夏の音
朝、独特な鳩の声で目がさめる
まだ日が昇りきっていない冷たい空気を吸いながらラジオ体操に向かう
公園に響くカセットテープと毎日貯まるスタンプ
帰ったあとは畳に敷かれた布団の上で二度寝をした
昼、暑さを際立たせる蝉の声
市民プールでは水中に浮かんで死体ごっこをした
プールサイドで食べる、アルミホイルに包まれたおにぎりの味
宿題をしに近くの図書館へ行く
真夏の図書館、涼しい館内と本の香り
夕暮れ、薄紫の空に涼しい風
縁側に吊るされたイルカの風鈴が鳴く
台所ではカチャカチャと夕飯支度の音
裏庭のドアを開け放して
大きな器に入ったそうめんをみんなで食べる
食後はうちで採れた大きなスイカ
夜、テレビから聞こえるプロ野球の応援歌
街灯ひとつない真っ暗な夜道
懐中電灯を持ってお父さんと一緒に川沿いを歩く
田んぼからは騒がしいくらいのカエルの鳴き声
無数のホタルの光がちらちらと舞っていた
大好きな夏がここにはあった。
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