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ヴァルネラビリティ(弱さ)が経営チームを強くする

良い経営チームを作る秘訣の一つに、メンバー同士がヴァルネラビリティ(Vulnerability/弱さ)を発揮し合うということがあります。

ヴァルネラビリティという言葉は、日本ではまだあまり馴染みのない言葉ですが、アメリカでは近年、組織論やファンづくりという文脈の中で、重要なキーワードとしてよく使われるようになっています。

ヴァルネラビリティとは、直訳すれば「脆弱性」とか「傷つきやすさ」という意味ですが、組織論を語る上では、「心の弱さを人に見せること」「自分の弱さを認められること」といった意味で使われています。

組織の中での地位が高ければ高いほど、人は他人に自分の弱さを見せないようにする傾向が強くなります。なぜなら多くの人は、「強いリーダーでなければ人は付いてこない」「弱さを見せると他者に付け入る隙を与えてしまう」と信じ込んでいるからです。そのため、自分の弱さを悟られないように他人との間に見えない壁を作ってしまいます。その結果、他のメンバーとの“心の繋がり”ができにくくなってしまいます。

本当に強いチームは、メンバー間に“心の繋がり”があります。そして、この“心の繋がり”は、弱さをさらけ出した時に生まれるものなのです。誰しも弱みを持っているが故に、誰かが自分の弱みをさらけ出した時に「彼にもそんな弱い部分があったんだ!オレと一緒じゃないか!」と安心をし、共感をするのです。



「正直、〇〇さんのことが僕は滅茶苦茶怖かったです」

そんな発言は、一見するとリーダーらしくない発言ですよね。

「弱弱しい人間と思われてしまう」とか「威厳を失ってしまう」という心理が働きます。

ですから、とても勇気がいります。

しかし、自分の弱みを自ら認め、そのことを口に出してしまうと、その場には不思議な安心感が生まれます。

「そう思っていたんだね…」

そのことがマイナスには働かないんです。むしろ、「よく本音を言ってくれたね」と肯定的に受け止めてくれることの方が多いものです。そして、その場の空気が安らかなものへと変化します。

人間は誰しもそんなに強い存在ではありません。完ぺきな人間など一人も存在しません。

時には、経営チームのみなさんに、敢えてヴァルネラビリティを発揮する(=自分の弱みをさらけ出してみる)ことをお勧めします。

 
 
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