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新たな挑戦として学びの場を作りたいと思った理由⑤~困りごとの解決~

営業では、商品・商材は売らない

教育と関係のない話かもしれませんが、実は私の経歴の中には「営業」をしていた経験もあります。いわゆる新規営業も既存顧客への営業もです。
※通信制高校での在職時は、転校を検討している”顧客”に学校を紹介するということですから、これも営業にあたるかもしれませんが。

ただ通信制高校への入学・転学を考えているということで、ここで一番やってはいけないことは、

「自分たちの話をメインにしてしまう」

ということです。まぁよくあるパターンではありますが、
「うちの学校なら、こういうことが出来ますよ」
「うちの学校なら、こうした学校生活を過ごしていくことが出来ますよ」
「大学受験の対策も行ってますから、進路決定率も高いですよ」
「いやすい環境ということで、かなり多くの生徒が登校していますよ!」

これ…全部「自己アピール」なんです。
入学相談をしたとある保護者から
「最初のお話した方から学校のお話を沢山していただいたので、本当に色々知れて良かったです…」という途中でのあいさつの時にこんなコメントをいただきました。

ここで私の「違和感ワーク」が発動するんです。
これ「わざわざ、言うかな?」というアンテナが発動しました。
どこにというと

「沢山していただいた」なんですよ。

納得度が高ければ、”わかりやすい”とか”イメージ出来た”とか”参考になった”のはず。

これはおかしい。
そこで、
「もしお時間大丈夫であれば、最終的な手続きや教育の相談も含めて、お話させていただきますがいかがでしょうか?」ということで、話をとる時間をもう少しだけ延長しました。

そして一番傾注したのは「相手の話を聞くこと」です。


本当に必要なのは「聞く力」

ここで、私は一つ提言というか持論なのですが。

教育に携わる職業についている方こそ、「営業マン」「営業トーク」を学ぶべき

なのです。話が上手いとか、組み立てが整理されるからということではなく、本当に「営業の成績が良い」人の特徴にあるのが、

「話を聞く力」が長けている人

なのです。私が参考にしていたのは、営業本を読んだり、心理学の本を学んだりなのですが、これも参考までに…

これ、結構読みましたね。あとは、自分の話をしている様子を録音したものを聞き直したり…(本当に自分の声が好きではないし、早口なので、いつかは発声練習やボイトレに通おうかと考えている次第です)

ただすべてに共通することは「相手の話を聞くこと」

今回の事例に関しては、私は改めて
「今回、お越しいただきましたが、通信制高校も転校を視野に入れながらということだと思いますが、現状の学校や、お子さんの状態にどのようなお悩みを抱えていらっしゃるんですか?」
と聞きました。

ここから、保護者の方は怒涛の勢いで家庭のこと・学校の担任のこと・子どもの成績のこと…たくさんの話が出てきました。

そしてもう一つ大事なことは「聞く」段階では、自分の意見は差しはさまず、まずは思いの丈を出してもらうことが大事です。
定型文のように聞こえるかもしれませんが、私は

「例えば?」
「なぜですか?」
「どうなりましたか?」
「どうでしたか?」

という質問を多用しています。※もちろん尋問にならないようにですが。

こうして話を聞くと見えてくるものがあるのです。


私の考える最大の商品は…

この事例における深層のニーズは、子どもの学習環境の良さでもなく、進路実績や登校率の良さでもなく、建物のきれいさ…
全部違います。

本当のニーズは”安心感”でした。

行かなくなってしまうかもしれないけど、大丈夫か?
 →今の学校も途中からいけなくなってしまった
保護者から連絡が出来ない時もあるかもしれないし…
 →毎日しっかりと連絡しないとダメと言われた経験があった
夫婦で考え方が違うこともあり、突然夫から連絡がいってしまうしれない
 →ご家庭での方針はどうなっているのですかと聞かれた経験

そこで、私は「あ、今のお話、こうしたやり方で対応できますし、実は…(事例紹介)があるので、ご安心ください。」これだけです。

「明日、息子連れて、もう一度先生とお話させていただけませんか?」
私は、この言葉が出たので、これでOKと確信しましたが、1つ加えました。

明日、ご本人ともメインでお話しますけど、もしよかったら他の職員や在籍している生徒にも少し紹介させてもらうと思いますが、良いですか?

なぜ、私がこれを伝えているかというと、私はどのような商材を取り扱うにしても、最終的にそのものに対する満足度というものはあると思いますが、

本当の最終的な商品は、そこに関わる「ヒト」だと思います。

「ヒト」がそのモノを作り上げていますし、
「ヒト」がその環境を作り上げます。
そして「ヒト」がいることで「安心感」「居場所」を作ることが出来ると信じています。

まだまだ成長途中・過程のものであったとしても、私は校舎の責任者という立場だったときこそ、そのメンバーに

私が伝えているのは、学校の良さではなく、最終的に皆さん一人一人、つまり職員です。そして、そこにいる生徒です。
それがここの最大の売りですので、その意識だけは絶対に忘れないようにしていくださいね。


だからこそ「困りごと」を解決できる”新しい場所づくり”

個人的にこの考えかたは、現段階では曲げるつもりはありません。
だからこそ「困りごと」そして意欲を持った前向きな人たちが集まる”居場所”を作りたい。

学びあって、切磋琢磨しあっている姿を見て、感じない人はいないのでは?
助け合っている人たちがいる環境に、気軽に足を運べれば?
困っていることを解決しあえる仲間がいれば?
やりたいことを後押ししてくれる、手を引いてくれる環境があれば?
自分の自由を認めてくれる環境があれば?

でも、理想論の前段階として、私は以前別のnoteでこんなことを書きました。

・なぜならば、帰ってこれる場所は「なくなってはならない」
・なくさないためには、持続的経営を可能にする必要がある。
・継続的な運営が出来る、そして継続的な運営をしていこうとベクトルを合わせていける仲間が必要

そのためにまずは「困りごとの解決」そして「仲間づくり」が必要だと感じているのです。

今、卒業生から声がかかり始めました。
そしてこうして発信を続けることで、お話聞かせて下さい!という声も少しずつ増えてきました。

まだまだ解像度をあげる作業も必要。
そして想いを馳せる仲間も必要。
まだまだ継続していきます!


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