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いつかの記憶

日が暮れてほんのり暗くなった部屋の中で、ここがかつて海だったことを知る。
無数の魚が泳ぎ、丸みを帯びた岩に珊瑚や海藻がゆらゆら揺れている。
風で舞い上がる白いレースのカーテンをぼんやり眺めながら、ここではないどこかの景色が重なる。
沈んだ惑星、虹色の輝き、白い砂で覆われた地面、誰かの気配をまとった古い椅子。

海底、というより宇宙。
頭の少し上にある、いつかの記憶。

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