『NOと言えるPTA』を読んで
何回かに分けて
『元銀座のママと元小学校教師がPTA会長になって、ブラックPTAの改革に挑んでみた。』
を読んだ感想を書いています。今回は感想の6回目です。
エニアグラムでは、日本の国民性はタイプ6だと言われています。
ここでは、タイプ6を通して、PTA改革の話の感想を述べます。
『NOと言えるPTA』より
日本の文化は、イエスマンを好みます。
企業でも、学校でも
「YES!」と元気よく従う人間が良い子と呼ばれます。
これは、エニアグラムのタイプ6日本社会においてNoなどの異論は犯罪だからです。
タイプ6は安心・安全・安定を求めます。その中において、これを損なう発言および行動は嫌われます。それは、犯罪にも等しいものとして扱われます。
正しいことをしたはずなのに会社を辞めるはめになったとか、ありますよね。これは、会社にとっての安心・安全・安定を揺るがした犯罪者だと見なされたからなのです。
世界的に知られたジョークがあります。
沈没船から脱出したボートに、アメリカ人、イギリス人、ドイツ人、イタリア人、フランス人と日本人が乗っています。
船長は乗客に海に飛び込むように説得しています。
アメリカ人に対しては
「あなたは飛び込めばヒーローになれますよ」
イギリス人に対しては
「あなたは紳士になれる」
ドイツ人に対しては
「あなたは飛び込まなくてはならない。それがルールだ」
フランス人に対しては
「飛び込んではいけない」
日本人に対しては
「他の人はみんな飛び込んでますよ」と言いました。
各国の国民性を的確に表した『沈没船ジョーク(タイタニックジョーク)』とは? エスニックジョークで英語を学ぶ - TOEIC TOWN (トイックタウン)http://toeic-town.net/titanic-joke/
判断を嫌がり、横並びのタイプ6が出ている話です。
タイプ6は自ら未知や混沌に乗り出すのが嫌いです。それは、なぜかと言えば、未知や混沌に乗り出すとタイプ6にとって一番大切な安心・安全・安定が崩れるからです。そこで、未知や混沌と対峙する判断を嫌がり、周りを見て、周りの動きに合わせます。周りと同じだと自分一人では無いという安心感が得られます。
以前も書きましたが
それまで何か月も改革に賛成の立場を取っていた人が
臨時総会で反対派の数を見て、造反するという
嘘みたいな光景を私は実際に目撃しました。
『あなたは多数派に属していますか?』で取り上げましたが、小田嶋隆さんもこう書いています。
私の思うに、大多数の日本人は、なにごとにつけて常に多数派であるようにふるまうべく自らを規定している人々なのであって、それゆえ、少数派である瞬間が、仮に生じたのだとしても、その時点で即座に彼は、自分の考えなりライフスタイルなりを捨てて多数派に鞍替えするのであるからして、結局のところ、われわれは、永遠に多数派なのである。
家電量販店でも、店員が最も頻繁に遭遇する質問は、
「どの製品が一番売れてますか?」
だと言われている。
『「共謀罪」がスムーズに成立する背景(2017/05/19 小田嶋 隆 日経ビジネスオンライン)』より
タイプ6は集団に溶け込むことによって安心・安全・安定を得ようとします。
ただ、何回も書いていますが、ここまでレベルが落ちたタイプ6ならば、自分をタイプ6とは思っていないと思いますし、日本がタイプ6社会だという意見に反発するはずです。つまりこういった話には不快感を持つはずです。
著者のBLACKPTAさんは、ここから「衆愚政治」という言葉を入れてくるのですが、これはこちらでは取り上げないで話を進めます。それは、国によって、「衆愚政治」のあり方が違うと私が捉えているからです。それは、国によって国民性という性格タイプが違うから、行きやすい方向も違ってくると見ているからです。
もし、本当にPTAが必要だと考えれば1人でもPTAを続けるはずです。
逆に自分にとっては不要だと感じるのであれば
誰に何を言われても辞めればいいのです。
タイプ6は集団で生きる性格タイプです。これは難しい話ですね。
タイプ6なら、タイプ6的なら、何かを一人で成し遂げたことは無いはずです。
大前研一が「日本人から仕事と国籍を取ったら何も残らない」という話を紹介していますが、タイプ6から所属する集団と国籍を取ったら何も残らないのですよ。
「常識的に考えても退会はおかしい」
「普通は子どものためにPTAをやる」
「常識」「普通」は、個人の見解に過ぎません。
どうか、常識や普通の呪いに負けないでください。
「常識」「普通」は自分の外に答えを求めるタイプ6の思考停止ワードでもあるし、テンプレ・ワードでもあります。
なにも考えず、見てみぬふりをして流される人より
自分の頭で考え、責任を持った答えを出せる人こそ
本当の大人ではないでしょうか?
この最後の言葉は、私にとっても重いですね。
始めのほうで書いたように、タイプ6組織において個人が自分の考えを表明することは犯罪にも等しいものです。いくら正しくともです。ですから、これは組織に所属する限り一回しか使えません。使えば犯罪者なので、追い出されます。
なので、これは私にも重く響く言葉ですね。
タイプ6にとっても重いと言いたいところですが、レベルが落ちていたら、聞こうとしないでしょうね。というかタイプ6は常に多数派だから・・・。レベルが落ちていればなおのこと。
最後の引用を読んで思いましたが、私は、BLACKPTAさんほどにはできていませんね。
参考
『テンプレタイプ6と「テンプレート」「反復」、そして「ひな形」の話』
『最近の日本通常のタイプ6(これで近頃の日本を説明する)』
※ 他の感想は、ハッシュタグ「#ブラックPTA感想」にまとめています。
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