日本はヒアリ(火蟻)を止められるのか? 日本は『混沌』に対応できるのか?

 2017年5月、ヒアリ(火蟻、fire ant)の女王アリがとうとう神戸港で見つかりました。7月に入って、横浜港、博多港、というように、7月16日までに6都府県で発見されているそうです。

 国内繁殖の可能性が出てきました。

 アリ(蟻)というのは、スズメバチの一派から進化した生き物だそうで、世界を見れば毒針を持っている種類もたくさんいて、ヒアリもその中のひとつだそうです。

 ヒアリの大きさは、2.5~6ミリほど、女王アリは、一日、2000~3000個の卵を産み、アメリカでは、年間に約8万人が刺されています。

 ヒアリの問題は、『殺人アリ「ヒアリ」国内初の確認の報道・その「ヤバさ」について(負けオオカミは遠吠えない)』に詳しく書かれていました。

 「オーストラリア」は「ヒアリ」の防除費用として7年間で2,000億円投じ根絶に成功、「台湾」は年間最高で14億円以上を投じた年もあったものの、いまだに根絶には至っていないそうです。


 ところで、

 日本人は変化ににぶいです。

 日本人はエニアグラムでは、タイプ6の国民性だと言われています。
 タイプ6は怖がりです。
 そしてタイプ6は混沌に弱いです。混沌から逃げます。混沌に真正面から対応できません
 タイプ6は混沌が苦手です。混沌を怖れます。混沌とは恐怖です。
 また、タイプ6は変化することを混沌ととらえて、変化を嫌います。変わることが苦手です。

 それでどういうことになるかと言えば、混沌を過小評価して、変化を先延ばしにします。
 当人は本気で「大したこと無い」と思っているところが厄介です。

 エニアグラムのタイプ6国家日本は、混沌に対応できない国家です。混沌を怖がり、変化することを怖がり、結果として何かあったときに対応ができない国家および国民です。

 今回、ヒアリの問題も、この混沌に対処できない可能性を私は危惧しています。安倍首相もタイプ6なので、今の日本は、官僚から、首相から、国民から、みんなタイプ6となり、この問題を軽く見る可能性を危惧しています。


 今から少し、タイプ6日本人の苦手な恐怖(混沌)の話をします。

 セアカゴケグモという外来種の毒蜘蛛も、まともな対応ができず、日本全国へ広がっていきました。
 ウィキペディアを見ると、

1995年11月に日本で最初に大阪府高石市で発見された。以降日本各地へ分布域を広げた。
2015年9月時点で41都道府県で確認されており、一部では定着も確認されている。

という状況です。20年で北海道から沖縄まで広がりました。

 次は、エキノコックスです。
 エキノコックスはご存知でしょうか?
 これは、寄生虫の名前であり、病名でもエキノコックス症と言われています。
 北海道では有名で、
 キツネ・イヌ・ネコ・タヌキなどの糞の中に、寄生虫の卵があって、これを人が取り込むと、主に肝臓で増え続け、深刻な肝機能障害を引き起こします。
 北海道では、キタキツネに近づいてはいけません。エキノコックスに感染するかも知れないからです。
 また、北海道では、野山の果実をそのまま食べることはできません。同様に、沢の水も飲んではいけません。
 5年に一度は血清検査(一次検診)する必要があります。

 昔は、北海道にはエキノコックスはいませんでした。

 このエキノコックスは、1936年(昭和11年)に礼文島で見つかるまでは北海道には、いない寄生虫でした。
 きっかけは、1924年(大正13年)から野ねずみ駆除と毛皮のために、12匹のベニギツネを入れたことでした。

 今は、別ルートからの侵入もあって、北海道全域が汚染されています。
 北海道では、1965年(昭和40年)から対策をとったそうですが、防げませんでした。
 対策を取るまでに、ほぼ30年。

 「対策を取るのが遅い!!!」

というかも知れませんが、そこは、タイプ6日本人、「変化」や「初めてのもの」、「混沌」や「未知」には対応ができません。これは今までにもさんざん書いてきていますよね。悲しいですが、それがタイプ6日本です。

 1994年(平成6年)には、旭山動物園において、ローランドゴリラ、ワオキツネザルが相次いで感染・死亡した上に、人間への感染不安が高まり、同動物園は8月27日に営業休止に追い込まれたそうです。

 これは過去の話ではありません。

 2017年も、5月、札幌市円山動物園でテナガザル(雌、40歳以上)が死んだときに、エキノコックスの疑いが出ています。同園では、過去にオナガザル科のダイアナモンキーやリスザルなど6例でエキノコックス感染があり、うち4例は死亡したそうです。
毎日新聞

 そして、この寄生虫エキノコックスは、北海道だけの問題でもなくなってきました。
 エキノコックスは本州にもやってきています。

 2005年(平成17年)9月、埼玉県が県内の野犬からエキノコックスが見つかりました。
 2014年(平成26年)4月には、愛知県半田で、山中で捕獲された野犬からエキノコックスが見つかりました。

 ここで、野犬と出ていますが、
第6回 ツシマヤマネコとの共存はリアルな「はてしない物語」(ナショナルジオグラフィック)』によると、

21世紀のこの時代に野犬? という感じ方はたぶん都市部のみで通用する。羽山さんによれば、日本各地の農村部、山間部では、今、むしろ野犬が増えており、「このままだと、日本中野犬だらけになりますよ」というレベルだそうだ。

「猟師さんたちが高齢化していて、食害をおこすシカもイノシシも、駆除に猟犬を使うようになっているんです。だけど、その犬がなかなか全部回収できないで、山に残っています。

ということで、今の日本の野山には、野犬という混沌とエキノコックスという混沌が存在しているようです。

 そして、愛知では、前回の捕獲から4年たって、とうとう定着し始めました。

 2018年(平成30年)3月に、愛知県で、山中で捕獲された野犬3例からエキノコックスが見つかり、愛知県は「注意喚起」する事態となってしまいました。

県民の皆様へ
 知多半島地域(半田市、常滑市、東海市、知多市、阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町)において、生息する野犬キツネ野生動物に接触したことがある方、野ネズミを捕食したことがある犬の飼い主などは、人へのエキノコックスの感染のおそれがありますので、かかりつけの医療機関等に御相談ください。
http://www.pref.aichi.jp/soshiki/kenkotaisaku/0000071035.html

 知多半島地域は、キツネもいます。キツネも野犬もいて、今後の対応は、

今後の対応
 捕獲された野犬の糞便を用い、エキノコックスの感染状況を調査するとともに、野ネズミを捕食した等により感染リスクのおそれがある犬の飼い主に対して、市町村及び関係機関と連携し、医療機関や動物病院への受診の勧奨、周知に努めてまいります。
※ 引用元は同じ

だそうです。これでエキノコックスを止められるのでしょうか?
汚染地域が広がることを止められるのでしょうか?

愛知県で報告された「エキノコックス症」とは(石田雅彦) - 個人 - Yahoo!ニュース』によると、問題は他にもあって、
北海道から本州(もしくは四国や九州)に移動した犬の中に、毎年4頭ほど、エキノコックスに感染した犬が混ざっている可能性があるそうです。


 本州では、今世紀に入り、汚染が広がり始めています。このまま放っておけば、本州も北海道のようになります。本州も北海道のように、あと数年から数十年たってからエキノコックスの対策を始めるのでしょうか?また、おなじことを繰り返すのでしょうか?
 エキノコックスは数は少ないですが、ネコにも感染します。
 そのうち、野外でネコを見ても、なでないように言われ出すかも知れません。
 あなたも、5年ごとにエキノコックス検査をする必要が出てくるでしょう。
 野外で果物をそのまま食べられないとか、沢の水を飲めないとか、嫌じゃありませんか?
 外で地面に座ったら、エキノコックスの卵がズボンに付くかも知れません。そんな心配したいですか?

 これは、九州や四国だって同じことです。タイプ6日本社会が、「危険な状態が予想されるときに、対応できるのか」という問題です。

 話は少しそれますが、 
 日本は、311のときには、津波の想定を無視して大惨事になりました。では、今はどうかといえば、アメリカなどは911をきっかに、原発の安全規制を厳しくしています。でも、日本は、北朝鮮の危険がありながら、原発の安全に無関心です。水をかけると爆発するナトリウムを使っている「もんじゅ」に着弾したら、どう対応するつもりなのでしょうか?というか、事前にやれることをやっているのでしょうか?

 これらは、
 怖いものを見ないようにして、怖いものを避けて、怖いものを無かったものにして、怖いものを過小評価して、
 結局、怖い状況になるという、

 タイプ6のいつものパターンです。

 国も行政も国民も、こういった怖いものから目を背けるんですよね。

 国民性として無視する傾向があるし、当人自身が(国民性ではなく)本物のタイプ6の場合、こういった怖い話を聞くと、顔がゆがんだり、暗くなったり、顔色が悪くなったり、他のタイプがそばにいると、その顔色の明暗がくっきり分かったりします。とにかく、怖い話を避けるんですよね。

 私は、ヒアリとエキノコックス(とセアカゴケグモ)が気になっています。
 そして、これらはタイプ6国家日本がどれだけ、「変化」や「初めてのもの」、「混沌」や「未知」に対応できるかの指標になると見ています。

 例えばですよ。こういった、寄生虫の卵だとか、数ミリのアリだとかクモだとか、カバンに入れて、日本の野山や街に放つ「スロー・テロ(ゆっくりテロ)」が横行されたときに、この分かりにくさに、日本が対応できるかという問題にもなるのですよ。想定しているんですかね。対応できるんですかね。

参考
・『日本の問題が解決しない理由
・『タイプ6社会で、未知の要素が多ければ理解が得られないのは当たり前

・『<ヒアリ>大阪に女王アリの死骸か、国内繁殖の可能性(毎日新聞)』
・『高田守先生の生き物語り ヒアリ上陸の恐怖(毎日新聞)』
・『ヒアリ 専門家「どの港で発見されても、おかしくない」(毎日新聞)』
・『ヒアリへの応用期待 外来アリの根絶評価手法を開発(朝日新聞)』
・『エキノコックス(ウィキペディア)』

2017/07/18
文書を一部訂正
× アメリカでは、年間に約8万人が刺され、100人程度が死亡しています。

○ アメリカでは、年間に約8万人が刺されています。
本日のニュース『ヒアリ死亡例確認できず 環境省HP削除』を受けて訂正。


ついでに、追記です。

 旭山動物園が営業休止した話は、園内全域・・・、それこそベンチの上も汚染されている可能性が出てきたから「人間への感染不安が高まり」「営業休止に追い込まれた」のでしょうね。
 ネズミが糞を体につけて走りまわっていたのでしょうか?その可能性があったとか?
 私のよく行くところで、とてもきれいで整備された、住人がよく行き来する歩道があって、そこを、夜中にネズミが走っているのを見て、ネズミがいたことに驚いたことがあります。
 そこには、ベンチもあるのですが、以来、ベンチに座る気が起きません。
 エキノコックスが蔓延すれば、「ベンチに座って、家に帰ったら、エキノコックスの卵も一緒にくっついてきた」なんてことになるのかも知れませんね。
 野山や河川にいるタヌキの糞とか調査しているのかな?予算はついているのでしょうかね。

2017/08/06追記
『日本で一番始めに火蟻に刺された人の話』

ヒアリ被害の男性「治療を受けられるまで5時間近くかかった」(2017/08/02 伊吹早織 BuzzFeed Japan)』より

男性がヒアリに刺されたのは7月27日。3年前から派遣社員として月に1、2回ほどコンテナの荷下ろし作業に携わっており、この日もたまたま馴染みの会社に声をかけられた。
「刺された瞬間、ジガアッ、ジガアッ、ジガアッってガスガンで打たれたような痛みが走って、危うく荷物を落としそうになりました。クラゲに刺されたときみたいに連続して痛みがあったんですが、想像していたような我慢できないほどの激痛というわけではなかったです
「それで腕を見てみたら、手首からひじにかけて小さいアリが10匹くらいいて。すぐに振り払ったんですけど、黒いアリじゃなくて赤茶っぽい色をしていたので、『これヒアリだったらどうしようね』という話になり。すぐに派遣先の人に報告しました」
「自分が大丈夫ですって言っていたのもあると思うんですけど、ヒアリだと確認されてはじめて『じゃあ病院行く?』となって。
専門家の方に『一番危ないアナフィラキシー症状(重度のアレルギー反応)が出るのは刺されてから30分~1時間程度だから、現時点で大丈夫だったら心配ないと思う』とは言われたんですが、ヒアリが『殺人アリ』と呼ばれているのを見ていたので、やばい、死ぬかもしれないと思って。その時はものすごく怖くなりましたね」
専門家には皮膚科の受診を勧められたが、近場の病院2件はあいにく休み。慌てて近くの内科に駆け込んだが、「専門的な知識がないので適切な治療ができない」と断られた。結局、保健所などに紹介された病院で、抗アレルギー物質の点滴などの治療を受けられたのは、刺されてから5時間近く経ってからだった。
男性によると痛みは一晩で引いたが、傷口から膿が出て直径5mm前後の水ぶくれのようになり、かゆみに悩まされている(2日現在)。医者からは「2回刺されたら本当に危ないから」と注意され、刺された派遣先には当分戻れないという。

 ウィキペディアでは、ハチの項目において、

ハチ刺症は2回目以降ではアナフィラキシーショックを起こすことがあり生命に危険がある。万一、刺された場合は、毒の種類に関わらず流水で毒液を絞り出すようにして洗い流す。

と書いています。

 この作業員の方、今後、コンテナ作業をする場合は、アナフィラキシーショックの危険と隣り合わせとなるわけです。
 医者には、「2回刺されたら本当に危ないから」と注意されたそうなので、「刺された派遣先には当分戻れない」ということで、命をとるか仕事をとるかで、命をとったみたいですね。

環境省によると、ヒアリの毒への反応は人によって大きく異なるため、刺された直後は急激に体を動かさず安静にし、体調の変化がないかよく注意する必要があるという。刺されて数分から数十分の間に息苦しさ、激しい動悸やめまいを感じることがあれば、アナフィラキシー症状である可能性が高く、処置が遅れると生命の危険もあるため、とにかく一番近くにある病院を受診するよう勧めている。

 このニュースを読んで思うのは、ヒアリのニュースがあれほど流れているのに、一般のコンテナ作業者や業者は、ヒアリの対応を考えていないということ。ヒアリの専門家への連絡は素早かったようですが、病院を探すのに時間がかかったところを見ると、刺されるとまでは思っていなかったようです。

 港湾の作業現場にかけつける救急車などは、現在、ヒアリ被害者の搬送先を確保しているのでしょうか?

 やっぱりタイプ6日本であるから、思考停止なのですかね。まさかね。

 空港などでは、外来種の持ち込み検査があるでしょうに、コンテナは検査が無いのですかね。罰則などは、どうなっているのでしょうか?



 ヒアリ(火蟻)とは別の話題をします。かじりアリ の話題です。
 「ブラウジングアント(Browsing ant)=かじりアリ」が名古屋港で見つかったそうです。定着して2~4年の状態だそうです。
 このアリは、別名「アリクイアリ」だそうで、生きている他の昆虫(アリを含む)をつかまえてしまうそうです。
 オーストラリアでは、ヒアリなどと並び、侵略を懸念すべき7大アリに指定されていて、日本名は8月4日「ハヤトゲフシアリ」と命名されたそうです。
 映像が『「侵略的外来アリ」国内初確認 スクープ撮!(FNN)』で見れますが、足が長くて、動きがとても速いのが特徴で「早送り蟻」「倍速蟻」と命名したいくらいです。

 もしも、「ハヤトゲフシアリ」の「ハヤ」が「(動きが)速い」の「速」であれば、「ハヤアリ(速蟻)」と縮めて言うこともできて、「ヒアリ」「ハヤアリ」で会話がしやすそうです。


 「クビアカツヤカミキリ」も見つかっています。
 中国やベトナムなどが原産のカミキリムシで、体長は、3センチから4センチになるそうです。
 国内では5年前に愛知県で初めて確認され、日本のカミキリムシに比べてメスが産む卵の数が5倍から10倍も多く、1匹のメスが1000を超える卵を産むこともあるということです。

これまでに東京、群馬、栃木、埼玉、愛知、大阪、徳島の合わせて7都府県に生息域が拡大していることがわかりました。被害の出た桜や農園の桃の木を次々に切り倒すなどの対策が取られていますが、いずれの地域でも根絶できていないということです。
このうち栃木県では、先月下旬、佐野市と足利市にある19の桃農園の桃の木、113本が食い荒らされ、県が農家に対しカミキリムシを見つけたらすぐに連絡するよう注意を呼びかけています。
また埼玉県草加市では、住民が春には花見を楽しむ用水路の桜並木が枯れたり、長年地域で親しまれていた桜の古木が被害に遭い、伐採されたりしています。徳島県では、去年から桃農家の桃の木に被害が出始め、ことしも県が調査した50の農園のうち少なくとも35の農園の桃やスモモで被害が確認され、被害の拡大が食い止められていないということです。

大型のカミキリムシが日本侵入し被害拡大(NHK)』より

2017/10/03追記
世界遺産・小笠原の土壌動物壊滅−意外な生物が原因だったことを解明−(2017/10/02 日本の研究.com)

 小笠原では、土壌分解に貢献する生物である、ワラジムシ類やヨコエビ類が外来生物であるヒモムシに食べられて食べられて、絶滅の危機にあることが分かったそうです。
 土壌生物が減っているのは分かっていたのですが、その原因が分かるまでに30年を必要としました。

今のところ、この陸生ヒモムシを排除したり、影響を緩和したりするための手段はありません。そのため(略)母島の土壌生態系は遠からず壊滅するものと予想されます。

 ただ、何もしなかったわけではないそうです。

小笠原では、行政による外来生物の駆除事業が大規模に進められてきました。外来生物への対策や影響評価の研究が、恐らく日本で最も盛んに行われてきたのも小笠原です。
にもかかわらず、生態系にこれほど大きなダメージを及ぼした外来生物が、30 年もの間見過ごされてきたという事実を、私たちは深刻に捉える必要があります。私たちは生態系のことも外来生物のことも、ほんの一部しか理解できていないのです。生態系に侵入した外来生物の中には、常に未知の脅威が潜んでいる可能性があります。(以下略)

 タイプ6の癖である「甘くみること」「軽くみること」は止めましょう。
 さらには、これもタイプ6の癖である「あまりにも混沌が大きいと見ないようにすること」も止めましょう。
 これは、生態系に侵入した外来生物だけの話ではありません。どうか勇気を持って、恐がり続けましょう。

2018/04/07
本文を一部書き換えました。

いくつか追記項目があります。

1つ目、また外来種のニュースです。
外来カマキリ、中国産竹ぼうきから侵入? 在来種駆逐か(2018/3/31 小堀龍之 朝日新聞)』より

外来種の「ムネアカハラビロカマキリ」というカマキリが国内で急速に広がっている。在来種のカマキリを駆逐するおそれが心配されるが、研究者が調べたところ、中国産の竹ぼうきについた卵が海を越え侵入してきた可能性が高いとわかった。
侵入した地域で在来種がほぼ見られなくなったケースが、愛知県豊田市や神奈川県秦野市などの複数の地区で確認されている。

 中国の竹ぼうきからは、タケオオツクツクというセミも侵入しているそうです。

2つ目、日本のヒアリ対策の話がネットで出ていました。

日本はヒアリとこう戦う! 目から鱗の防除方法
坂本佳子国立環境研究所生物・生態系環境研究センター研究員に聞く
(2018/02/09 編集Y 日経ビジネスオンライン)
』より

坂本:(略)まずヒアリが北米で分布を拡大した後、中国や台湾などの環太平洋地域に侵入が相次いでいたことから、いつか日本にも来るだろう、と環境研では考えていました。輸入量の多い貿易相手国の港湾にヒアリが定着していると分かってはいたので、輸送用コンテナなどに入り込んで侵入する可能性がもっとも高い、と指摘していました。
坂本:環境研と共同研究している森林総合研究所では、港湾統計データを利用して、外来アリが侵入しやすい港湾を予測していますね。
(略)
もちろん取扱高が大きな国際港から入ってくると想像するのはたやすいとは思いますが、それを「感覚的」ではなく、ヒアリ分布地からの輸入量を港湾統計から抽出・集計して「推定」しているわけです。
坂本:(略)中国当局にコンテナの中にベイト剤(殺虫剤の入った餌)を入れてもらう交渉を現在環境省が進めています。もしヒアリがコンテナに入ってしまっても、そのベイト剤を摂取してしまえば、日本に着くころにはコロニーが弱体化している、ということです。そういった対応策を今取ろうとしています。

 アルゼンチンアリの根絶には、地域的には成功しているそうです。

坂本:残存確率は限りなくゼロに近似していきますが、ゼロになることは永遠にありません。(略)ちなみに、我々の論文では、1%の残存確率を根絶判断の基準として根絶宣言をしました。


3つ目、沖縄はヒアリゼロ宣言をしているそうです。

沖縄県は全国に先駆けて「ヒアリゼロ」宣言を発表した。
全国で羽アリを捕らえられる網羅的な観測網が実現しているのは沖縄だけ。

ヒアリゼロ宣言の沖縄 その背景に「全国最強」の監視網 「侵入へ先手打てる」(2017/07/28 沖縄タイムス+プラス)』より

2018/04/29追記
日本に来ている外来生物を追記します。

日本名「ミステリークレイフィッシュ」も国内で見つかっています。
英語では「マーブルクレイフィッシュ(大理石模様のザリガニ)」と呼ばれるこのザリガニは、メスだけで増えていくザリガニで
日本で「ミステリークレイフィッシュ」の名前が付いたのは、メスだけで増えることに気が付いた愛好家が「ミステリーなザリガニがいます!」と言ったことに端を発しているそうです。
2006年に札幌市、2016年に松山市で採集報告があるそうです。

マダラコウラナメクジは、ヒョウのようなまだら模様が特徴で体長は最大約15センチに達するナメクジです。
日本では2006年に初めて茨城県で生息が確認され、2018年現在は、関東や東北など1道7県で生息が確認されています。


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