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ちょっと美人??

  仕事上での相棒くんの奥様は、私が札幌で一番最初に仲良しになった女性です。

とても魅力的な人で、ビルとビルの窓越しで知り合い、仲良しになった人です。

   彼女のことは、創作として書いたことがありますが、現在は私の相棒くんの奥様。
可愛らしいお子さまも生まれて、幸せいっぱいに暮らしています。


   相棒くんは、私といると、ぶっきらぼうで、ストレートな物言いの人なので、私とすると、むっとすることが度々で、
彼女がどうして、こんなぶっきらぼうな人といて幸せなのかが、理解できないでいたのですが。



     仕事の打ち合わせで、相棒くんと話していた時に、何かの流れで、

「キョウコさんは、ちょっと美人よね、、」

確か、そのように私が言ったはずです、
すると、一瞬怪訝な顔付きになり、


「おい、!  なーさんよ!俺のカミサンは、ちょっと美人じゃないよ、、、美人なんだ!」


ほんの軽い気持ちで言ったので、彼の反応に内心は、驚きつつも、なんかなあ、どうでもいいことなのに、、。
キョウコさんとは美人とか、欠点とか、沢山沢山話していますから互いの外見も内面についても熟知しています。
クオーターで体つきも顔も、日本人離れしていながら、内面は古風な日本女性気質の人ですから、亭主関白風の彼とうまくいってるのだと私は解釈していました。


「えっ?!   美人て言ってるけど、、!」

「少しって言ったろう!少しは余分だ!」

「ふーん、、そう、、ごめんなさい、」

「なーさんは、、一言多い!誤解されるぞ、、」

「多いかな、、女史は少ないって、少ないから誤解されることがあるって!」

「俺は、なーさんの余分な一言がムッとくること、多いぞ!」


多いという人と、少ないという人。困ってしまう。

彼は、多分、一言多いということを、少し注意しろと言いたかったのでしょうが。


「わかったわ、、注意するわ、」

「キョウコは美人だ、、ちょっと美人は、なーさんだな。」


おまけのように、言う彼の言葉に今度は私のほうが、むっとした気分に。
「ちょっと」という言葉は、使い方が難しいと改めて思いました。

  私は美人ではないことは、子供時代から自認してますから、ちょっと美人という言葉に腹が立ったのではありません。

誰がみても美人と並べて比較する形で、ちょっと美人と言われると揶揄されたような気分になっただけでしょうが。


    彼は父が中途採用で、それもフリーランスで好きに生きていきたいという彼を、強引に説得して入社させ、すぐ、私と行動を共にするようにしました。

  父は、私には、「彼に付いていて学べ!」と言っただけでして、この人から何を学ぶわけ?と、疑問しかなかったのですが。

  実際は、あれから4年、どれだけ彼に助けてもらったかしれません。どれだけ学ばせてもらったかしれません。公私ともに、お世話になっています。

  元々は父と彼のお父さんは、学部は違いますが同じ大学出身で、違う世界に進みながらも親交は続いていたようで。


    父にすると、親友から心配の種の息子だと紹介されて、揺るぎない自信に溢れた顔をみて、惚れ込んだそうですが。


   口の悪さについて、父は気にならなかったのかと不思議でなりませんが。


  勉強するだけが能ではない、生きる力、どんな悪い局面でも打破していく知恵と実行力。

父はその力を多分見抜いたのでしょう。


  縁とは奇異なもので、窓越しに仲良しになったキョウコさんは、私の家で開かれたクリスマスパーティーで彼に会い、一目惚れをしてしまい、また、彼は彼で、彼女に一目惚れどころか夢中になってしまった。


   私は、その頃はまだ、実家に戻ったばかりで、お茶したり、食事をする友達も彼女だけでしたから、なんとなく、友達をとられてしまったような寂しさがあったのですが。

彼女はまもなく仕事をやめ、隣のビルの窓に見える彼女の姿は消えてしまい、また彼は父の意向で、海外に研修に出てしまい、彼女は同行しました。


   寂しくなったのは私だけで、彼と彼女は、式だけ簡単に挙げ入籍を済ませて、海外へ。


     ちょっとではないんだ、美人なんだと言い切る姿に、彼の彼女への強い愛情、深い愛情を感じて、安心もし、相性ってあるものなのだなと思いました。


    そして、ここが私の一言多いところなのでしょうが、

「あなた達のキューピットは私ですから!忘れないでね!」


彼は、何?!とちらっと怖い顔をしましたが、


「キョウコが、、2人目出来たって、、よ!!」


えっ!!

それは、それは、

嬉しいニュース!!


「しっかりしなくちゃ!   2人の子供のパパになるんですからね!」


彼は、嬉しさを隠せないのか、にやっと目で笑っていました。


  自由に生きたい、何ものにも束縛されずに生きたいと全国をバイトしながら、行脚していた相棒くんは、愛すべき伴侶を得て、しっかりと郷里に根を下ろしたようです。


   

   またまた、ちょっとだけ、

エッセイではなく、創作にしておきます。

ちょっと創作。

彼が読み、わいわい、そこ違うぞなどと言われるのもシャクにつき。