シャンシャン国会

前回の話で、「シャンシャン総会」「シャンシャン公募」と来たので、
今回の話は、「シャンシャン国会」です。

※今回の話のシャンシャンは、パンダの香香(シャンシャン)とも、鳥取しゃんしゃん傘踊りとも、音楽集団・上々颱風(シャンシャンタイフーン)とも無関係で、シャンシャン総会のシャンシャンからの連想で話が進んでいます。

シャンシャン国会で、水道法が改正さえたようです。
議論の元になるデータに問題があるのは、他にも、働き方改革法案、移民法案、などあって、
いい加減な国会運営が続いていますが、
政府と官僚にとっては、形式的に“やった”という形をとってのシャンシャン国会が望ましいわけです。

これは、レベルが落ちて、リソ&ハドソンの言うところの「極端に党派的」となっているタイプ6日本であれば、なおのこと、異なる意見など聞きたくは無く、議論などしたくは無いわけです。

総会に見せかけただけの「シャンシャン総会」があるように、
公募に見せかけただけの「シャンシャン公募」があるように、
国会に見せかけただけの「シャンシャン国会」が日本では行なわれています。

「やってます」な感じですね。
サッカーに「アリバイディフェンス」という言葉がありますが、
「アリバイ○○」をやっているんですよ。



水道法改正に関して、

https://twitter.com/buu34/status/1069826038744571904

の一連のツイートには、なんだか大変なことが書かれているようです。

内閣府へヴェオリア社から出向している伊藤万葉さんは、2018年6月12日に行われた参議院の内閣委員会、法案はPPP推進法案、PPP強化法案ですが、その時に大臣の後ろで補佐をしていた
「政策立案に関与していたってことでよろしいですね」

ヴェオリア社には水道部門が存在します。

※用語解説
ヴェオリア・ウォーター(英語: Veolia Water)は、フランスの多国籍総合環境サービス会社ヴェオリア・エンバイロメントの水処理事業部門会社。
『ウォーター・バロン(水男爵)』と呼ばれる「スエズ」「テムズ・ウォーター」と並ぶ世界三大水処理企業の一つである。水道民営化路線を敷いた国で受注し、急成長してきた。
(ウィキペディアより)

PPPとは、
公民が連携して公共サービスの提供を行うスキームをPPP(パブリック・プライベート・ パートナーシップ:公民連携)と呼ぶ。
(PFIとは|日本PFI・PPP協会 より)

ここで言いたいことは、
「水道民営化をすすめる法案の政策立案に、そこで利益を受ける水道会社の社員が関わっていた」
という話です。なんだか陰謀論みたいな話です。

これは凄まじい利益相反で、利害関係者が、、つまり彼女はヴェオリア社のPPP推進担当なんですよ、その人間が、PPP/PFI強化法案に、まさに国会で大臣の後ろで補佐してる、こんなのおかしいですよ、企業の利害のために役所は働いてるんですか?国会は企業の利害のためにやってるんですか、全くおかしい。立法理由が、歪み切っている

これは、
第197回国会(臨時会・12月10日まで)
の厚生労働委員会における福島みずほ議員の発言の書き起こしのようです。
以下、ツイートが続きます。

水道事業の海外視察について(略)
パリ市が2010年、問題が起きてコンセッションで再公営化したかヴェオリア社、スエズから訴えられた、それから再公営化した後、水道料金が下がった、

※用語解説
コンセッション方式(Concession)とは、ある特定の地理的範囲や事業範囲において、 事業者が免許や契約によって独占的な営業権を与えられたうえで行われる事業の方式を指す。
(ウィキペディアより)

この発言の意味がよく分からなくて調べたのですが、
https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotojunji/20181002-00099032/
によると、

パリ市では1985年以降、水メジャー2社(ヴェオリア社、スエズ社)とコンセッション契約などを結び、事業運営を任せたが、契約期間の25年間、経営は不透明で、水道代の値上げもたびたび行なわれ、2008年までに水道代は174%も上がった。また営業利益も過少申告されていた(7%と報告しながら、実際には15~20%もあった)。
その結果、2010年、水道事業の委託先はオードパリ社(100%公営で市による管理。株主はなし。独自の予算を持った半独立の法人)に切り替えられたそうです。

どうやらそれで、「それから再公営化した後、水道料金が下がった」という話になるようです。

なぜベルリンに行かない?
(略)
ベルリンは、2014年再公営化、1660億も払って、まさにこれはヴェオリアに払って、ようやく再公営化です、重要じゃないですか。ベルリンの事例、とても大きいですよ、なんで行かない、

これは企業から運営権を買い戻すために13億ユーロ(約1690億円)かかったという話です。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56865 より


TPP条約に基づいてISD条項、今の時点で入ってなくても、確認したいんです。TPP条約に基づいて、ISD条項で訴えられるって事はないってことでよろしいですね?

※用語解説
ISD条項
自国の利益のために行った政策や制度、法律に対して、
不利益を被った場合は、
投資家や企業が相手国を訴えることができるというもの。

例えば、
NAFTAをアメリカとの間で締結しているカナダでは、
健康被害のある恐れのある物質を輸入禁止にしたところ、
「国際的に確定されていない学説に基づいている」と訴えられて、
法律は廃棄され、10億円の罰金を支払うことになった。

ここから先、私の記憶で書けば、「ISD条項で訴えられると、企業が損失を被ったか否か、だけが判断材料となり、判断は一回限りで、間違えが見つかっても訂正されることはない」となります。企業に圧倒的に有利なものとなっています。

と言うことは、ISDS条項で訴えられるってこともあるって事でよろしいですか?
(略)
日本の裁判所で裁かれるのではなく、今後、ISDS条項で、たとえば国の政策が変わって再公営化をとる、TPPの法律が変わる、自治体がこれを止める、と言う時に、起こされる可能性がある、と言う理解でよろしいですか?
(略)
凄い答弁なんですよ、だったら外資系、投資したところは、ISDS条項で訴えますよ、訴えますよ、だって投資してるんだから。今、参事官は、これは当事者がお決めになることだとおっしゃった、これ、大丈夫ですか?本当に大変ですよ、本当に大変ですよ

これを読む限りでは、水道民営化は、TPPにおけるISD条項発動から逃れるための「先行服従(ドイツ語のvorauseilender Gehorsamより)」となるようです。

相手企業から不利益を被ったと訴えられる前に、法律を変える。
これ、民泊なんかもそうなります(政府が認めるとは思えませんが)。

最近フェンスの取り外しが多すぎる理由もこれになります。

政府や官僚は、もはや、自分たちしか守るつもりはないようです。

参考
最近、フェンスの取り外しが多すぎる
黄金の拘束服

2018/12/09追記
http://bunshun.jp/articles/-/9975?page=4

コンセッション方式、提唱し続けたのはこの人

竹中平蔵 東洋大学教授
人口20万人以上の全都市にコンセッションを義務づけるのはどうか」
ロイター 2015年12月21日

「アベノミクスの『リセット』」と題された竹中氏によるコラムからの抜粋がこちら。2013年のインタビューでも「キーワードはコンセッション」「100年間の運営権を売るとなると、ものすごいキャッシュが入ってきます。それでインフラを造ればいい。造ったらまた売ればいい」とも述べている(日経ビジネスオンライン 2013年2月20日)。

水道民営化は竹中案件だったんですね。

竹中フラグが立ちました。

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