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「五層からなるコミュニティの重層化」 vol.40

村づくりをエンタメ化させていくことでサイハテ村に嬉しい変化が起こり始めました、それが〝コミュニティの重層化〟です。

今までの村づくりはそこに住む住人たちの手で進められてきたので、言ってみれば住人たちを核とした一層のコミュニティだったのですが、村づくりをエンタメ化させるという魅せる方向性を作ることでサイハテ村の発信を観る人が増え、一層を取り囲む形で村づくりに関わる新しい層が生まれたのです。

サイハテ村は住人からすれば暮らしの場を作る行為ですが、観る人からすれば現在進行形のドキュメンタリーであり、参加型コンテンツになったわけです。

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例えば、サイハテ村の話を聞いて福岡からゲストで訪れた人がいたのですが、彼は脱サラして世界中のカフェを巡る旅をした後だったこともあり、各国で味わったカプチーノやエスプレッソコーヒーの話題で盛り上がりました。

そして、僕が昔オーストラリアで皿洗いからトップバリスタになった話し( 爆笑者続出中??お金も英語力もない僕がいかにして大富豪に雇われ、トップバリスタになったのか??)をしたところ、

彼は、人生が変わるような特別な一杯を出してくれるカフェがサイハテ村にあったら最高だと言って、 自分にエスプレッソマシーンをプレゼントさせてくれ、と言い出したのです。

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ですが、世界のカフェ巡りをして帰国したばかりだった彼は貯金もない。そこで、「サイハテ村にエスプレッソマシーンを贈りたい!」というクラウドファンディングを立ち上げ、35万円相当のエスプレッソマシーンを無償で提供してくれたのです。

これは僕にとって村づくりという概念が拡がった、とても意義深い出来事でした。「村づくりは住人だけがするものではなく、サイハテ村を必要とする人を増えることでコミュニティは発展する」と教えてくれたわけです。

それからと言うもの、彼がサイハテを訪れる度に僕はそのエスプレッソマシーンでカプチ ーノを淹れて一緒に特別な一杯を楽しんでいるですが、

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素敵な話しはそれだけでは終わらずにさらに物語を紡ぐことになります。なんと、そのクラウドファンディングに支援した佐賀の薬局経営者がそれを機にサイハテ村に泊まりに来たのです。

そしてサイハテ村の世界観に圧倒され文字通り〝人生が変わる〟ことになりました。薬局経営者の彼はいわゆる世間一般的な常識や概念の中で育ち、社会人として、そして父親として一生懸命働いてきました。

それが、サイハテ村では会社では見たこともないような風貌の人たちから元気な子供たちが楽しく生き生きと暮らしていたのです。

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ルールもない、リーダーもいない〝お好きにどうぞ〟なんていう世界観を経験したことも考えたこともなかったので、ここが日本なのかどこにいるのか分からなくなったと語るほどのカルチャーショックを受けることになったのです。

彼は佐賀に帰った後も、サイハテ村で受けた衝撃を言語化することができず、度々サイハテ村に訪れるようになりました。最初は自分の知らない新しいものに触れることが楽しみだったようでしたが、エスプレッソマシーンをプレゼントした彼のように、サイハテ村で自分ができることはないかと考え始めたのです。

そして、本好きということもあり、ゲストハウスの本棚に読んで面白かった本や、サイハテ村で読んで欲しいと思う本を訪れては寄贈したり、古い本と新しい本を入れ替えたりし始めたのです。

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おかげでサイハテ村のゲストハウスに行けば、最新の本や話題の本が読めることになったので個人的にゲストハウスの司書官に任命することに。


その後も、毎月とまではいかなくてもふた月に一度はサイハテ村に訪れ、最近では自分がサイハテ村に遊びにいくタイミングで息子の友達を一緒に連れてきたり、一人では行きづらい方の引率役としてサイハテ村に連れてきてくれています。


このような事は地方創生でいう〝関係人口〟(移住した定住人口でも観光に来た交流人口でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のこと)と言えるかもしれませんが、僕のイメージは〝コミュニティの重層化〟です。

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一層目は、コアとなるのはサイハテ村という村作りを通して生み出そうとしている文化や世界観に深く関わる人たち。

それを囲うようにして、自発的に物事を行ったり、内外に向かって働きかける人たちの二層目があって、

三層目が、サイハテ村に積極的に関わりたいと思うけど、自分が起点になることはまだできず、インプットをしながら自分なりのアウトプットを探っている層、

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そして、四層目がゲストやスタッフとしてサイハテ村の世界観を直接味わったことがあり、住人ではないけど緩やかな関係性を構築している人たちで、

さらにその周りにいるのが、まだサイハテ村に行ったことはないけど、メディアやSNSを通して興味を持っている人。

大雑把に分けるとこの五層からなるコミュニティの重層化をどう熟成させるかや、それぞれの層の拡張やマネジメントがコミュニティマネージャーの楽しさなのだと思うのです。

次回は、vol.41「ソーシャルメディアからコミュニティメディアへ」です。フォロー、スキ、シェアしてくれると励みにります!^ ^

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