ロシアの心理戦に敗れた日本

『<デスクの眼>強まるロシアの対日攻勢 心理戦に敗れた「安倍外交」 外報部・常盤伸:東京新聞 TOKYO Web』
https://www.tokyo-np.co.jp/article/143233
を読んで思ったことを書きます。

2018年11月14日、安倍晋三首相(当時)とプーチン大統領がシンガポールで首脳会談を行い1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を進めることで一致したいわゆる「シンガポール合意」から、まる3年が経過した。安倍氏は「平和条約交渉を仕上げていく決意であります」と強い決意を表明したが、その後も領土交渉は一切行われず、今では取り上げるメディアもない。
日本政府はかたくなに認めないが、客観的に見れば、日本側から交渉の基礎を1993年の「東京宣言」から56年の「日ソ共同宣言」に事実上逆戻りさせる提案を行った事実は、否定的な意味で北方領土交渉の歴史上、深刻な意味をもつ。プーチン氏らは、約20年間かけて執拗に進めてきた東京宣言の死文化を目指す対日戦略がようやく実を結んだとして、自らの強硬路線の正しさに自信を深めたに違いない。

強硬発言をしつつ非公式の場などで、期待を抱かせるような思わせぶりな言葉を投げかけると、交渉を打開したい相手は敏感に反応する。ロシアがソ連時代から徹底的に磨きをかけてきた心理戦の手法だ。

タイプ6は楽観に傾きやすい性格タイプです。
そして、安倍元総理も日本国民もタイプ6です。

半藤一利氏は、日本人の欠点の一つとして、
「当座しのぎの根拠のない楽観性」
を挙げましたが、
「強硬発言をしつつ非公式の場などで、期待を抱かせるような思わせぶりな言葉を投げかける」相手だと、
その楽観性を強化することになります。

あのころの安倍元総理も日本国民も、ついでに私も、まんまとロシアの心理戦に引っかかっていたわけです。
私は4島返還支持ですが、あのころは2島返還で決まってしまうのだと受け止めていました。
それが今ではゼロ島なわけです。

ここからちょっと脇道にそれたことを書きます。
心理戦で言えば、ロシアより中国のほうが上手だと見ています。
現在、日本は上手く手玉に取られていると想像しています。
日本の「当座しのぎの根拠のない楽観性」を強化して漬け込む国は、なにもロシア一国だけとは限らないのです。

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