小柴昌俊の性格タイプ

 前回の話と少しだけ関係ある話です。

 以前、『あだ名から性格タイプが想像できる場合もあります』でも書きましたがノーベル賞の小柴昌俊はタイプ8です。

 ノーベル賞を取った小柴昌俊さんの記事を読んでいて、小柴さんのチームを「小柴マフィア」と呼ぶという話があって、こういう話を読むと小柴さんは、たぶんタイプ8なんだろうな、と想像できてしまいます。

 小柴さんと物理の話を簡単にまとめると、こんな感じになります。

 小柴さんが物理に進むことになったのは、自分を噂する話で、「あいつが物理を受けないことだけは確かだ、受けたって受かるはずがないんだから」というのを聞いて「こんちきしょう」と思ったからだそうです。
 そこで、一高の寮の飛び切り秀才の友人に付きっきりで家庭教師をしてもらい、そのおかげで、東大の物理学科に合格することができたそうです。「友人には今でも頭が上がらない」と小柴さんは言っています。
 小柴さんは大学3年のときに山内恭彦先生の研究室に入ります。
 そんなあるときの山内先生との会話です。「おまえ、学費のあてはあるのか?」「ありません。アルバイトでなんとかなります。」「奨学金が欲しいか。」「いただけるものなら、もらいたいです。」
 次の週に山内先生から廊下で呼び止められます。「おい小柴、おまえのおかげで、おれは恥をかいたぞ。小柴に奨学金を、と言ったら、他の先生が笑い出した。おまえはそんなに成績が悪かったのか。」
 同じ時期に、小柴さんは、二人の先輩に指導してもらい、湯川奨学金のために論文を書くのですが、一週間かけて苦労して計算したのをもっていくと、先輩の一人がちらっと見て「違ってる」と返されるのだそうです。努力の甲斐あって奨学金を得ることはできたのですが、このときのつらい思いが、理論物理では先行き厳しいかも知れないという思いを小柴さんに抱かせます。
 そういった中、大学院になったころに、助手の藤本陽一さんから誘いがあります。「小柴さん、(朝永振一郎先生のお弟子さんの)早川さんのところで原子核乾板が手に入ったけれど、一緒にやりませんか?」
 原子核乾板というのは、宇宙線に含まれる電子を帯びた粒子を写真にとるためのフィルムで、これを現像したあとに、顕微鏡で粒子の飛跡を観察するのだそうです。
 小柴さんは、山内先生の理論物理の研究室で、理論ではなく実験をやることになります。山内先生は資金も寄付してくれたそうです。これが小柴さんの転機になったようです。

 ガッツセンターは、「ひとつ、ひとつ」の人なので、理論物理のような抽象的なものでは無く、原子核乾板のような具体的なもののほうが向いていたのでしょう。

 エニアグラムからは、そんなことが見えてきます。

 そして、これがカミオカンデにつながり、400年に一度の超新星爆発が起きたさいのニュートリノ検出へとつながります。
 このときのエピソードもタイプ8的です。IMB(アーバイン=ミシガン=ブルックヘブン)という組織の構成員がカミオカンデがきっかけで発見できたにも関わらず「こちらが先だ」と電話をかけてきたときには、小柴さんは、怒って一喝しています。正しいことのためには、ケンカをいとわないのがタイプ8の強みでもあります。

 小柴さんと同じく、ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章さんは、小柴さんの弟子にあたります。
 その梶田さんは、「小柴先生の第一印象は迫力があって怖かった。」と言っています。

 エニアグラムでよく怖いと言われるのは、タイプ1やタイプ8です。
 タイプ1とタイプ8の違いは、私的解釈(=我流)で言えば、タイプ1が「意をもって内に向かう人=自分を律する人」、タイプ8が「意をもって外に向かう人=他人を律する人」です。
 「迫力があって」や「小柴マフィア」などと言われることを考えると小柴さんは、他人を律していくタイプ8でしょう。

 小柴さんはトランプ大統領と同じ性格タイプですね。
 小柴さんは、「外に向かって挑戦し、道を切り開く人生を歩む」そういう生き方が似合うタイプのかただということです。



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