『人は生き方が100%』を読んで

 何回かに分けて
元銀座のママと元小学校教師がPTA会長になって、ブラックPTAの改革に挑んでみた。
を読んだ感想を書いています。今回は感想の3回目です。

 エニアグラムでは、日本の国民性はタイプ6だと言われています。
 ここでは、タイプ6を通して、PTA改革の話の感想を述べます。

 『人は生き方が100%』より

突然ですが、私は人を見る目があります。
それは外見で無く、言葉の端々や普段のさりげない仕草にこそその人の生き方が出ると感じています。
ピンチの時こそ、それまでの生き方がむき出しになります。

 今回はむき出しの生き方の話です。


 著者のBLACKPTAさんは、PTA改革の中で、以下のように娘さんに話しかけます。

朝、私は娘にこれから起こるかも知れない
様々なことを想定して、意を決して話をしました。

「もし学校で何を言われても、ママは何も悪い事も、間違った事もしていない。だから、あなたが謝ることは何も無い。ママは嘘をつかないで生きたいの。」
と。

娘はなぜ私がそんな事を言うのか、不思議そうにしていましたが
黙って抱きしめてくれました
私は、私と娘のために嘘のない、恥じない生き方をしたいと思います。

 今回の回の決意表明を読んで、私は別の記事を思い出していました。

「あったものをなかったものにできない。」からもらった勇気(2017/05/27 キッズドア 渡辺由美子 オフィシャルブログ)

私は今の日本の最大の教育課題「教育長や校長先生が(保身のために)嘘をつく」ことだと思う。
「嘘をついてはいけません。」と教えている人が、目の前で子どもが死んでいるというこれ以上ひどいことはないという状況で、明らかな嘘をつく。
こんな姿をみて、子どもが学校の先生の言うことを信じられるわけがない。
なぜか学校の先生には、都合の悪いことが見えなくなる。周りの生徒が「いじめられていた。」と言っているのに「いじめ」ではなく、「友達とトラブルがあった」とか、「おごりおごられの関係」になったりする。
自分たちの都合のいいように、事実を捻じ曲げる。
大人は嘘をつく。
自分を守るためには、嘘をついてもいい。正直者はバカを見る。
小さなうちから、本音と建前を使い分け、空気を読むことに神経を尖らせなければならない社会を作っているのは、私たち大人だ。

 私は、
 子供と関わっている人が、「日本の最大の教育課題」を「教育長や校長先生が(保身のために)嘘をつく」ことだと言っているのに、驚きました。
 教育の最大の問題は、「学習」や「勉強」では無く、「大人の嘘」だと、この人(渡辺由美子さん)は言っているのです。

 そういった意味で、PTA改革に取り組んだ著者のBLACKPTAさんが「嘘のない、恥じない生き方」を選択したのは、子供の教育においても一番大切な選択だったわけです。

 私は著者のBLACKPTAさんをタイプ6以外の性格タイプだと見ているのですが、

 タイプ6でも、リソ&ハドソンの言うところのレベル1からレベル3までの健全なタイプ6なら、「嘘のない、恥じない生き方」をしています。
 以下はレベル3の記述です。

健全なタイプ6はまた、自分が創業したり入社した企業に平等主義精神や共同体福祉の強力な理念を持ち込んで、その発展を助ける。(略)地方の政治問題に関与することも多く、学校理事会とか、自分たちの町や集合住宅ビルの改善のための委員会に加わったりする。
(略)
自分を守り落ち着きを保たせてもらえるように、自分ができることをしたいと思う。
健全なタイプ6は、自分のまわりで何か不適切なことが起きていることを感じ取ったり、自分が関与している組織の中で他者が力を悪用していることを察知したりすれば、怖れずに疑問を提起する。

 これがレベルが下がると、
 自分の安心・安全・安定だけを求め、他者の安心・安全・安定をないがしろにし、自分だけの保身に走り、嘘をつく人になるのです。


BLACKPTAさんはこうも書いています。

私は、嘘をつき、周囲に合わせ、影で悪口をいう事が
子どものためとは思いません。

それは、大人自身が集団に属して安心したいだけです。
自分が散々影口を言いながら
なぜ子どもに「影口はいけない」と言えるのでしょうか?


 「嘘のない、恥じない生き方」
 これができるか、ですね。

※ 他の感想は、ハッシュタグ「#ブラックPTA感想」
にまとめています。

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