものなんですか?」っていう質問が来てます。


阿嘉:そうですね、日々観察はよくするようにしていて、例えば挨拶した時の声だったりとか表情だったりとかですね。
今日元気なのかな、とか、そういうのを観察して、小さな変化も気付けるようにしているって感じですね。


宮城:なるほど、じゃあその話の中で変化に気づくみたいなところですよね。話をやっぱりたくさんすると、話の中でレスキューサインの兆し、みたいなものがあったりするのかなと思うんですけど、例えばこう、「聞いてー!」みたいな感じで話しかけてくるとか、わかんないですけど、こう。


花城:レスキューサインというか、なんで今日学習になんか身が入ってないんだろうとか、そういう時に、話を聞いて欲しいんだなーとかっていうのを感じること多々あって。


宮城:話を聞いてほしいとかっていうところの中で、見出していく感じなんですかね。なるほど、ありがとうございます。
気になるところとしては「学校との連携はしていますか?子どもたちにとって学校で過ごす時間とても長いと思うんですが」という質問が来ているんですけども。
エンカレッジの中でこんな学びをしててこんな成長があってとかこんな課題があってとかってところも。


阿嘉:そうですね、ちょっと地域差があるのかもしれないんですけど、例えば学校にいる支援員の方とかも、ちょうどこの前ですね、こちら(読谷教室)に来ていただいて、ちょっと生徒の様子を見てもらったりとかですね。そういったやりとりは時々ありますね。


宮城:なるほど、じゃあ支援員さんが、学校とエンカレッジを繋いでって役割なんですかね。先生との直接のコンタクトはないんです?


阿嘉:あるところもあるのかもしれないんですけど。そうですね、教室によるかもしれない。



支援する中で葛藤すること、各支援の優先順位や関わり合いとは?

宮城:お二人の中での葛藤みたいなところを私すごく気になっていて、生徒さんと関わる方のとか、教室運営をされる上での、これってどうすればいいんだろうか、とか、何度も何度も試してみるけど、なんか突破できないみたいなところがあれば聞いてみたいなと思っていて。


阿嘉:でも学習でもそうなんですけど、教育の基本は繰り返しかなと思っているので、勉強も生活面もですね、諦めることなくというか。
裏切られてもですね、何度でもこう寄り添っていくと、本人たちを信用していくというところかなと思ってますね。


宮城:なるほど、それは繰り返しをやっていくことで、生徒たちにいろんなことが定着していく、みたいな。こう、なんていうのかな、リズムというか、フィロソフィーみたいなところを阿嘉先生お持ちっていうのがあるんですかね。


阿嘉:そうですね。


宮城:なるほど。花城先生何かあります?葛藤、とか。


花城:そうですね、教室を見ていた時、今も少し沖縄市の方で講師のサポートさせてもらってるんですけど。なんかそれこそその、一般塾みたいにもやってあげたいし、でも話も聞いてあげたいし、っていうのが常にあるところではあります。
その、教室長として見てた時も、先生たちによく言われていたのが、ここは学習メインの塾なのか、それとも話を聞くべき場所なのか、どっちなんですかって言われてたんですけど。なかなかそれが混在しているところって普通イメージできないと思うので、結構そういう質問があったりとか。そうですよね、じゃあどうしていきましょうか、私も聞くべきだとも思うし、教えるべきだとも思うし、って言って、都度先生たちと場所を分けるとか、そういう工夫をしながら。答えが見えないっていうところはあるんですけど、それはずっとあるな。


宮城:なるほど、その居場所型のね、支援っていうところが、エンカレッジのある種のコンセプトになってるけれども、でもやっぱり勉強をするという、一般塾のような色も持ってやりたいけど、じゃあ何を優先順位にするかって、どんな場所としてあるのか、みたいなところの葛藤ですかね。それってどんな意見が出たりするんですか、どんな理由とか。


花城:やっぱり、私はちゃんと教えたい、ちゃんと授業をして、しっかり学力をあげてほしいっていう先生も、皆さんまずそうなんですけど。けどでも話を、ちょっと寄り添ってこの子は聞く必要があるんじゃないですか、とか、色々ですね。両方でます、皆さん両方考えてるっていうパターンも多くて。


宮城:なるほど、今ここまで聞いてる中で、エンカレッジのやられてることの要素が、もちろん勉強っていうこともあったりその寄り添う、とか聞く、話す、みたいなところですね。あとはそのキャリア教育とか、また勉強とは違った形の学びの機会みたいなところとかあって、なんかそれって相互にどういう感じなんですか。なんかこう聞く、というところと、信頼関係を持つからこそ勉強に向かえるよね、みたいな話なのか。優先順位とか、それぞれの要素の関わり合いってどんな感じなんですか?


阿嘉:関わり合い?うーん、なんだろう、まあでも基本はやっぱりあの日々学習がメインになって入るんですけど、まあ、必要があれば、学習止めてでも、子供たちの話を優先したりとか、困っていることを優先して、学習なのか、それともそれ以外の学びがあるのか、で、もちろんその学習よりも、大切だなと思えば、そこを止めて子供達の話を何時間でも聞くと、いうように、今まではしてきました。


宮城:なるほど。ってなった時に、これ聞かれたことあるかもしれないんですけど、こうもちろん、学校の先生とかも、一応やっぱり皆さん話聞いたりとか、もちろん勉強っていうものがあると思うんですけど、なんかやっぱりそれだけだと、何かが足りてないからこういった場って、このエンカレッジのような場が必要だと思うんですけど。
学校で担ってる役割とエンカレッジで担っている役割ってなんかどんな役割分担、違いとか、住み分けとか、あったりするんです?


花城:学校との住み分けって考えるとちょっと難しいというか、なんだろう、、


阿嘉:学力に関してはやっぱり、集団授業で、学校のように例えばあの、わからなくておいていかれるみたいなことは、こちらではないので。本人に合わせた、学習を取り入れていくので。


宮城:なるほどなるほど、かつそれが、勉強だけじゃなくってその勉強に向かうための姿勢だったりを作るようなある種その、情操面、話を聞くとか寄り添うって、そういうところのサポートですもんね。その両輪があるなというのが、確かに、しかもそれが丁寧に、個別に合わせてできるっていうのは、大きな強みですよね。なるほどありがとうございます。



エンカレッジスタッフのやりがいとは?

宮城:「エンカレッジで働いてる職員さんは他にどんなかたがいらっしゃいますか?」というところで、これに1個私の質問を乗っけると、どんなやりがいを感じてらっしゃる職員さんがいるのかな。
もちろんお二人のやりがいみたいなところも知りたいですし、なんか他にこういう人たちがいますよ、っていうのを教えてもらえると嬉しいです。


阿嘉:本当にいろんな業種から、こちらに来た人もいっぱいいて。あとはまあ例えば教員目指していた方だったりとか、そういう人材の質がいいんじゃないかなと思いますね。
子供達にこのサポートすることで、将来的に沖縄の未来がですね、豊かになったりとか、子供達がこう、幸せになっていくんじゃないかな、と、そういうのを信じて、それをやりがいに活動してるという感じですかね。


宮城:未来、子供達の未来とか沖縄の未来っていうところ、先ほどもそうですね、信じてるって。これが、よくなることに繋がると信じてるとおっしゃってましたもんね。ありがとうございます。
花城先生いかがですか。


花城:エンカレッジのスタッフについてですよね。そこに(未来が良くなることに繋がると信じて)やりがいを持ってるんじゃないかなとは、はい、思います。
あとなんていうのかな、アンテナをやっぱり皆さん張っていらっしゃるので、その他のスタッフさんと話してても。


宮城:アンテナを張る、例えばどんなとこにアンテナ張ってらっしゃる?


花城:それこそその子供達に対して、その小さな変化でも気づけるようにっていうことももちろんですし、最近はその、キャリア教育とかいろんなことをしていく中でこういうことできるよね、とか、結構アイデアマンっていうのかな、が、いっぱいいるなーと思います。子供達にもそうだし、地域社会に対してもそうだし。
じゃあ今何が情勢として起こっているのかとか、どういうところにどういうリソースがあってとか。そういうのも常々、子供達のために限定せずにいろんなところにアンテナを張ってる人が多いなと。そこからその、じゃあこういうことが成長につながるかもしれないって、いろんなアイデアをみなさん持ってらっしゃるなと思います。


宮城:そうですよね、子供達と触れ合ってると、常に仮説を立てて仮説を検証するみたいな、こうすればやっぱりこの子たちもっと、伸びるんじゃないかってところ、いろんなやっぱりアンテナ立てていろんな仮説を立てて、アプローチしてみる。確かにそういう先生がたが多い印象は私もとっても受けますね。ありがとうございます。なんかすごい素敵ですね。
ちなみに職員の方って、別のいろんな業種で仕事されてる方がいらっしゃったことおっしゃってたと思うんですけど、どんなバックグラウンドの方がいらっしゃったりするのかな、と思って。なんか飲食でもともといらっしゃったみたいな方もいれば、、


阿嘉:飲食もいたと思います。飲食業から、こちらの方に転職した方もいるので。


宮城:そうですよね、阿嘉先生みたいに、元々は中学校とかでも教えられてたり、したっていう方もいらっしゃれば、花城先生は?


花城:私エンカレッジ入る前の前職は飲食です。


宮城:やっぱりその思いがあってというか、先ほどシェアしていただいた、沖縄とか子供達が持ってる課題感みたいなところに共感されて、皆さんいらっしゃるんですもんね。ありがとうございます。



生徒たちの頑張ってる姿

宮城:「生徒さんが頑張っている姿を見る機会は先生方ありますか?」という質問が来ています。


阿嘉:頑張っている姿?でもそれは普段、毎日(笑)。 見る機会があるのかなーと思うんですけども、そうですね。


宮城:これ当たり前のようにお答え出て来たかと思うんですけど、いやなんか(生徒たち)頑張ってないよなって感じられていたり、どうやったらもっと頑張るかなとか、思われる先生多いと思うんですけど。
てことは日々、生徒たちは、何かに挑戦したりとか、なんかある種目標に向けて、歩んでるみたいなことが、割と当たり前にされてるからかなと思ったんですけど。


阿嘉:でもやっぱり現場にいる職員は、子供達の小さな変化でも、嬉しく思うものなので、そういうのお互いに発見したときは職員同士でそれを共有して、喜んでみたりとかですね、本当に小さいことでも、嬉しく思ってますね。


宮城:教えていただける範囲で、最近職員の間で共有した、そういう嬉しかったことというか生徒たちのその頑張りってなんかあります?具体的に。


阿嘉:その自立プログラムの生活面の授業というのをやっているんですけども、その授業を聞いたあとから、明らかにそれを意識した行動が取れるようになったりとか。例えば先生と、目を見てちゃんと敬語を使って、ありがとうございますとか、言えるようになったりとか、先生たちの指示を、ちゃんと素直に受け入れる、そう言った姿勢ができたりと。
そういうのが日々たくさん見れるので、とてもやりがいもあるし、楽しいことかなと思いますね。


宮城:そういう現場に出くわしたら、阿嘉先生どんな風に生徒さんにアプローチされるんですか、「やるじゃん!」みたいな感じなのか。


阿嘉:あ、でもそれは、だいたいそうですね、伝えますね。
この前はこうだったけど、今日はできてるんだねとか、そういう風に言ってあげることが多いですかね。


宮城:なるほど。なんかこれちょっと質問というか、(視聴者から)来てるのではなくてスピンオフの質問なんですけど、怒ったりとか注意することとかってあるんですか。


阿嘉:(笑)。それはでも、あるんじゃないかなと思うんですけど。そうですね、やっぱりあの、真剣だからこそというか。もちろん言わなきゃいけない場面ではしっかりと伝えて行きますね。


宮城:例えばどんな場面ですか?やるって言ったことをやらなかった時とか、なんかどういう時に?


阿嘉:例えば子供達の塾に来る日っていうのはある程度決まっているんですけども、その日にこなくて、おやすみなのかなと保護者に連絡をとってみると、実はそうじゃなくて、親には塾に行ってると言いながら、ちょっと遊びに行ってたりとか。
まあそういうこともあったりするので、そういうときはやっぱり色々話をして。最初できていたことができなくなってることに対しては伝えていったりとか。
通常であればできなかったことが、できるようになっていくと、成長を感じるんですけども、最初はできてたのに、今はどうしたの?とか、以前の自分に負けてないか?とか、そういう話をしてみたりとか、そういうのをやっぱり積極的に、伝えるようにはしていますね。


宮城:生徒はその時になんかしゅんとするんですか?


阿嘉:(笑)。でもやっぱり納得して、自分でもわかってる部分はあるので。素直に以後気をつけますという感じで、また子供達の行動が変わったりっていう。


宮城:なるほど、なんかお見通しみたいな感じなんでしょうね、生徒さんたちからしたら「わかってるよ!」みたいな。なるほど。
花城先生がその、怒ることあるんですかって聞いた時にめちゃめちゃ頷いてらっしゃったので(笑)、どんな風にアプローチされてたのかなと思って。


花城:怒ること、そうですね、まあ理不尽に怒るとかはもちろんないですけど、その、例えばあからさまに授業の妨害になってるとかは、もうガツンと言ってました。それがなんていうんだろう、逆にこう、なんていうのかな笑、一つこう、見てるよというか。塾に来て学んでるよね、っていうような、なんていうかな、ちょっと普通化(一般塾のように)するじゃないですけど、でもそうもなるのかなと思ったりしたこともありました。


宮城:そうですよね。ある種あなたのこと見てるしケアしてるよのサインでもありますよね。子供達に向けて。


花城:そうですね、難しいですね、怒るって。



これからの子どもたちや社会に期待すること、エンカレッジスタッフとして思うこと

宮城:「先ほど話の中で企業との関わりの話が出ましたが、どのような事例がありますか?」
今後期待する企業とかその外部の組織との関わり方ありますか、こんなこともっとできたらいいなとか。


阿嘉:キャリア教育をしていただいたりとかですね、会社に見学しに行ったりとか。後あのオーケストラをやっている団体の方が直接教室にきて。プロの方から音楽指導を受けてみたりとかそういったつながりはありますね。


宮城:なるほど。あります?花城先生は。


花城:そうですね、なんかいろんなもの、いろんな職業とかいろんなことに触れてほしい。こんな職業あるんだとか、こういう働き方あるんだとか。まあ今特に、パソコン一台でなんでもできるとかそういう時代になっているので、それ含めて色々見てほしいなっていうのは、あります。
で、そうしたことをちょっと、なんていうのかな、単発ではなくってチームというか、で、組んでやっていけたら、いいのかなとは思っているので。それこそ社会全体で子どもたちを見るになるんですけど、それがちょっとなんていうかな、普通になるというか、そのベーシックなものになるような流れになったらいいなと。


宮城:そうですよね、私も学校、社会に開いていくみたいなところは結構自分のテーマだなあ、だったというか。子どもたちがより社会に触れるために、こういった学びの機関が、やっぱり社会に開いていく、で、外との連携ってとこがすごく大事になってくるなという風に感じているのでとっても、共感です。

あと2つくらい質問しておしまいにしようかなと思ってるんですが、今その子どもたちにどうなってってほしいなあみたいな話が出て来たので、子どもたちがここから、どういう風に成長してほしいなとか社会の中でこういう風にあってほしいなとかっていう、彼らの成長に対する願いとか、ビジョンみたいなところぜひ、お聞かせいただけると。


阿嘉:そうですね、小・中学生の教育ってやっぱりコスパで語れない部分も結構多いかなって思っていて。大人であればこう論理的に考えたりとか、まあ効率を重視して、コスト良く動くみたいなところは大事かなと思うんですけど。まあ子供達にはそれはなかなか当てはまらないことも多くて、わざと遠回りさせてみたりとか、ちょっと負荷を与えてみたりとかして、それを乗り越える中でこう、成長していけたらいいなと思っていて。
で、やっぱり将来的にはしっかりと自立して社会にこう参加して、経済活動をしっかりして、で、自己実現ちゃんとして、最終的に他者貢献までできるようになって、幸せになってくれたら、いいなという風には思っていますね。


宮城:なるほど、自分というところと、社会の中でのその人っていうあり方、なるほど、ありがとうございます。
花城先生いかがですか。


花城:そうですね、ほとんど一緒(笑)。
まああの、より、なんていうんだろう、自分味方を多く作れるようになったらいいなあとは思います。多く作るっていうか、うん、そうですね、なんか自分が何をしたら幸せなのかがわかるではないですけど、それを信じて、周りにも、ちゃんと味方がいてっていう環境にいれればいいなと思ってます。


宮城:うーん、なんか本当にとっても共感することだなと思ってて。もちろん社会の中でのしっかり役割を持つっていうところもそうだし、その役割を持つってことは自立した1人の人として社会の中で活動するっていうことでもあると思うんですけど、とはいえ自分自身が幸せであるとか、自分のそのやりたいと思ったことが実現できてるっていう、こうなんていうんですかね、納得感とか、自己肯定感とか、っていうところが、ね、あってこそやっぱり幸せが生まれていくと思うので、なんかその両輪だなあっていうことはすごく感じています。

最後にあの、お一言ずついただいて終われればと思ってるんですけども。
今日の感想と、あとはこれからもっとこういうことしていきたいなとか、していく必要があるんだよなっていう、これからに向けての所信表明というか、ニーズとか、そういったことを教えていただければと思います。


阿嘉:そうですね、やっぱあの子どもたちがこの生まれ育った環境に左右されることなくですね、しっかりとこう、努力をして、その努力がまた報われて、自立した大人になって欲しいなと思っているんですけども。
そういった環境とかですね、仕組み作りっていうのは、やっぱり大人がやる責任はあるのかなと思っているので、私たち社会人の先輩がですね、まずは子どもたちに寄り添って、応援して、一緒にサポートしていくことで、豊かな沖縄をですね、作れたらいいなあと思っています。


宮城:ありがとうございます。花城先生いかがですか。


花城:そうですね、今、事務局側にも少し関わらせていただいて仕事をする中で、まだまだ全然知られてないというか、カバーできてないというか。
数値にするとこれだけ、これだけってわけではないんですけど、やっぱその絶対数を見ると、まだまだだなって最近すごく感じることでもあるので、もっとまずは私たちの活動を知ってもらわないといけないなっていうのは、改めてちょっと感じているところでもありますし、で、それをもっと広げることで、情報が取れないっていう話を先ほどしたんですけど、それも解消できるんじゃないかなってことも思っているので。なんか伝えていかないといけないなっていうことは思います。


宮城:ありがとうございます。
私も今日の感想みたいなところで言うと、本当にこの、子どもの貧困っていう言葉とか、経済的困窮家庭の割合が高いっていうことをすごくやっぱり頻繁に耳にするようになってきたと思うんですけど、そう言った言葉とか、社会的な定義、それこそ保護家庭とかっていうところの言葉というか定義の中だけでの課題でもない。
そこの枠に入ってないけれども、なんかエンカレッジのアプローチしていることに当てはまる人たちってたくさんいるなあっていうのは、自分の身近と言うか、自分の見えてる範囲でも、あると思うんですよね、それこそあの、いろんな機会が、実は本当に家庭の事情によって、収入はそんなに低くはないんだけども、やっぱり機会が、なかなか与えられてないとかってこととか、コミュニケーションの質、聞いてもらうとかっていう時間が少ないとか、そこには信頼感の欠如とか。で、自分に自信がなくて、意欲が何も持てなくてっていうことって本当にたくさん、まだまだあるなあと思っているので。
何かこう、もちろんエンカレッジさんが、この先、このフィールドでやられていくこともありますし、社会全体で、なんだろうな、こういった理想とか聞くとか、やっぱ機会の剥奪とかが起こらないような仕組みを社会全体で作っていくという、覚悟とコミットメントが必要だなっていうのは、私も感じました。
日々、現場でやられている皆さんには本当に頭が上がらないなあと思って。こういったあり方をする人たちがもっと社会に増えないといけないよなあという風にも、改めて感じました。

今日は、長い時間お付き合いいただいて、ありがとうございました。
というところで、今回4回目の、エンカレッジのライブ配信をおしまいにしたいと思います。たくさん質問もありがとうございました。



ご覧いただいた皆様、そしてモデレーターを務めてくださったroku you宮城さん、改めてありがとうございました。
当日の様子はエンカレッジYouTubeチャンネルでもご覧いただけます。




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