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「なぜ男はロマンを追い求めるのか」 vol.17

一概には言えないけど、男ってロマンに萌える生き物というか、村づくり然り、大きなコトに挑みたくなる性質を持っています。旧石器時代だって死ぬ危険性を冒してまで巨大なマンモスを狩りに行ったり、領土を拡げるために隣国に攻め入ったり、地球を飛び出して月に行こうとしたり、女性からしたら理解し難いことだと思います。


マンモスじゃなくてもっとリスクのない獲物を獲った方が安全だし、新天地を目指してわざわざ自分から危険に飛び込まず、すでにあるものを大事に向き合って欲しいと思った女性は、きっと星の数ほどいたと思います。


一体なぜ男はロマンを追い求めずにはいられないのでしょうか、対象が無謀でリスクがあるほど「生きている」ってコトを実感できるからなのでしょうか。そもそもロマンとは一体なんなのでしょう、辞書を調べてみると「小説、とくに⻑編小説。感情的、理想的に物事をとらえること。夢や冒険などへの強いあこがれをもつこと。」とあります。つまり、男は太古の昔から理想を追い求め、物語の主人公に強い憧れを抱きやすいのだと思います。


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アメリカの神話学者であるジョゼフ キャンベル氏も、古今東⻄の神話に登場する数々のヒーローの物語を研究していく中で、共通した一連の流れ(ヒーロ ーズ・ジャーニー:英雄の旅)があることを発見しました。簡単に説明すると、主人公は平凡な暮らしの中で、天命を見出します。それは、圧政や愛する人の危機かも知れませんし、内なる声かも知れまん。


主人公はここで第一の試練に立たされます。「自分が進むべき道は本当にこれなのか?」という旅に出ること自体への不安や疑いなど心の葛藤に直面するのです。リスクを取らず現実を受け入れるか、理想のために挑戦を受け入れるかを問われるわけです。


そして、旅に出ることを決意することで、主人公には第二の試練が与えられます。それが行動を起こしたコトによる環境の変化です。本当に新しい世界へ踏み出す覚悟や勇気があるのかを行動によって証明しなければいけません。そうして主人公は日常の世界から、非日常の世界へと旅に出ることになるのです。主人公は新たな世界を旅する中で、メンターや仲間を得ながら試練や敵を打ち破り、成⻑していきます。失敗と成功は次の段階へと進む道しるべとなります。


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そして遂に冒険をするコトになった理由、最大の試練へと辿り着くのです。相手は巨大なドラゴンか、ライバルかも知れません。はたまた自身の内面に潜む弱さなのかも知れません。主人公は命を賭けて最後の試練に挑み、勝利を手にするのです。主人公はここで英雄へと変容します。主人公は、これまでの自分の旅を振り返り、その旅で体験した苦悩や葛藤、失ったもの、勇気や挑戦を思い出します。そして、旅をしたコトで出会えた仲間や、愛する人をとおして、その旅の意味を理解し、悟りへと統合し、故郷へと帰っていくのです。


つまり、太古の昔から少年は、⻑老が話す英雄の話しに自分の姿を重ね、現代の少年たちもまた映画や漫画の影響を受けヒーローに憧れ、いつか大きな事を成し遂げ、自分が生きた意味を見出すことを夢見るのです。


では、女性はどうでしょう?女の子はウルトラマンより、リカちゃん人形やおままごとをして遊んできた方が多いと思います。ロマンに似た言葉にロマンスとありますが、こちらは恋愛の中で使われることが多く、女性の方が強い憧れを持っています。


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例えば、貧しい家庭に生まれ、意地悪なまま母や姉にイジメを受ける日々、そこに白馬に乗った王子様(お金持ちで強くて優しい)が颯爽と現れ、二人は恋に落ちる。貧しい田舎娘は一国の姫として迎え入れられ、不自由のない優雅な暮らしが続きました、的な物語です。


女性はそんなロマンス溢れる世界に憧れるのだと思います。ですが、こうも言えないでしょうか〝女性が英雄を求めるからこそ、男は英雄になるためにロマンを必要とするのだ〟と。この男女の構造こそが社会であり、村づくりではないのかと。


なぜこの話しを先にしたかと言うと、それはサイハテ村の歴史を語る上で欠かせないものだからです。壮絶な男と女の戦い、ロマンとロマンスがせめぎ合う大戦。理想と現実の狭間で僕らが体験した世界とはいかなるものだったのでしょうか。


次回は、vol.18「男のロマンは女の不満」です。フォロー、スキ、シェアしてくれると励みになります!^ ^

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