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ランダムお題 短編集

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ランダム単語ガチャで書いた、短編小説をまとめた物です。
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短編小説4 架空請求

短編小説4 架空請求

お題:「架空請求」「秋」「不愛想」
➡書き終わってから「不愛想」の存在を思い出しました…
なので、不愛想要素はないです。すみません

俺、山田正は今日、山田正の実の両親に架空請求を行う。
夏の暑さが薄れ、道を行きかう人々の中に、ちらほらと長袖を着ている人が出始める季節。俺は、パーカのフードをかぶり、行きかう人々の流れに逆らって歩いている。

 俺は先月、架空請求の被害にあった。こんな詐欺引っかかる

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短編小説3 遠い所

短編小説3 遠い所

お題:「あんぱん」「脚」「千客万来」

 皆さんこんばんは、今夜も千客万来で良かったです。多くのお客さんが入れ代わり立ち代わり来ていただいて、学者冥利に尽きますよ。
 さて、今日は何の話をしましょうか。そうですね…。そうだ、皆さん刑事という職業は知っていますか?
えっ、知らないって。まあ、それはそうですよね。なにせ、刑事についてわかったのなんて、最近の事ですから。
私でも、まだまだ知らないことだら

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短編小説2 忘却

短編小説2 忘却

 お題:「コカイン」「過剰摂取」「忘れる」
何で、連続でこんなにお題が暗いのだろうか。
もうちょっと楽しいお題で書きたい…。

※注

「コカイン」を文中に出しているのでお気をつけてください。

 
 俺は何か忘れている。それは多分物凄く重要で、絶対に忘れてはいけないことのはずなのに、どうしても思い出せない。
 数日前に何か強い衝撃を受け、気を失った後に病院へと搬送された。精密な検査の結果、俺は記

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短編小説1 ペン回し 

短編小説1 ペン回し 

お題:「ペン回し」「ジレンマ」「認知症」

僕は今日も勉強しているふりをして、ペン回しをする。

 同じクラスの佐藤がきっかけだったと覚えている。
 高校生の兄がいる佐藤が、家で覚えてきたペン回しをクラスで披露した。今思えば稚拙で、ペン回しとも呼べるものではなかった。でも、学校という、退屈気回りない空間に押し込められていた僕等にとって、ペン回しは都合の良い暇つぶしだった。
 2.3日もすれば、僕た

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