騒動か麻痺か それしかできない日本なのです

 エニアグラムのタイプ6の国民性と言われている日本は、安心・安全・安定が好きな国です。
 そして、その安心・安全・安定が壊れそうなとき、その対応が難しいときには、それを無視しようとします。見ざる言わざる聞かざるの三猿を決め込みます。

 警告を声高に訴える人に対して、タイプ6は嫌悪感を抱きます。

 そんなタイプ6が警告を聞き続けると変化が起こります。警告に対しての麻痺が起こり始めます。

 例えば、年金の破綻が言われ始めたときは、ある種のパニックでした。
 そのパニックを鎮めるために、「百年安心」という言葉が出たりもしました。
 でも、
今は、それが麻痺してきています。最近、車中で大学生の会話を耳にしました。大学生の「年金もあてにできないからね」という言葉を聞いて、私は、「数年たって、やっとタイプ6のパニック期は過ぎたのか」と思っていました。

 リストラも初めて大企業が行なったときは大騒ぎでしたが、今は、皆、麻痺していますよね。

 タイプ6日本は、混沌からいつも逃げています。そのような中、混沌が急に出てくると騒ぎます。そして、混沌がある程度強力だと分かりだすと・・・つまり、いくら騒いでも解決しそうも無いと気づき始めると、今度は、徐々に、混沌に逆らわずに、自分を麻痺させて従うような態度に出てきます。
 「しかたないよ」「どうせ無理だよ」「そんなもんだよ」と自分を麻痺させます。

 この麻痺させる態度の何が問題なのかと言えば、それは、危機感を持続できない点です。
 危機に対峙し続ける。混沌を見続ける。そういった危機感を持続する能力がタイプ6にはありません。騒がず、焦らず、じっと緊張感を保つことがタイプ6には難しいのです。

 なぜなら、それは、タイプ6が好きな安心・安全・安定な感じがしないからです。

 先ほどの「年金もあてにできないからね」と言った大学生が、日本のタイプ6的なものの影響を受けているのであれば、年金があてにできないと分かっていながらも、年金の代わりを探していないはずです。もしそうであれば、これはただ、現状をあきらめて自分を麻痺させているだけです。
 麻痺をしている人間は、危機感をもって、別の対応策を探すようなことはしません。
 こうして問題は、水面下に隠れ、それが再び逃げられない形で表面化するまでの間、置いておかれます。

 元海上自衛隊 特別警備隊の伊藤祐靖という人がこんなことを言っています。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50729

「大切なのは、どれくらい真剣に考えて、未来を予測しているか、だと思うんです」
「たとえば宇宙飛行士というのは、まだ宇宙へ行ったことはなくても、宇宙に行ったらどうなるかということを全身全霊で考えて、予測しています。宇宙に何度も行っている人のほうが、もしかすると真剣味が足りないかもしれない」

 またある対談ではこうも言っています。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49301?page=3

「1分後にも出撃が命ぜられ、命のやりとりが開始されるかもしれない。それに備えるために今何をするべきなのか? なんて考えているのはごく一部だと思います。実際に私が見たことがあるのは、陸海の特殊部隊員、空自のスクランブルパイロット、メディック(救難隊員)くらいです」
「面白いのは、真面目な人は陸自に多いんですね。海自と空自は領海、領空を守っているので、敵を見ているんです。その切実さを知っているはずなのに、慣れてしまって、「どうせなんとかなるんだよなあ」と、真面目さを失ってしまう。」

 タイプ6日本人は、危機に対して、騒動か麻痺かのどちらかになってしまいます。どちらも真剣味が足りないのです。
 これは、タイプ6が不安が嫌いな性格タイプであることと、思考の否定点にある性格タイプであることが関係しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?