「飲む中絶薬」審議見送りから思ったこと

『「飲む中絶薬」審議を見送り 厚労省「パブコメの分析、間に合わず」』

 人工妊娠中絶のための飲み薬について、厚生労働省は24日に予定していた審議を見送ると発表した。募集したパブリックコメントが約1万2千件集まり、「分析や対応の整理に予想以上に時間を要している」と説明している。当日に審議内容を取り下げるのは異例。次の審議予定は明らかにしていない。


はてコメ

なんで「薬の管理方法」についてパブコメを参考に?そういうのは専門家の提言を聞くべきじゃないのか

はてな のコメントより

記事を読むと専門家の提言を聞いているのですよね。

この薬をめぐっては、1月に別の専門家部会で審議し、「承認して差し支えない」との結論を得た。

「飲む中絶薬」審議を見送り 厚労省「パブコメの分析、間に合わず」の記事より

専門家は「承認して差し支えない」と結論を出しています。
なのに、

ただ、厚労省は「社会的な関心が極めて高い」として、薬の管理方法などについてパブリックコメントをとり、分科会で最終的な結論を出すことにした。

「飲む中絶薬」審議を見送り 厚労省「パブコメの分析、間に合わず」の記事より

それで、

募集したパブリックコメントが約1万2千件集まり、「分析や対応の整理に予想以上に時間を要している」

「飲む中絶薬」審議を見送り 厚労省「パブコメの分析、間に合わず」の記事より

で「飲む中絶薬」の審議を見送り。

当日に審議内容を取り下げるのは異例。

「飲む中絶薬」審議を見送り 厚労省「パブコメの分析、間に合わず」の記事より

次の審議予定は明らかにしていない。

「飲む中絶薬」審議を見送り 厚労省「パブコメの分析、間に合わず」の記事より

再び はてコメ

アフターピル https://bit.ly/3Ze6OvE を市販薬化せず、72時間のあとをカバーしうる薬も承認せず。一貫してますな。

これを読んで思ったのだけど、

これって、エニアグラム・タイプ6の国、日本の
「無限責任と無責任」問題じゃないんでしょうかね?

自分のほうでは無限に権力を持っていたい。でも責任は取りたくない。

リソ&ハドソンの記述にある

(略)(通常)では、より健全な<段階>にいるタイプ6に見られる自己への信頼は消え始めており、(略)通常のタイプ6は、自分自身で決定を下さずに、文書資料、権威のある印刷物、規則・法令 ─── 何らかの「聖典」─── などに前例か答えを求めるようになる(指導者として働く通常のタイプ6は、特にそうすることが多いようで、自分で決めることはせずに、委員会などをつくり、総意によて運営するようになりがちである)。

それで、これの悪い意味での発展形として、
総意という形にして、自分の当事者性や責任を曖昧にしておきながら、でも自分の目的は達成させようとしているわけです。

つまり答えはすでに決まっている。でもその答えに関する責任は取りたくない。それで、いろいろ工作をする。

今回の場合は、
「飲む中絶薬」を承認しないという答えがすでに決まっていた。
そこは一貫したものが政府の中にあった。

でも、それに対する責任は負いたくない。

それで、学者を前面に出して、自分たちの責任を隠したかった。

なのに、

1月に別の専門家部会で審議し、「承認して差し支えない」との結論を得た。

「飲む中絶薬」審議を見送り 厚労省「パブコメの分析、間に合わず」の記事より

得てしまった。
!?
困った。

それで、

厚労省は「社会的な関心が極めて高い」として、薬の管理方法などについてパブリックコメントをとり、分科会で最終的な結論を出すことにした。

「飲む中絶薬」審議を見送り 厚労省「パブコメの分析、間に合わず」の記事より


ここで少し違う話を入れます。
昨年末の記事で
NHK、受信規約変更を認可申請。来年4月から未納者への2倍割増金運用へ|Impress Watch

というのがありました。

受信規約の一部変更に対し、今年10月12日から11月10日まで受け付けていた、視聴者・国民からの意見募集結果も公表された。
意見総数は155件で、うち放送事業者等団体が5件、個人は150件。

ほとんど誰もしらない形で意見募集を行い、その中に自分たちの意見を混ぜて、それを理由にして結論に導く。

こんな形で、広く知られない中で、不意打ちでパブリックコメントを募り(だからでしょう、「未納者への2倍割増金運用」の問題なのに一般の意見が150件しかないです。広く関心があるような問題なのに、「飲む中絶薬」の約1万2千件に比べても少ない)、
世間に向けた形としては、パブリックコメントを募集した形にしてとして、元からあった答えに導きたかったのではないでしょうか?

話しを今回の「飲む中絶薬」に戻せば、
ところが蓋をあければ

募集したパブリックコメントが約1万2千件集まり

「飲む中絶薬」審議を見送り 厚労省「パブコメの分析、間に合わず」の記事より

となってしまった。
たぶん、その大半が賛成だったのでしょう。
これで、「飲む中絶薬」中止計画のシナリオが狂ってしまった。
でも認めたくはない。答えは決まっている。

となって、

「分析や対応の整理に予想以上に時間を要している」

「飲む中絶薬」審議を見送り 厚労省「パブコメの分析、間に合わず」の記事より

ことを理由にして「飲む中絶薬」の審議を見送りにした。
ちなみに

次の審議予定は明らかにしていない。

「飲む中絶薬」審議を見送り 厚労省「パブコメの分析、間に合わず」の記事より

次のパブリックコメント募集は、不意打ちを狙って、いつの間にかの強行突破でしょうか?
今の「分析や対応の整理」とやらは、きちんと行われるのでしょうか?


こういうことは日本において いくつもされてきています。

例えば
「高輪ゲートウェイ」駅問題。

6万4000件を超える応募があって、第1位は「高輪」、第2位は「芝浦」、第3位は「芝浜」という結果だったのに、
130位の「高輪ゲートウェイ」に決まったという話がありました。

他にも
東京オリンピックのエンブレム問題

佐野研二郎氏がデザインした2020年東京オリンピックのエンブレムが白紙撤回された問題に関して、2014年9月の公募発表前に佐野氏など8人のデザイナーに個別に参加を求める招待状を送っていたことが明らかに(略)NHKニュースなどが報じた。
(中略)
日刊スポーツによると、公募の発表は2014年9月12日だったが、8人には3日前の9月9日に、招待状が発送されたという。
(中略)
最終選考に残った佐野氏を含む上位3人は、事前の要請を受けたデザイナーだった。
(以下略)

https://www.huffingtonpost.jp/2015/09/28/sano-kenjiro-problem_n_8211498.html

「飲む中絶薬」の審議問題も、
これらに似た問題な可能性があります。

この文章を書き終えてから見つけたツイート2つ

今の政府は、やりたくないことは「慎重に」ことを進めます。つまり、そういうことです。

別の言い方をすれば、これはとてもパッシブアグレッシブな態度だとも言えます。


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