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蛇を見たらしい

   縁側でうとうとしていた。
1人用ソファにすっぽり包まれて、うとうとしていた。
今日は朝から風が心地よく、朝食を済ませてから実家に来た。
お盆の準備で庭師さんも入り家族はみな忙しそうで、私はちょっとお邪魔みたいで。

庭を眺めている内に、寝入ったようでしたが、なにやら窮屈で目が覚めたのですが、姪が私の橫に入り込み、同じくうとうとしている。

「似た者同士ね! ちょっと暇があると寝ちゃうんだから!」

姉はエプロン姿で、縁側のガラス拭きを始めていた。

姉の話によると、姪が裏山で蛇を見たとか。大きな蛇だったとか。祖父と一緒に庭や裏山を満足に歩けない頃から、歩いていて、祖父の次に裏庭やそれに続く裏山に詳しい姪は、最近は庭に出なくなったとか。

蛇はどこにでもいる。ただ、身近な場所でふいに目にすると、それはそれは怖いはず。
私も、幼い頃に小さな細い蛇を裏山で見た。それ以来、庭を歩いたとしても、それに続く裏山には、行かなくなった。

いつの間に目覚めたのか姪は、

「なーちゃん、蛇って、何年くらい生きてるの?」

「うーん、詳しくは知らないけど、
10年、20年は生きてるはずよ。長生きイメージあるでしょ、
天敵に出会わなかったら、50年は生きてるとか聞いたことあるけど、、、」

「なーちゃん、小さい時に、裏山で蛇見たことあるって、、それから、山には入らなくなったって、、、お祖父ちゃんが言ってたの、、ホント?」

「そう、、そうよ、、お父さん、覚えていたのね、」

「あのね、なーちゃんが見た蛇さん、小さくて細かったのよね、、ユメが見たのは、大きくて太かった、シュルシュルすぐいなくなったの、、お祖父ちゃんが、毒蛇じゃないけど、
山には入るな!って。」

「そうよ、雪になるまで入らないほうがいいわ。冬になったら、蛇さんは土の中のお家に隠れちゃうでしょう、寒いの嫌いだから。」

「ユメね、、その蛇さん、なーちゃんが見た蛇だと思うの、、大きくなって、まだ生きてますって、ユメに教えに来たように思うの。」

「えー???」

「だって、
なーちゃんとユメは似てるから、きっと間違ったのよ!」

私は、背中がヒンヤリしてきた。

まさか、あの蛇が、育って大きくなった?
これからまだまだ大きくなって、ユメちゃんが大人になって、また、ユメちゃんに似た子供が、生まれたら、姿を見せにくる??

私の想像は果てしない、どんどん蛇が成長して、際限なく大きくなって、蛇恐竜になって、裏山の主になって・・・・