ある本のアマゾンレビューにタイプ6日本が書かれていたので

以前、以下のPDFを引用した

http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/tachiyomi/0054150.pdf

『算数文章題が解けない子どもたち』岩波書店
のその後が気になってアマゾンレビューで評判を確認してみました。

するとエニアグラムのタイプ6の国、日本を彷彿ほうふつとさせるレビューが出ていて、それがとても良かったので紹介します。

先に、説明しておきます。
エニアグラムのタイプ6は、安心・安全・安定がとても大切な性格です。
また、安心・安全・安定が崩れた未知や混沌を嫌い、そこに自ら向かっていくことを嫌います。
それで、絶対的に安心・安全な正解。「銀の弾」や「聖杯」と言われるものを求めます。

これは「失敗」を恐れるということでもあります。

今はワールドカップの季節なので、サッカーの話で言えば、
昔読んだ、ジーコ氏のインタビューに、こういうものがありました。

「きっと国民性なのだと思う。他の国では考えられないのだけど、なぜか失点に対して過剰な恐怖感や失望感がある」

http://tvstation.jp/sport/soccer/brazil-report/5619/

「失点(失敗)に対して過剰な恐怖感や失望感がある」んです。
それで失敗したくないから正解や正答を求めてしまうのです。

日本の性格の説明はこれくらいにして、
それでは、アマゾンレビューを紹介したいと思います。

この本書を気軽に読んでしまうと、多くの人は「子どもの誤答の理屈、メカニズムは理解したが、ではどのように指導すれば良いのか?」「指導方法が書いてない!」と思うのではないだろうか?

本書にそこまで頼ってしまうこと自体が、実は過去において私たち多くの日本人が「誤答」を追及してこなかった教育環境で育ったからではないかと心得た。
つまり、すぐに自他問わず正答だけを求める、それだけを評価してしまう姿勢である。


本書「第6章」に躓きの原因がまとめてある。
読者はきっと、この後に「答え」(指導方法)を求めてしまう。
しかし、残念ながら求められている答えは書いてない。
「え?」と思うだろう。
「指導方法の答えを示して欲しい」そう思うこと自体が今までの教育で育ってきた私たちなのだろう。

人には個性があるように、当然子どもたちにも個性がある。
誤答もその個性ある子どもたちによって、理屈が違う。
どう指導するかの答えはきっとここなのだろう。

つまり「指導方法が書いてない」ではなく、ヒントは本書に示されていることを参考に、指導する側が子どもたちと誤答を通して向き合い、どう指導すべきかを考えるということである。
個性ある子どもの誤答ゆえに、画一的な指導方法はなく、個々に合わせた指導を考えるということである。
例えば、学校であれば先生同士で考え、その考えや指導方法を蓄積し次世代に活かすことこそが本書が求めている「書かれていない」指導方法の答えなのだと思う。
それが子どもたちの「わかった!」に繋がっていくものと本書は科学を通して示していると考える。

タイプ6について、もうひとつだけ説明をします。
エニアグラムにレベルという概念を持ち込んだリソ&ハドソンによると、
タイプ6が、「健全なレベル」から「通常レベル」に落ちるときの『目覚めの注意信号』の内容が、

「自分の外にあるものに、導きを求めて依存しはじめたら」

となっています。

エニアグラムにおける普通どこにでもいる大抵の性格タイプは「通常レベル」として存在しています。

そして、日本の性格であるタイプ6の通常レベルは、「依存的」だということです。

レビュー文中でも以下のように書かれていました。
「(『指導方法が書いてない!』と)本書にそこまで頼ってしまうこと自体が、(略)」
「読者はきっと、この後に『答え』(指導方法)を求めてしまう
「『指導方法の答えを示して欲しい』う思うこと自体が今までの教育で育ってきた私たち(略)」
そう、その態度こそ、依存的な態度なのです。

依存的だから自分の外に「正答」を求めてしまう。

このようにタイプ6な日本に対する指摘が書かれた良いレビューだったので今回取り上げてみました。

アマゾンレビューの中で、こういった「気付き」が見られる日本はまだまだ捨てたものではない、これは明るい希望だとも思いました。

ちなみに本は未読です(ここまで書いた私は読まなけりゃいけないんだろうけども)。

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