見出し画像

チーム経営の秘訣は互いの強みに意識をフォーカスすること


経営チームが機能するか否か、その運命の分かれ目は、メンバー同士がお互いの強みを意識するか、弱みを意識するかにあります。

ドラッカーはマネジメントについて次のように定義しています。
 
「マネジメントとは、人にかかわるものである。その機能は人が共同して成果をあげることを可能とし、強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである」(出典「マネジメント」P.F.ドラッカー)
 
この定義からも、ドラッカーの経営論の根底には、経営に関わる人々の幸福が実現されることが極めて重要だ、という哲学があることが読み取れます。
経営チームのメンバー同士が、お互いを尊重し合い、強みを活かし合い、弱みを補完し合うことによって、個々の幸福と、チームとしての成果を同時に最大化できるというわけです。
 
ドラッカーは、さらに次のようにも言っています。
「人が何かを成し遂げるのは、強みによってのみである。弱みはいくら強化しても平凡になることさえ疑わしい。強みに集中し、卓越した成果をあげよ」(出典「マネジメント」P.F.ドラッカー)
 
つまり、経営チームのメンバーが、お互いの強みを伸ばし合うことに意識をフォーカスし続けなければ、生産性の高い経営チームは形成できないというわけです。
 
私は研修やセミナーの場で、しばしばホワイトボードに一ヶ所だけわずかに途切れた円を描いて、「みなさん、この円を見た時に、どこが気になりますか」と問いかけます。
 
すると、95%以上の人は、「その途切れたところが気になります」と答えます。
 
何が言いたいかと言うと、人間はどうしても本能的に“欠けた部分”に目が行ってしまう習性を持っているということです。
 
99%円が完成しているにもかかわらず、1%の途切れた部分に意識が向いてしまうのです。
 
つまり、われわれ人間は、明確に意図を持たない限り、人に対しても欠点や弱みにばかり意識が向いてしまうということです。


 
どんなに優れた人であっても、近くで接すれば接するほど、欠点や弱みが見えてしまうのは当然なことです。欠点や弱みのない経営者など、この世には一人もいません。
 
営業力は抜群だけれど、事務処理能力が驚くほど低い経営者もいます。誰も考え付かないような大きなビジョンを創造できるけれども、緻密な事業計画づくりができない経営者もいます。商品開発力は傑出しているけれども、対人関係が全く苦手という幹部もいます。
 
一度、その弱みに意識が向いてしまうと、そこが気になって仕方がなくなり、それが次第にストレスになり、「あの人はどうしてこんな当たり前のことすらできないのだろう?」とか、「あれで経営者だなんてあり得ない」という思いが膨らんでしまいます。
 
そうなるとお互いをリスペクトし合うという経営チームのベースが損なわれ、それが進むと、お互いが弱みを指摘し合い、罵り合うような最悪のチーム状態に陥ってしまう可能性があります。
 
つまり、経営チームを機能させるためには、お互いの強みに意識を集中するというルールを明確に作っておくしかないのです。
 
 
 
チーム経営でその先へ
チーム経営プロデュースカンパニー | 株式会社エンラボ | 港区 (en-lab.co.jp)